最新記事
- パドック裏話:レース出場の機会をひたすら待...
- アルボン、ウイリアムズF1との契約を複数年延...
- ロータス72でモナコ・ヒストリックGPに参戦し...
- FIA、2026年に向け新しい軽量ヘイローの入札...
- F1マイアミGP技術解説:マクラーレンの勝利を...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第6戦】...
- ハースF1も元代表シュタイナーに対し訴訟を起...
- モナコ・ヒストリック・グランプリでセナ追悼...
- 松田次生のF1目線:ランド・ノリスの将来を左...
- フェラーリF1、メルセデスの上層部ふたりとの...
- F1マイアミGP技術解説:マクラーレンの勝利を...
- 【F1チーム代表の現場事情:マクラーレン】重...
【F1無線レビュー前半戦まとめ】「ハッピーバースディ・トゥ・シャーロット♪」ノリスの人柄と強い絆が見えたやり取り
2022年8月19日
2022年シーズン前半戦のF1は、復活を遂げたフェラーリと、ダブルタイトル獲得を狙うレッドブルの激しい争いとなった。開幕戦を制したのはフェラーリだが、その後はトラブルやミスで失速。一方のレッドブルはトラブルに見舞われながらも、チーム力を活かしてドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で、ライバルに大量リードを築いてサマーブレイクを迎えている。そんなF1に欠かせない無線のなかから、autosport webでもおなじみのF1ジャーナリスト、柴田久仁夫氏が印象に残ったやり取りを選出した。
────────────────────
●第5位:周冠宇「あとでパンツ履き替えないと」(F1第7戦モナコGP 決勝)
周:トライしたんだけどね。あとでパンツ履き替えないと
モナコGP決勝レース49周目、トンネル出口からのシケインブレーキングで角田裕毅(アルファタウリ)を抜こうとした周冠宇(アルファロメオ)。派手に挙動を乱し、マシンはほとんど横を向いてしまうが、かろうじて立て直した。
ちびりそうなくらい焦りまくったのだろう。それでもあの状況で、こんなジョークを言える周は、なかなか大物かもしれない。
●第4位:カルロス・サインツ「フェラーリで、しかもシルバーストンで初優勝できるなんて」(第10戦イギリスGP 決勝)
アダミ:ハミルトンが30秒5で最速だった
サインツ:わお。でも、どうでもいいよ(笑)
アダミ:こんなレースをしてくれて、本当にありがとう
サインツ:感謝は、僕の方だ。フェラーリで、そしてシルバーストンでF1初優勝ができるなんて、なんて言ったらいいのかわからない
ルクレール:僕らはレースを失った。ああ、なんてことだ。唯一ポジティブな点は、カルロスが勝ったことだ。この勝利を、祝おうじゃないか
イギリスGP決勝レースチェッカー後、カルロス・サインツ(フェラーリ)陣営は歓喜に沸いた。サインツはフォーミュラBMW選手権に参戦していた2010年、同じシルバーストンで今回と同じポール・トゥ・ウィンを果たしている。F1デビュー150戦目の初勝利の直後、その記憶が去来したのだろう。
対照的にシャルル・ルクレールは、一時は首位を走りながら、4位に終わった。不可解な戦略を指示したチームへの不満を、必死に押し殺しているようだった。
●第3位:セルジオ・ペレス「ハックション!」(F1第13戦ハンガリーGP フリー走行1回目)
ペレス:ハックション!
バード:ブレス・ユー
ペレス:ハックション! ここ、アレルギーがあるみたい
ハンガリーGP初日FP1のセッション中、いきなりペレスがくしゃみを始めた。F1ドライバーも人間だから、走行中にくしゃみをすることもあるだろう。しかし無線でくしゃみを聞くのは、初めての経験だった。どうしてわざわざ無線ボタンを押しながら、くしゃみをしてしまったのだろう? しかも2回も。ちなみに担当エンジニア、ヒュー・バードの「ブレス・ユー(Bless You あるいはGod Bless You)」は、直訳すると「神のご加護を(お大事に)」という意味で、誰かがくしゃみをしたときに英語圏ではこう答えます。
●第2位:マルコス・パドロス「ボックス、いやステイアウトだ!」(F1第7戦モナコGP 決勝)
パドロス:ボックス、ボックス、ハードに履き替える
パドロス:いや、ステイアウト、ステイ、ステイ! ステイアウトだ!
ルクレール:XXXX!XXXX! なぜだ!? どういうことだっ! 何やってるんだ!
今季のフェラーリのドタバタを象徴する無線交信。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は地元モナコでポールポジションを獲得し、レースも首位を快走していた。しかしあまりに保守的すぎるタイヤ交換作戦で、首位の座を失う(ちなみにカルロス・サインツはこの指示に反抗したおかげで2位表彰台を獲得した)。
さらにスリックタイヤへの交換の際、2台一緒にピットに呼び戻し、担当エンジニアのマルコス・パドロスが慌てて「ステイアウト!」と言い直したが、時すでに遅し。ルクレールはサインツの作業の間しばらく待たされ、4位に終わった。
●第1位:ランド・ノリス「ハッピーバースディ・トゥ・ウィルのママ〜♪」(F1第4戦エミリア・ロマーニャGP 決勝)
ジョゼフ:ランド、今日は母の誕生日でね。きみが表彰台に上がったら、ケーキを作るって彼女は言ってたんだ。つまり、(表彰台と誕生日の)二重のお祝いってことさ。
ノリス:ハッピーバースディ・トゥ・ウィルのママ〜♪ ところでママの名前は何なの?
ジョゼフ:シャーロットだ。きみの大好きなクリスマスケーキを作ってあげるってさ
ノリス:ハッピーバースディ・トゥ・シャーロット♪ この表彰台は、あなたに捧げるよ!
ジョゼフ:ありがとう。最高だ!
ノリスが今季初の表彰台をとなる3位を獲得したのは、第4戦エミリア・ロマーニャGPだった。チェッカー直後、担当エンジニアのウィル・ジョゼフが「今日は母の誕生日なんだ」と伝えると、ノリスはハッピーバースディを歌い出した。
ノリスのユーモア感覚、人柄の良さ、そして何よりドライバーと担当エンジニアの強い絆が窺える、最高の無線交信だった。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
関連ニュース
5/17(金) | フリー走行1回目 | 20:30〜21:30 |
フリー走行2回目 | 24:00〜25:00 | |
5/18(土) | フリー走行3回目 | 19:30〜20:30 |
予選 | 23:00〜 | |
5/19(日) | 決勝 | 22:00〜 |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |
第11戦 | オーストリアGP | 6/30 |