最新記事
- F1、フォーミュラE、ヒストリック。2024年モ...
- F1中国GP FP1:唯一のフリー走行はストロール...
- 【タイム結果】2024年F1第5戦中国GPフリー走...
- 5年ぶりのF1中国GPで、ドライバーたちが路面...
- 複数のチームから関心が向く角田には「ベスト...
- レッドブルF1のエイドリアン・ニューウェイに...
- 鈴鹿を走り込んだ岩佐に期待したRB。FP1デビ...
- グランプリのうわさ話:F1にも導入が計画され...
- 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】...
- レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か...
- 初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想...
- 海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレン...
今宮純によるオーストリアGPドライバー採点&短評
2016年7月6日
F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選ぶ。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視して評価する。
ーーーーーーーーーーーー
☆ エステバン・グティエレス
これまでトラブルに悩まされてきたが、今季ベストの予選11位でロマン・グロージャンに先行。スタートでアンチストール・モードに入り、18番手まで転落するも、そこから挽回。最速ラップ6番手を記録、今季3度目の11位。ハース勢は、もう一歩でダブル入賞だった。
☆☆ キミ・ライコネン
スパ・フランコルシャンに似た部分があるレッドブルリンクは、下りが得意なベテランに合っているはずだが……中盤ダニエル・リカルドをかわすのに30周以上、2コーナー出口のトラクションが不十分で時間がかかった。終盤マックス・フェルスタッペンを追い込むも、最終ラップ勝負どころでイエローフラッグが出て、アタックできなかった。見せ場がなかった3位に映るが、逆の見方をすれば、レッドブルとのトラクション特性の違いが目立った。
☆☆ カルロス・サインツJr.
最終スティント42周で、17番手から8位へ。“鋭角ライン”を駆使しながら次々にオーバーテイクを決めていった。2017年の契約が早めに発表され、彼自身すっきりしたのだろう。
☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
思い切りが良い判断、予選Q3で真っ先にインターミディエイトからウルトラソフトにチェンジ。まだ濡れた部分が点在するリスキーなコースを、変幻自在な最適ラインワークで攻めて堂々の3位。2010年ブラジルGPにウイリアムズでデビュー18戦目のポースポジション獲得、まさにその再現だ。しかし、繰り上がりでグリッド2位からのレースはタイヤのグレーニングに苦しみ、ブレーキも変調、完走できずに64周で終了。セルジオ・ペレスもトラブルによってクラッシュ、17位。フォース・インディアの4戦連続ダブル入賞は、ならず──。
☆☆☆ ジェンソン・バトン
局地的な暴風雨に見舞われたフリー走行2回目、インターミディエイトタイヤのバトンが最速タイムをキープした。マシン姿勢を安定させ、スムーズな加減速でタイヤ温度を保つ、しなやか走法だ。雨上がりの予選Q3でも匠の技を見せて5位、ライコネンを0.001秒で退けた。2年ぶりの上位集団レース、序盤下がったあと26周目のピットストップは正解。ソフトタイヤで終盤をコンスタントにまとめあげ、現チーム体制での自己ベスト成績タイの6位入賞。欲を言えば、ベテランには常に戦う姿を示してもらいたい。
☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
まったく予知できない一瞬、突如マシンが暴れ、コントロール不能になる場面が二度あった。フリー走行2回目、2コーナーでリヤがロック、それに反応したステアリング操作の素早さ! そして決勝27周目、ストレートでのタイヤバーストに、再び対処したベッテル。絶えず緊張感をもってドライビングに集中している姿に、あらためてF1の凄みというものを感じる。「こんなことできない、さすが」──そう思わせた、敗者のファインプレー。
☆☆☆ ニコ・ロズベルグ
すべてのデータを精査したスチュワード、マーティン・ドネリー氏らの判定を支持する。画面でもロズベルグが2コーナー進入時に、いつまでたっても右にターンインしないのが見てとれた。「コーナーでインにいる者に、すべての権利がある」などとルールブックには書かれていない。エアロパーツの一部を欠き、ブレーキ変調を抱えながら、オーストリア3連勝目前だった。最終ラップ2コーナーまでのレース展開は“勝者”に値するが……。
☆☆☆☆ パスカル・ウェーレイン
驚きの10位に飛び込んできた予選Q1では、2コーナーでタイムを稼いでいた。ダウンフォース特性で劣るマノーはセクター2も3も辛い。それをカバーしようと縁石を限界まで攻めるパワースライド走行で、予選12位はチーム史上最高。セーフティカー退去後に20番手から11位まで上がり、ペレスのクラッシュによって初ポイント獲得。2014年モナコGP、当時マルシャの名前だったチームで、故ジュール・ビアンキが記録した9位に匹敵する殊勲賞。
☆☆☆☆ ロマン・グロージャン
マクラーレンのバトン、ウイリアムズのフェリペ・マッサらと激走を展開。こういうバトルに持ち込むと、とてもタフになる。ミスすることなく高い集中力を維持でき、それが今季4度目の入賞に結実。これでハース28点とランキング8位を固め、来季への開発プランに着手できる。それが一番大きい。
☆☆☆☆ ルイス・ハミルトン
ドライビング・スタイルは突っ込みブレーキング重視型。しかし、このコースはコーナー進入速度よりも脱出速度を高めるトラクションが大事になる。その点においてロズベルグのほうが合っていると言えるだろう。初日からリードされ、追いかける立場になったハミルトン。レース展開も、そうなった。そして激突…
…。“2016年型ハミルトン”は先攻逃げ切りでなく、後攻追いあげパターンのほうが、ずっと多い。さて2度あったことは3度また、どこかであるか?
☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
レッスン1、縁石コーナリングを学びとるためのアクシデントが2回。自分の意見を批判的に述べた。レッスン2、ウエット路面や濡れ乾きコンディションでマシン状態を確認。リカルドの予選アタック能力を観察。レッスン3、レース第2スティントをソフトで最長56周。タイヤ管理方法をマスター。レッスン4、はるかに年上のメルセデスのふたりが実はカート少年みたいにヤンチャで反面教師になった。レッドブル5戦目、急速学習中の18歳に最高の評価を。
ーーーーーーーーーーーー
番外編・チーム賞は、F1速報フェイスブックで
https://www.facebook.com/f1sokuho/posts/900681926724852
(Text : Jun Imamiya)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |