F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

GP topic:ハミルトンの2ストップへの変更は「ニコと勝負させるためだった」

2016年7月5日

 メルセデスのチームメイト同士の接触によって、勝敗が決した2016年オーストリアGP。レース後に開かれたメルセデス・チームの記者会見では「なぜハミルトンを1ストップのままにしておかなかったのか?」「なぜチームオーダーを出さなかったのか」という質問が相次いだ。


 ウルトラソフトタイヤで21周目まで引っ張ったルイス・ハミルトンは1ストップ作戦が可能だったのに対して、10周目にピットインしたニコ・ロズベルグが2ストップ作戦なのは明らかだった。ハミルトンが54周目にピットインしなければ、55周目にロズベルグがピットインした時点で、ハミルトンは単独トップとなり、そのまま優勝していたはずである。


 会見でトト・ウォルフも「当初、ルイスは1ストップだった」と認めている。


 本来メルセデスはスーパーソフトでスタートするフェラーリとレッドブルに対抗して、できるだけウルトラソフトで引っ張って1ストップする予定でいた。しかし、6番手からスタートするロズベルグは追い上げるために2ストップとし、ワン・ツー・フィニッシュを目論んでいた。


 ところが、スタートするとロズベルグのペースが予想以上に良く、あっという間にポジションを上げてきた。テクニカル部門エグゼクティブディレクターのパディ・ロウは、ハミルトンを2ストップにした理由を次のように説明する。


「ルイスの1ストップは他の全員を倒すには十分だったが、チームメートのニコには敵わないことがわかった。ニコの2ストップが予想よりも速かった。そのためルイスにも再びピットインさせて、もう1セットのソフトタイヤを使わせることにした。ニコがスーパーソフトにしたのは、もうソフトタイヤを持っていなかったからだ」


 この決断を下したのはメルセデスのチーフ・ストラテジストを務めるジェームス・バウレスだ。バウレスはホンダ時代から在籍している生え抜きで、ブラウン時代の2009年とメルセデスで2度、合計3回チャンピオンを獲得しているベテランである。さらに現在のF1チームは1周ごとにコースを走行しているドライバーのギャップをグラフで確認することができるソフトをコンピュータに入れており、正確な判断を即座に下すことができる(写真はレッドブルのレース後のもの。一番上の黄緑色のラインがメルセデスの2台)。ハミルトンも2回目のピットストップに関しては、「チームは僕たちにレースをさせてくれた」と不満は言っていない。


 だからこそウォルフは、今回の接触に大きく落胆していた。


「我々は、これまで一度もチームオーダーは出してこなかった。そんなことをすれば多くのファンから信用を失ってしまう。勝利のために、ふたりのドライバーを常に平等に扱い、自由にレースさせるというのが我々のフィロソフィだ。レース前、ふたりのドライバーに、そのことをいつも話しているし、自由に戦って良いと伝えている。ただし、それは相手とぶつからない範囲での話だ。こんなことが続くようでは考え直さなくてはならない」


 ウォルフは2、3日中に首脳陣を集めてチーム内で話し合いを行う予定だと語った。そこで「チームオーダーも含めた、すべての選択肢を検討することになるだろう」という。果たして、今週末のイギリスGPまでに、どのような決断が下されるのか。



(Text : Masahiro Owari)




レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP