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角田裕毅の10位入賞が確定。正しかったグリッドボックスの停止位置/F1イタリアGP

2026年9月7日

 角田裕毅(レーシングブルズ)は、9月6日(日)にモンツァ・サーキットで開催された2026年F1第13戦イタリアGP決勝を10位でフィニッシュしたが、レース後の審議の対象となった。ただ、このケースはスチュワード(審査委員)により「それ以上の措置は講じない」と判断され、お咎めなしに。10位入賞が確定し、レーシングブルズに1ポイントを持ち帰った。

 角田が違反したとされたのは、F1の競技規則B5.9.4『スタート手順』だった。B5.9.4の条文は以下のとおりだ。

「エクストラ・フォーメーションラップを引き起こしたドライバーで、そのエクストラ・フォーメーションラップ、またはその後に追加されたフォーメーションラップでスタートが可能となった者は、そのラップ終了時にピットレーンに入り、B5.3に規定されるとおり、ピットレーンの最後尾からTTCSを開始しなければならない」

「ピットレーンからTTCSを開始しなかったドライバーには、ストップ・アンド・ゴー・ペナルティが科される」

 条文内のTTCSは『Total Time Classified Session』の略で決勝レース、もしくはスプリントのことを指す。この条文のとおり、今回はエクストラ・フォーメーションラップを引き起こしたにもかかわらず、角田がピットレーンからレース再開を迎えなかったことが、審議要因となった。

 スチュワードの報告書によると、角田の22号車は左側のグリッドへ接近したが、自身の向かっている位置が間違っていることに気づき進路を変更、正しいグリッドボックス内の正しい位置に車両を停止させた。そのことを、複数のカメラアングルからの映像をチェックしたスチュワードにより確認された。

 ただ、エクストラ・フォーメーションラップが開始となり、リスタートはやり直しとなった。エクストラ・フォーメーションラップの判断を下したのはレースディレクターで、彼は『その位置にマシンがある状態でレースを開始することに不安を感じた』と説明したという。

 一方、レーシングブルズのチーム代表者は以下の主張を述べた。

  • F1規則第B5.1.1cを参照すると、当該車両は『フライングスタート(不正スタート)』の位置にはなかった。なぜなら、フロントタイヤの接地面がいずれもグリッドボックスのライン(前方および側面)の外側にはみ出していなかったからである。
  • ドライバーズミーティングにおいて、レースディレクターはスタート時のトラックリミット(コース境界)はピットウォールであると説明していた。今回の場合、車両は右を向いていたものの、スタート時に発進するためのスペースは少なくとも4メートル確保されていた。
  • 22号車の位置によって他のドライバーが影響を受けることはなかった。
  • 22号車のドライバーは、エクストラ・フォーメーションラップが行われることになった『原因』ではない。
  • レースコントロールが22号車をエクストラ・フォーメーションラップの原因とみなしている旨の通知は、チームに対して一度もなされなかった。

 スチュワードは上記の点に同意。エクストラ・フォーメーションラップが行われたのは、「22号車のドライバーによって直接引き起こされたものではなく、レースディレクターによる状況の判断の結果であったと判断する」という見解を示した。

2026年F1第13戦イタリアGP 角田裕毅(レーシングブルズ)

 スチュワードは長文で、今回の判断に至った経緯を続けた。

「さらに、F1規則B5.9.4では、エクストラ・フォーメーションラップの原因となったドライバーがそのラップを開始できる場合、当該ドライバーはそのラップの終了時にピットレーンに入り、ピットレーンからスタートしなければならないと規定されている。義務付けられた『ストップ・アンド・ゴー・ペナルティ』が科されるのは、ドライバーがこの手順に従わなかった場合のみである」

「言い換えれば、このペナルティは、ピットレーンに入ってそこからスタートしなかったことに対して科されるものであり、エクストラ・フォーメーションラップの原因を作ったこと(仮に実際に原因を作っていたとしても)そのものに対して科されるものではない」

「ここで重要な問題が生じる。ピットレーンに入りそこからスタートするという要件を遵守するためには、ドライバー自身がエクストラ・フォーメーションラップの原因であることを認識している必要があるからだ。チーム代表者は、カメラマンの位置など、外部の状況によってエクストラ・フォーメーションラップが開始された事例を挙げた。本件においては、チームやドライバーに対し、彼ら自身がエクストラ・フォーメーションラップの原因であると知らせるメッセージは送られていなかった」

「当該車両は規則に従ってスターティンググリッドのボックス内に位置していたという事実に基づき、チームにはドライバーに対してピットレーンに入りそこからスタートするよう指示する理由はなかったと我々は判断する」

「したがって、ドライバーがエクストラ・フォーメーションラップの直接的な原因であったか否かにかかわらず、チームとドライバーは自分たちが原因とみなされていることを認識していなかったため、本件においてストップ・アンド・ゴー・ペナルティを科すことはできないと判断し、これ以上の措置は講じないこととする」

 そして、スチュワードは最後にこう記した。

「なお、レースディレクターがエクストラ・フォーメーションラップを命じたのは、誠意を持ち、かつ万全を期すための慎重な判断によるものであったことを付記しておく。さらに、FIAは、エクストラ・フォーメーションラップの原因となったとみなされるチームやドライバーに対し、その旨を通知する仕組みの導入を検討することが望ましいと考えられる。これにより、当該チームやドライバーは、規則B5.9.4の要件を遵守することが可能となる」

2026年F1第13戦イタリアGP 角田裕毅(レーシングブルズ)


(Text:autosport web)


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