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【中野信治のF1分析/第11戦】王者マクラーレンの優勝戦線復帰。前半戦で見えたトップ4チームの車両特性と強み
2026年8月6日
ハンガロリンクで開催された2026年F1第11戦ハンガリーGPは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾りました。
今回は大型アップデート投入でポテンシャルを上げたマクラーレン、アストンマーティンの戦いぶり。シーズン前半戦におけるトップ4チームの車両特性について、元F1ドライバーでホンダ/HRCの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点で振り返ります。
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前年王者ノリスとマクラーレンが今季初優勝を飾ったハンガリーGPは、決勝の戦略が各チームで分かれたこともあり、非常に面白いレースでした。サマーブレイク前/夏開催のハンガリーGPは、気温・路面温度が高めでタイヤのデグラデーション(性能劣化)が早く、さらに滑りやすい路面です。また、長いストレートがなくオーバーテイクが難しいコースレイアウトといった要因により、タイヤ戦略が分かれました。
ただ、そんななかでスピードを見せたのは、リヤウイング、フロアボディ、フロントコーナー(2カ所)、リヤコーナーの計5カ所にアップデートを投入したマクラーレン勢でした。ポールポジションを掴んだノリスの予選での一発のアタックは、ノリス自身のスピードセンスが成せる技だったとは思いますが、そのノリスの腕に応えられるクルマになってきたと感じます。
アップデート前のマクラーレンのクルマはストレートは遅かったと思いますが、コーナーは決して遅いクルマではありませんでした。ただ、その分タイヤのデグラデーションが早いというキャラクターでした。今回のアップデートで全体的にダウンフォース量が増え、その分コーナリングスピードが増加。ダウンフォースが増えたことで、タイヤのデグラデーションが少し抑えられたという印象です。
さらにいえば、ハンガロリンクはマクラーレンが得意とする低中速サーキットでした。アップデート自体もしっかりと機能したようで、強いマクラーレンが帰ってきたなというのが、ハンガリーGP最大の印象です。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はリタイアに終わりましたが、レースペースは悪くなく、何事もなければ勝っていた可能性もゼロではありませんからね。ノリス、ピアストリのマクラーレン勢が優勝戦線に戻ってきたことで、サマーブレイク明けに向けて楽しみな要素が増えました。

アップデートといえば、アストンマーティンが16カ所もの大型車体アップデートを投入しました。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が今季初Q2進出を決めたことからもわかるように、このアップデートによる戦力向上はかなり大きかったと思います。開幕から11戦目で待望の本格アップデートとなりました。
ハンガロリンクが、一番のアップデートが効果を発揮するサーキットだということをアストンマーティンは調べ尽くしていたと思います。ストレートが短いハンガロリンクは、パワーユニット(PU)側の不利な部分にマスクをかけてくれます。空力が大きく変わった車体によりコーナリングスピードが増加した分、タイムゲインを大きく得られるハンガロリンクで大規模アップデートを投入する戦略は、彼らの想定どおりなのかなと思いますね。
私はアップデート投入により、予選ではアストンマーティンが『キャデラックを上回り、ウイリアムズとポジション争う』くらいまで来ると予想していました。実施はキャデラック、ウイリアムズを上回った上に、アロンソがハース勢に食い込んでQ2進出を決め(Q1結果:15番手エステバン・オコン/ハース、16番手アロンソ、17番手オリバー・ベアマン/ハース)、いい意味で予想を裏切ってくれました。
先述のとおり、ハンガロリンクのコース特性に助けられた部分もありますが、アップデートがしっかりと機能したことが証明されたことはアストンマーティンにとって非常にポジティブです。ハンガロリンクではストレートスピードで遅れをとっていましたが、サマーブレイク明けの次戦オランダGP(8月21〜23日)にはホンダがアップデート版PUを投入します。さらなる前進の鍵は、ホンダPUになるのは間違いないですね。

さて、車両サイズ、タイヤサイズが小さくなったり、PUの内燃機関(ICE)と電気エネルギーの比率が50対50になるなど、車両の技術規則が大幅に変わった激動の2026年シーズンも、ついにサマーブレイクを迎えて前半戦が終了しました。個人的な感想としては、オーバーテイクが増えている部分はポジティブに受け止めています。
PUの電気エネルギーを使用し続けるとエネルギープア/電欠が起きるため、ドライビングスタイルがこれまでとはまったく変わりました。特に電気エネルギーを消費するストレートが長いコース、エネルギーを回生する場所が少ないコースだと、リフト・アンド・コースト(編注:電気エネルギーを効率良くリチャージするために、アクセルを戻し/リフト、惰性/コーストで走行する走り方)を多用するようになり、現役ドライバーのなかには『つまらない』と言う人もいますし、ファンのなかにもそう感じる人もいらっしゃるかと思います。
私自身はオーバーテイクが増えていることはポジティブに受け止めています。PU開発競争、エネルギーマネジメントの駆け引き、アップデート投入による勢力図の変化、そしてオーバーテイクが増えたことによるF1の面白さは、これまでのF1と同じ、もしくはこれまで以上にエンターテインメントの面でも魅力や面白さは増えており、全体的に非常に面白い前半戦だったと感じています。
■メルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレン/トップ4チームの車両特性と強み
(Shinji Nakano まとめ:autosport web)
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| 7/26(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 219 |
| 2位 | ルイス・ハミルトン | 169 |
| 3位 | ジョージ・ラッセル | 160 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 138 |
| 5位 | ランド・ノリス | 128 |
| 6位 | マックス・フェルスタッペン | 109 |
| 7位 | オスカー・ピアストリ | 92 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 68 |
| 9位 | リアム・ローソン | 43 |
| 10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 379 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 307 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 220 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 177 |
| 5位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 66 |
| 6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 61 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 12 |
| 9位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


