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【F1第11戦ベスト5ドライバー】完璧だった王者/力のないマシンで輝き続ける/“ベスト・オブ・ザ・レスト”は報われるのか

2026年7月31日

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は2026年第11戦ハンガリーGPの戦いを振り返った。

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■今季ベストのパフォーマンスを見せたノリス

ランド・ノリス(マクラーレン):予選1番手/決勝1位

ランド・ノリス(マクラーレン)
2026年F1第11戦ハンガリーGP ランド・ノリス(マクラーレン)が優勝

「完璧」。ブダペストでのランド・ノリスのパフォーマンスは、そのひと言に尽きる。


 マクラーレンがハンガリーGPに投入した空力アップグレードに慣れ、セットアップを煮詰めるために、ノリスには3回のセッションを使うことができた。一方、オスカー・ピアストリは、わずか1回だけだった。FP1はルーキーのレオナルド・フォルナローリにマシンを託し、FP2ではアップデート前のパッケージで走行したためだ。


 ノリスはその状況も味方につけ、予選でポールポジション獲得にふさわしい走りを披露。Q3最後のアタックでタイムを更新できたフロントランナーは彼だけであり、自分たちが優位に立つと考えていたフェラーリ勢を驚かせた。


 決勝スタート直後は首位を守ったノリスだったが、2コーナー進入でミスを犯し、危うくすべてを失いかけた。ピアストリの後ろに後退したノリスは、ダーティエアの中を走りながらもピアストリにぴたりと食らいつき、ピアストリよりタイヤ交換を遅らせることで、33周目にトップに立ち、クリーンエアを得た。そこからは使い古したハードタイヤでも明らかに速いペースを刻み、ピアストリの不運も味方につけてピットストップで逆転し、チームメイトの前でコースへ復帰した。


 ノリスにとって今季最高のパフォーマンスだったといえるだろう。もともと相性の良いこのコースで、1周目のミスを除けば週末を通して非の打ちどころのない仕事をやってのけた。最速のドライバーと最速のマシンの組み合わせが勝利したということであり、他の要因をあれこれ分析する意味はほとんどない。

■勝てないマシンで輝き続けるフェルスタッペン

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選6番手/決勝2位

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1第11戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位を獲得

 今季のマックス・フェルスタッペンの走りの素晴らしさをこれまでいくつかの表現で称賛してきたが、そろそろふさわしい形容詞が尽きようとしている。


 約10年ぶりに勝利を争えるだけの速さを持つマシンを手にせずに戦っているフェルスタッペンは、これまで以上に優れたドライビングを見せて、レッドブルのその時その時のポテンシャルをすべて引き出している。


 それでもハンガリーの予選でフェルスタッペンは苦戦し、トップからコンマ5秒遅れにとどまった。アンドレア・キミ・アントネッリとルイス・ハミルトンのペナルティによってグリッドが繰り上げられた後、決勝オープニングラップで3番手へ浮上。その後は終始表彰台争いに加わった。


 2度目のピットストップ後にハミルトンを攻略したオーバーテイクは見事だった。その後は危なげなく走り切り、ピアストリのリタイアによって2位を手にした。フェルスタッペンは現実的に望める最大限の結果をつかんだといえるだろう。

■ペナルティを乗り越えてポイント差を拡大したアントネッリ

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス):予選4番手/決勝3位

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2026年F1第11戦ハンガリーGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が3位獲得

 アンドレア・キミ・アントネッリは、ルーキー規則によりFP1でマシンをフレデリック・ベスティに譲らなければならなかったが、その影響からうまく立て直した。予選Q3で黄旗区間の減速不足によるペナルティを受けなければ、4番グリッドからスタートしていた。チームメイトのジョージ・ラッセルは予選7番手にとどまり、今回もアントネッリが速さで上回っていた。


 レースでアントネッリは高い成熟度を見せた。フェラーリの2台の後方で辛抱強く走り、ファーストスティントを延ばすことでしか利益を得られないと理解し、その戦略を実行した。


 さらに重要だったのは、バーチャルセーフティカー(VSC)導入後に3番手に浮上したことだ。ピアストリのマシン回収によるVSC導入直前に、ハードタイヤへの2度目のピットストップを行っていたアントネッリは、VSC中にタイヤ交換を行ったハミルトンの前に出ることができた。


 周回遅れのマシンに引っ掛かって大きくタイムを失うこともなければ、レース終盤にアントネッリはフェルスタッペンをとらえていたかもしれない。それでも3位は十分な結果であり、チャンピオンシップのリードを2位ハミルトンに対して50ポイントに広げ、ラッセルとの差も59ポイントに拡大することができた。

■ローソンがついに“ベスト・オブ・ザ・レスト”に

リアム・ローソン(レーシングブルズ):予選11番手/決勝8位

2026年F1第11戦ハンガリーGP レーシングブルズ
2026年F1第11戦ハンガリーGP ダブル入賞とコンストラクターズ選手権5位浮上を祝うレーシングブルズ

 リアム・ローソンは、一戦一戦の結果に自身のF1キャリアがかかっていることを自覚しているはずだが、そのプレッシャーの中でむしろ、より力を発揮しているように見える。


 ハンガリー予選では若きチームメイト、アービッド・リンドブラッドに敗れたものの、決勝スタートでローソンは前に出て、1回目のピットストップ後もそのポジションを守った。その後は2ストップで走り、同じ戦略を取っていたニコ・ヒュルケンベルグをカバーすることに徹した。アウディはガブリエル・ボルトレートを1ストップで走らせており、リンドブラッドは同じ戦略でボルトレートとの戦いを託された。


 結果的にレーシングブルズは両方の戦いを制し、ふたりのなかで上位でフィニッシュしたのは8位のローソンだった。ローソンは今季ここまでの11戦中8戦でポイントを獲得しており、ドライバーズランキングでも、ピエール・ガスリーを抜いて9位に浮上した。つまり、事実上、“ベスト・オブ・ザ・レスト”の位置である。ローソンは43ポイントを獲得、これはチームメイトの約2倍に当たる。


 レーシングブルズでなければ、これだけの成績を残せば2027年のシートを維持するには十分だ。しかし未来のレッドブル・ドライバーを育成するために存在するチームにおいては、事情が異なる。ローソンのF1キャリアは、決して保証されていない。

■今季最高のレースで初入賞のヒュルケンベルグ

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ):予選10番手/決勝9位

ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
2026年F1第11戦ハンガリーGP ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

 ニコ・ヒュルケンベルグは、ハンガリーGPで9位に入り、ついにアウディドライバーとしての初ポイントを獲得した。それも見事な内容だった。


 週末を通してボルトレートを上回る速さを見せ、Q2ではチームメイトに約コンマ5秒もの差をつけ、Q3進出を果たした。一方、ボルトレートはQ2敗退に終わっている。


 決勝では、R26特有のスタートの悪さが再び表れ、リンドブラッドの後方を走り続けることになり、それがその後のレース展開を決定づけた。


 最初のピットストップでレーシングブルズ勢2台に対するアンダーカットを仕掛けるが失敗。しかし2回目のピットストップでの試みで接近したことで、レーシングブルズはローソンにヒュルケンベルグのカバーをさせ、リンドブラッドを1ストップに切り替えた。


 アウディのパワー不足のために、ヒュルケンベルグはローソンを抜くことは困難だったものの、最後までプレッシャーをかけ続け、相手のミスを待った。ローソンがミスを犯さなかったため、前に出ることはできなかったが、ヒュルケンベルグは今季初ポイントを獲得しただけでなく、今シーズン最高のレースを披露した。高い評価を受けるボルトレートを、週末を通して完全に上回ってみせたのだ。




(Text : Luis Vasconcelos)


レース

9/4(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
9/5(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
9/6(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※イタリアGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ267
2位ジョージ・ラッセル201
3位ルイス・ハミルトン191
4位ランド・ノリス171
5位シャルル・ルクレール155
6位マックス・フェルスタッペン127
7位オスカー・ピアストリ116
8位アイザック・ハジャー71
9位リアム・ローソン51
10位ピエール・ガスリー41

チームランキング

※イタリアGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
2位スクーデリア・フェラーリHP346
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム287
4位オラクル・レッドブル・レーシング204
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム75
6位BWTアルピーヌF1チーム62
7位TGRハースF1チーム21
8位アウディ・レボリュートF1チーム16
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム3

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第13戦イタリアGP 9/6
第14戦スペインGP 9/13
第15戦アゼルバイジャンGP 9/26
第16戦シンガポールGP 10/11
第17戦アメリカGP 10/25
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