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1年前の“ドン底”から立ち上がり、成長したアントネッリ。父マルコさんの誕生日を勝利で祝福【ギョロ目でチェック】

2026年7月29日

 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にとって、今年の第10戦ベルギーGPは重要な1戦だった。第6戦モナコGP以降、優勝から遠ざかり、ドライバーズ選手権で66点あった2位との差は25点に縮小。もし、イギリスGPで選手権2位に上がったジョージ・ラッセル(メルセデス)がベルギーGPで優勝し、アントネッリが無得点に終わると、同点となるからだ。


 アントネッリには、どうしても今年のベルギーGPでいい走りをしたい理由があった。昨年のベルギーGPでアントネッリは思い出したくもない週末を過ごしていた。スプリント予選はスピンによりSQ1で敗退。予選も振るわず18番手に終わった。ピットレーンからスタートしたレースでも流れを変えることができないまま、16位でフィニッシュした。予選18番手は昨年のワースト。レースでの16位はモナコGPの18位に次ぐ低い順位だった。

 もうひとつ、アントネッリが今年のベルギーGPに賭ける思いがあった。それは父親のマルコがベルギーGP期間中の7月18日(土)に誕生日を迎えるからだ。マルコは、ツーリングカーレースなどで活躍した元レーシングドライバーであり、自身のチーム『アントネッリ・モータースポーツ』を設立。その後、アントネッリ・モータースポーツのなかにカート部門のAKMモータースポーツを作り、妻のベロニカとともに夫婦でキミのカートのレースを支援した。


 父親が見守る土曜日の予選で、アントネッリはポールポジションを獲得。インラップでの無線で「お父さん、誕生日おめでとう!」と、62回目の誕生日を祝福した(予選後メルセデスのモーターホーム前で)。

【ギョロ目でチェック/第18回】
2026年F1第10戦ベルギーGP 左からアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリ、キミの父マルコさん

 ただし、アントネッリにはまだ残された仕事があった。それは父親の62歳最初のレースで優勝することだった。


 レースはスタート直後にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にかわされるものの、1周目にトップを奪い返して、アントネッリが終始リード。しかし、バーチャル・セーフティカー(VSC)を利用してピットインしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)に事実上のトップの座を明け渡す苦しい展開となる。


 それでも、アントネッリは慌てなかった。ミスのない走りでルクレールとのギャップを詰めていくと、34周目に見事にオーバーテイク。逆転で今季6勝目を飾った。

【ギョロ目でチェック/第18回】
2026年F1第10戦ベルギーGP決勝 シャルル・ルクレール(フェラーリ)を追うアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)

「昨年のベルギーGPは、おそらく僕にとってドン底の状態で精神的に非常に辛い週末だった。もし昨年のこの時期、1年後に優勝できるかと問われれば、おそらく、僕も含めて誰もが否定したはずだ。でも、僕はそこから立ち上がり、成長し、いまこうして優勝トロフィーを手にしている」(アントネッリ)


 レース後、パルクフェルメにマシンを止めるアントネッリを囲むようにメルセデスのスタッフが陣取る。大勢のメルセデスのスタッフに向かってガッツポーズをしたアントネッリ。コクピットを降りて向かった先は、父親マルコの元だった。表彰台の下でアントネッリと共にイタリア国歌『マメーリの賛歌』を口ずさんだマルコ。息子のベルギーGP優勝が人生最高のプレゼントとなったことは間違いない。

【ギョロ目でチェック/第18回】
2026年F1第10戦ベルギーGP レース後、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)はマシンを降りて父マルコさんのもとへ向かった


(Text:Masahiro Owari)


レース

10/9(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
10/10(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
10/11(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※シンガポールGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ340
2位ジョージ・ラッセル238
3位ルイス・ハミルトン229
4位マックス・フェルスタッペン221
5位シャルル・ルクレール215
6位ランド・ノリス201
7位オスカー・ピアストリ138
8位アイザック・ハジャー97
9位リアム・ローソン75
10位ピエール・ガスリー41

チームランキング

※シンガポールGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム578
2位スクーデリア・フェラーリHP444
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム339
4位オラクル・レッドブル・レーシング332
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム100
6位BWTアルピーヌF1チーム68
7位TGRハースF1チーム30
8位アウディ・レボリュートF1チーム23
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム12
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム7

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