F速

  • 会員登録
  • ログイン

待望のAMR26B投入を迎えたアロンソ「一番の関心はマシン開発の方向性が正しいかどうか」/F1第11戦木曜会見

2026年7月24日

 2026年F1第11戦ハンガリーGPの木曜日(7月23日)に実施されたドライバー会見第一部の出席者は、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)、フランコ・コラピント(アルピーヌ)という顔ぶれだった。いうまでもなく、FIFAワールドカップ2026の決勝戦を戦ったスペインとアルゼンチンのドライバーだ。


Q:FIFAワールドカップ2026の決勝について、感想をお願いします。


サインツ「大会を通じた戦いぶりを見ていて、実は『優勝するのはスペインだろう』と、ずっと感じていたんだ。だから優勝して本当に嬉しいし、彼らにはその資格が十分あったと思う。スペイン人として本当に誇らしい気持ちだよ。とはいえ、結局はサッカーだ。僕たちの人生は、ワールドカップ後も続いていくんだよね」

コラピント「もちろん悔しいよ。でもカルロスが言ったように、スペインは大会を通じて一番いいサッカーをしていた。だから優勝にふさわしいチームだったと思う。それでも僕はアルゼンチン代表を誇りに思っているし、(リオネル・)メッシや代表の選手たち全員を誇りに思っている。もちろん人生は続いて行くけど、この世代の最後の数試合だったという思いもある。彼らには感謝しかない。スペインとアルゼンチンは昔からとても近い関係にある国で、スペイン語を話すふたつの国が決勝で戦うなんて本当に特別なことだった」


「でも一方で、大きな対立も生み出した。サッカーというスポーツは、人々をまるで宿敵同士のようにしてしまう。メッシはバルセロナでプレーし、スペインの人々に数え切れないほどの喜びを与えてきた。なのに最後には、まるで国と国との戦争のような雰囲気になってしまった。サッカーはF1にはないような感情を生み出す力がある。でも僕は、そういう部分は好きじゃない。幸い、メッシのユニフォームは燃えなかったけどね。神様のユニフォームは燃えない!(笑)」


アロンソ「僕から付け加えることは、あまりないかな。試合はずっと見てたし、とても楽しんだ。スペインは地域ごとのアイデンティティが強く、それぞれが自分たちの旗を誇りに思っている。でもサッカーになると、すべてがひとつになる。みんながスペイン人であることを誇りに思うんだ。サッカーは人々をひとつにしてくれるんだね」

2026年F1第11戦ハンガリーGP カルロス・サインツ(ウイリアムズ)
2026年F1第11戦ハンガリーGP フランコ・コラピント(アルピーヌ)

 アロンソにとって今週末は、重要なターニングポイントになるかもしれない。アストンマーティンがAMR26Bを投入する。待ちに待った車体のアップデートで、はたしてどれほど戦闘力が向上するだろうか。


Q:アップデートについて、チーム内にはどのような期待感がありますか?


アロンソ「これまでと、基本的なアプローチは何も変わらない。自分たちが持っている力を最大限に引き出すだけだ。ライバルたちは、オーソドックスな開発をやってきたよね。2〜3戦ごとにアップデートを投入して、0.2〜0.3秒ずつ速くしていき、10戦、12戦を終える頃には合計で1秒から1.5秒ほど改善する。でも僕たちは、その方法は取らなかった。その結果、グリッド全体から少し遅れを取ったけれど、今度はその差を一気に取り戻そうとしている。とはいえ日曜日の最終順位が、劇的に変わるとは思ってない。もちろん僕自身は楽観的だけどね」


Q:具体的にどれくらいの前進を期待していますか?


アロンソ「難しい質問だね。確かスパでは、すぐ前のクルマに対しても2.1秒離されてたと思う。世の中に、その差を一気に縮められる改良なんて存在しない。だからもしスパで今回のアップデートを投入していたとしても、おそらく順位は変わらなかったと思う。そのくらい冷静に受け止める必要があるということだ。いずれにしても、具体的な数字や順位については、あまり考えていない。一番関心を持っているのは、マシン開発の方向性が正しいのかどうか、そして最終的に本来のパフォーマンスを引き出せるようになったかどうかを確認することだ」


Q:数週間前、エイドリアン・ニューウェイ(アストンマーティン・チーム代表兼マネージング・テクニカル・パートナー)が「チームはこれまでドライバーの意見に十分耳を傾けてこなかったかもしれない」と話していました。今シーズンのアストンマーティンの現状を踏まえ、この大きな遅れを挽回するためにチームに最も必要なことは何だと考えていますか?


アロンソ「確かに以前は、レース週末のマシンのフィーリングや弱点について、チーム内で意見が食い違うことがあった。実際に他車と競いながら僕たちドライバーが感じていることと、ファクトリーへ戻ってデータを解析した結果とでは、空力特性の異常が示す方向性が異なっていることもあったんだ。そしてそういう議論では、最終的にデータのほうが勝つことが多かった」


「でもエイドリアンはデータだけでなく、ドライバーの感覚にも耳を傾けるタイプのデザイナーだ。F1というスポーツは、おそらく世界で最も複雑で、しかも非常にダイナミックな競技なんだ。毎ラップ、状況は変わる。燃料搭載量も毎周変わるし、タイヤの摩耗状態も違う。風向きや風速も同じじゃない。前車を追っているのか、単独走行なのかでも違う。マシンバランスに影響を与える要素は山ほどある」


「だからデータだけが100パーセントの真実ではない。両方を組み合わせる必要があるということだ。そしてエイドリアンには、マシンを設計し、開発してきた世界最高の経験がある。僕たちは正しい方向へ進んでいると信じているよ」


Q:今回のハンガリーと次戦オランダで、ほぼ新しいパッケージに生まれ変わります。どのような兆候が見えれば、「来年はもっと戦える」と希望を持てますか。


アロンソ「特に答えがほしいとは思ってない。時間はかかるとしても、必ず問題を解決できると信じているからね。今回のアップデートでは、その第一歩を確認したい。パワーユニットについても同様だ。ホンダが問題を解決することを、僕はまったく疑っていない。彼らはこの40年間、レースでずっとそうやってきたメーカーだからね」


「何度も言うように、僕が考えているのは来年、そしてその先のことだ。僕自身は十分にフレッシュだし、モチベーションもある。自分がまだ速いという自信もある。ただ同時に、自分がやっていることを楽しめないとね。(今のレギュレーションは)見ていても面白くないし、運転していても面白くない。F1というスポーツが、自分の人生に必要なアドレナリンを与えてくれるかどうか。それが僕にとっての一番の問題だ」


 四半世紀近いアロンソのF1キャリアのなかでも、今季は最も落胆の大きいシーズンを送っていると思われる。アストンマーティン・ホンダのパッケージもそうだし、新たな技術レギュレーションも、彼を十分にがっかりさせている。その辺りの思いを、かなり率直に吐露してくれた会見だった。


(取材・まとめ 柴田久仁夫)

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2026年F1第11戦ハンガリーGP木曜 ガレージでマシンの準備に取り組むチームとフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)


(Text : Kunio Shibata)


レース

7/24(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
7/25(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
7/26(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ219
2位ルイス・ハミルトン169
3位ジョージ・ラッセル160
4位シャルル・ルクレール138
5位ランド・ノリス128
6位マックス・フェルスタッペン109
7位オスカー・ピアストリ92
8位アイザック・ハジャー68
9位リアム・ローソン43
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム379
2位スクーデリア・フェラーリHP307
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム220
4位オラクル・レッドブル・レーシング177
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム66
6位BWTアルピーヌF1チーム61
7位TGRハースF1チーム21
8位アウディ・レボリュートF1チーム12
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム1

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第11戦ハンガリーGP 7/26
第12戦オランダGP 8/23
第13戦イタリアGP 9/6
第14戦スペインGP 9/13
第15戦アゼルバイジャンGP 9/26
  • 最新刊
  • F速

    2026年5月号 Vol.3 日本GP号