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ルノーCEO、V8に移行でもF1エンジン活動は再開しないと明言「アルピーヌは優秀なメルセデス製エンジンによって復調できた」

2026年7月14日

 ルノーは、2031年から新たなF1パワーユニット規則が導入されても、F1エンジンを開発する考えはないと、同社CEOフランソワ・プロボストが明言した。最近、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが、次世代F1エンジンがよりシンプルなものになれば、多くのメーカーがF1参入に関心を示すとし、その有力候補のひとつとしてルノーの名前を挙げた。プロボストCEOの今回の発言は、ビン・スライエム会長のその見解を完全に否定する形になる。

 FIAは次世代F1エンジンとして、より軽量で構造がシンプルなV8エンジンへの移行を検討している。それと並行して、パワーユニット供給システムを見直し、FIAが承認した独立したパワーユニットサプライヤーを置くという案も出ている。


 ルノーは2025年末でF1パワーユニット供給活動をやめ、アルピーヌF1チームは今年からメルセデス製パワーユニットを搭載してF1を戦っている。

■ルノーCEO「F1用エンジンを開発するつもりはない」

 F1イギリスGPを訪れたプロボストCEOは、ロイターに対して語るなかで、この変更に満足しているとして、「我々には優れたエンジンであるメルセデス製エンジンがある。これは明らかに今季の我々の復調のきっかけとなっている」と評価した。そのため2031年以降についても、メルセデスとの関係を継続したいと、彼は考えている。

ルノーCEOフランソワ・プロボスト
2026年F1第9戦イギリスGP ルノーCEOフランソワ・プロボスト

「チームを不確実性によって混乱させたくない。現時点でベンチマークは明確である。私はF1用エンジンを開発するつもりはない」とプロボストCEOは断言し、自らの立場をこれ以上ないほど明確にした。


 かつてF1パワーユニットを製造したビリー‐シャティヨンの施設では、現在、ルノーの将来の市販車向けハイブリッド技術および電動パワートレインの開発が行われている。スポーツカー、F3、F2、そしてF1に至るまで、60年以上にわたって数々の成功を収めてきたルノーのモータースポーツ用エンジンメーカーとしての歴史は、完全に終焉を迎えようとしているようだ。


 ルノーが、将来のレギュレーションで導入が精査されている簡素なハイブリッドシステムを組み合わせたV8エンジンの開発について検討しないという姿勢を見せたことは、メーカーのF1参入を阻む要因は技術面の問題だけでないことを示しており、FIAにとって打撃になるだろう。

■「今季アルピーヌの進歩にある程度満足」

 プロボストCEOは、現在のアルピーヌF1チームについても言及し、「今季の最低目標はコンストラクターズ選手権6位であり、それが第一歩である。その結果を踏まえ、新たなビジョンと新たな目標を定めていく」とした。


 また、昨年、厳しい決断を下した理由については、「チームが完全に方向性を見失い、まったく競争力がない状況では、まず短期的な優先事項を設定し、チームの意識を極めて具体的な課題へ集中させる必要がある。それが私の言う『1年間の再建計画』である」と説明している。


 この考え方が、ルノー製エンジンを断念するとともに、2025年型マシンの開発を早期で取りやめるという判断につながった。後者の決断によってアルピーヌは2025年のコンストラクターズランキング最下位に沈むこととなったが、その苦しい時期は確実に成果へと結びつきつつある。

フランコ・コラピントとピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGP フランコ・コラピントとピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 プロボストCEOは、「パフォーマンス面もスポンサーシップ面も順調に進んでいるので、ある程度満足している。ただし謙虚であり続けたい。まだ道のりは長いことも理解している」と慎重な発言を行った。


 その「長い道のり」は、メルセデスのカスタマーチームとして歩む計画であるようだ。プロボストCEOの今回の発言は、かつてモータースポーツ界を席巻したルノー製レーシングエンジンの歴史に、決定的な終止符を打つものとなりそうだ。



(GrandPrix.om)


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