「意思決定の場に加わりたい」から一転。メルセデスはチーム側のミスも認めて再審請求を取り下げか【代表のコメント裏事情】
2026年6月24日
2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPでは、その前の週に行われた第6戦モナコGPの結果が修正されるという前代未聞の裁定が行われた。モナコGPでは、多くのドライバーがピットレーンでの速度違反でペナルティを受け、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は5秒のタイムペナルティを2度科され、消化できないままレースを終えた。そのため、レースタイムに10秒が加算され、ガスリーは7位に降着となった。
レース直後、アルピーヌが再審請求を行い、バルセロナ・カタルーニャGP前日の6月11日に審理が行われ、翌日F1公式計時を担当するFOMが、速度測定に使用するピットレーン入口の計測区間に誤りがあったことを認めた。
これを受けて、スチュワードは「ガスリー車は60km/hの制限速度を超えていなかった」と結論付け、ガスリーが3位に復帰した。
この裁定に対し、トップ4チームの対応はさまざまに別れた。まず、何も反応しなかったのが、フェラーリだ。ルイス・ハミルトンもレース中のピットレーン速度違反で5秒のタイムペナルティを受けていた。昨年のオランダGPではカルロス・サインツ(ウイリアムズ)に科されたペナルティに対してウイリアムズが再審理を請求し、スチュワードは裁定の誤りを認めつつも、消化済みのペナルティを取り消す権限はスチュワードには与えられていないと結論づけ、レース結果は修正されることはなかった。つまり、ペナルティを消化してしまったハミルトンの順位を変えることはできない。そもそも、ハミルトンは2位でフィニッシュしていたため、ガスリーの裁定による順位の変動はなく、しかも優勝したアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)から6秒以上離れてフィニッシュしているため、今回の裁定に控訴する理由がなかった。
次に、同様にペナルティを科されたジョージ・ラッセルの所属するメルセデスだ。当初、トト・ウォルフ代表は「意思決定が行われる際の議論の場に加わりたい」と語り、バルセロナ・カタルーニャGP後に再審査請求を国際自動車連盟(FIA)に提出していた。ヒアリングは6月20日(土)に予定されていたが、メルセデスはその直前に申請を取り下げた。
メルセデスは声明でこう説明している。
「再審査請求を行使できる期間が限られていたため、当チームはこの件に関する立場を留保する目的で請求を行った。その後、FIAおよびフォーミュラ・ワンとの協議を通じて、両者がモナコGPで生じた特異な状況を再検討し、その原因となった要因に積極的に対処する決意を示していることが明らかになった。この明確な決意を踏まえ、我々は『再審査請求』をこれ以上追求することは、チームにとってもモータースポーツにとっても有益ではないと判断し、申請を取り下げた」
メルセデスとしては、ピットレーン速度違反の裁定による5秒ペナルティを受けていたラッセルに対して、チームが5秒ペナルティを消化する前に作業してしまったという借りがあった。もちろん、そのミスも単純なものではなく、セーフティカー先導でピットレーンを通過する際に、自分のピット前でタイヤを用意している光景を見たラッセルが予定外のピットストップを行ったために、メカニックが本能的にタイヤ交換作業を行うという偶発的な事故だった。そのため、チームとしては5秒ペナルティを消化しなかったミスは、ラッセルにもチームにもあったと判断。これ以上、FIAと戦うことは得策ではないと判断したのではないだろうか。

対照的に4位だったオスカー・ピアストリが5位となったマクラーレンは国際控訴裁判所に控訴を申請した。その理由は、次のとおりだ。
「モナコGPの週末を通じて──もちろん、あらゆるイベントにおいても──全チームは、当時適用されていたピットレーンの速度制限に関する規則および確立された標準的な慣行に従って活動していた。各チームはそれに応じて手順を調整し、必要に応じて、当該規則に基づき科されたペナルティを受け入れ、履行した。我々の見解では、その後のペナルティ撤回は、規則およびスチュワードの決定に従って行動した一部のチームが不利益を被る状況を生み出していると感じている。このような結果は、スポーツとしての不公平を招き、FIAスポーティング規則の一貫した適用に対する信頼を損なう恐れがある。我々が上訴を決断したのは、特定の競技者を標的にしたものではなく、すべての参加者に一貫性、透明性、公平性を持ちながら規則が適用されることが、選手権にとって有益であると信じているからだ。マクラーレンは、このスポーツの健全性を守り、その規制枠組みに対する信頼を維持するため、FIA、F1、そして他の競技者たちと建設的に協力していく姿勢を堅持する」
つまり、マクラーレンは『ピットレーン速度違反』の是非を問うのではなく、いったん出された正式結果を変更する妥当性を問おうとしているのだ。レッドブルもマクラーレンと同様の態度をバルセロナ・カタルーニャGP期間中に見せていたが、正式に控訴したかは確認されていない。
果たして、国際控訴裁判所は、どのような裁定を下すのだろうか?

(Text : Masahiro Owari)
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| 7/24(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
| フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
| 7/25(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 7/26(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 219 |
| 2位 | ルイス・ハミルトン | 169 |
| 3位 | ジョージ・ラッセル | 160 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 138 |
| 5位 | ランド・ノリス | 128 |
| 6位 | マックス・フェルスタッペン | 109 |
| 7位 | オスカー・ピアストリ | 92 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 68 |
| 9位 | リアム・ローソン | 43 |
| 10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 379 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 307 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 220 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 177 |
| 5位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 66 |
| 6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 61 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 12 |
| 9位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


