最新記事
【F1第7戦決勝の要点】ハミルトンが刻んだ終盤の強速ペース。ゾーンに入った元王者の強さ
2026年6月15日
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPを制した。最大限讃えるべきは、いうまでもなくハミルトンの走りであろう。一方でフェラーリの3ストップ戦略も完璧だった。バーチャル・セーフティカー(VSC)が入ったタイミングでタイヤ交換を済ませることができた幸運にも恵まれた。まさにフェラーリらしからぬ勝利だった。と言ったら、意地悪すぎるだろうか。
ハミルトンのヒーローインタビューは、フレデリック・バスール(フェラーリチーム代表)へ向けた感謝から始まった。
「フレッド、僕を信じ、夢を見るために、フェラーリに連れてきてくれてありがとう。去年は本当に苦しかったけど、お互い決して諦めなかったよね。戻ってくることだけを考えて、努力を続けた。チームも変わった。変化と進歩を信じて、彼らは僕と歩み続けてくれた」

表彰台の真ん中に立ちイギリス国歌を聴くハミルトンは、さすがに涙ぐんでいた。フェラーリ移籍後初勝利。メルセデス時代、2024年7月のベルギーGP以来42戦ぶりの勝利。優勝チームトロフィーを受け取ったのは、今年からハミルトンを担当するエンジニアで、今回のレースでも抜群の連携を見せたカルロ・サンティだった。
フェラーリはハミルトンにソフトタイヤを履かせ、スタートダッシュで首位を奪う作戦に出た。しかしポールシッターのジョージ・ラッセル(メルセデス)の加速にかなわず、さらにその後のペースにもついていくことができず、あっという間に3秒以上引き離されてしまう。
11周目、ハミルトンは真っ先にピットに向かいハードタイヤに履き替えた。その情報を耳にし「3ストップかもしれないね」と話した際のラッセルは、ハミルトンをそれほど脅威とは感じていなかったのではないか。フェラーリはタイヤの保ちが悪い。何より自分たちのペースが、今は最速だ。ショートスティントで追ってきても、追いつかれる心配はないと。
しかし12周目にハードタイヤに履き替えてからのラッセルは、予想以上のペースの落ち込みに見舞われた。そのためハミルトンを2秒以上引き離すことができない。とはいえハミルトンのハードタイヤも、1周コンマ数秒ずつペースを落としていった。するとフェラーリはわずか16周でハードタイヤを捨て、ミディアムのフレッシュタイヤを履かせた。これでハミルトンはラッセルより2〜2.5秒速いペースで、一気に追い上げていった。
36周目、ラッセルが最後のピットインに向かう直前には、両者の差は23秒から7.6秒まで縮まっていた。さらにラッセルのピットイン直後の38周目、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がコース上で立ち往生しVSCが導入される。このチャンスにフェラーリはハミルトンの3回目となるピットインを行い、ハミルトンは首位のままフレッシュなハードタイヤを手に入れてコース復帰。その後はラッセルのペースを上回り続け、最後は19秒もの大差をつけてチェッカーを受けた。

それにしても終盤の1分21秒台連発のペースは、異常とも言えた。ラッセルより1秒速いだけでなく、同じマシンに乗り、タイヤライフもほぼ同じだったシャルル・ルクレール(フェラーリ)と比べても、1周1秒速かった。ハミルトンという人間が完全にゾーンに入っているとしか言えないような、信じられないペースだった。
これでハミルトンはF1最多勝記録を106勝まで伸ばした。そしてマクラーレン、メルセデス、フェラーリで勝った初めてのドライバーとなった。
ひょっとするとマクラーレン、メルセデス、フェラーリの3チームでタイトル獲得という、とんでもない偉業も達成するかもしれない。それほどまでに、この日のハミルトンは凄かった。
(取材・文 柴田久仁夫)

(Text:Kunio Shibata)
関連ニュース
| 7/17(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
| フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
| 7/18(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 7/19(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 204 |
| 2位 | ルイス・ハミルトン | 159 |
| 3位 | ジョージ・ラッセル | 154 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 126 |
| 5位 | ランド・ノリス | 103 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 92 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 91 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 60 |
| 9位 | ピエール・ガスリー | 42 |
| 10位 | リアム・ローソン | 39 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 358 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 285 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 195 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 151 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 61 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 61 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 10 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


