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目下の課題はパフォーマンスと信頼性向上「ドライバビリティ改善の方向性は見えた」/ホンダHRC折原GMインタビュー(2)
2026年6月12日
アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームにパワーユニット(PU)を供給するホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、シーズン序盤にチームを悩ませた振動の問題を解決したと考えている。現在はパフォーマンスの向上に取り組んでおり、2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPの開幕を前に、前戦モナコで直面した問題や、アストンマーティンのエンジニアとの共同作業について語った。
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──振動対策を講じた後にも、HRC Sakuraで実車に乗ったと言っていましたが、かなり低減されていましたか?
折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア(以下、折原GM):「改善は感じられましたが、先ほども言ったようにエンジンはそもそも振動するものなので、完全になくなったわけではなく、振動は感じました。 ただ、データではかなり下がってることは確認できました。それが一番大きかったです」
──振動問題は解決しました。次の課題はなんでしょうか?
折原GM:「いまは、パフォーマンスを上げるところ、もしくは他の信頼性の向上に注力しています」
──第6戦モナコGPで露呈したドライバビリティの問題ですか?
折原GM:「そうですね。今シーズンのドライバビリティに関しては、ダウンシフトの際に、ギヤボックスとエンジンが協調制御しているのですが、そこでドライバーは押されていると感じています。これに関しては、いくつかの玉(改善策)を入れて、改善の方向性は見えています。ただ今年はエンジンのトルクデリバリーに関しても、まだ安定していないという状況で、フラフラしているというか、ラップごとに違う状況となっています。またモナコGPでは、ランス(・ストロール)から、これらとは違うところでエンジンのトルクデリバリーが安定していないというコメントをもらっています」

──なぜ、そのような状況に陥るのでしょうか?
折原GM:「ドライバーが要求するトルクを実現するために、たとえばコーナリング中にMGU-Kで回生していますが、そこで200kW回生しようと思ったら、エンジンは200kW出力する必要があります。なぜなら、ドライバーはコーナリング中にアクセルペダルを離して0ニュートンでクルマが惰性で進んでほしいからです。ところが、これがうまく調和しないとドライバーはアクセルからペダルを離した状態で押されたり、引き込まれたりするフィーリングになるので、運転しにくくなるわけです」
──いわゆる「トルク・ハーモニー」ですね。
折原GM:「はい」
──それが昨年は出なくて、今年顕著になった理由は?
折原GM:「昨年までも仕組みは同じで、回生する場合はエンジンパワーでしたが、MGU-Kの回生量が昨年まで120kWだったのに対して、今年は350kWになったのが大きな違いです。この差はかなりのインパクトです」

──今回の第7戦バルセロナ・カタルーニャGPはどうですか?
折原GM:「データで何が悪いのかは見えていますので、今回のイベントに関してはパラメータを変更して、フリー走行でその効果を確認することになっています。ただ、ドライバビリティのチューニングとエネマネ(エネルギーマネージメント)のチューニングに関しては、どのサーキットでも常に調整していること。機械的なアップデートを今回は持ち込んでいないので、これまでのパフォーマンスとそんなに大きな差がないかなと思っています。マイク(・クラック/アストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサー)も『今週末は厳しい』と語っていました 」
──振動問題を解決するためにアストンマーティンからエンジニアがHRC Sakuraに来て、共同で対策に取り組んでいましたが、振動問題が解決して、今後はHRC Sakuraでの共同作業はどうなるのでしょうか?
折原GM:「ひと通り解決しましたが、アストンマーティンのエンジニアさんとのコラボレーションはこれからも続けます。 Sakuraではいまもパワーユニットにギヤボックスをつけてテストをしていますので、そのテストをHRC Sakuraで行っているアストンマーティンのエンジニアが現場でサポートを行ったり、時にはリモートでサポートしています。ギヤボックスの設定とエンジン側の設定と両方がありますから」
──共同作業はどれくらい続くのですか?
折原GM:「今後しばらくは続いていくと思います。現在のパワーユニットは、ギヤボックスとエンジンとセットにしてコントロールしていきます。その分野は常に向上させていかないといけない部分なので、ずっと一緒に働いていくことになります」
──ありがとうございました。

(Text : Masahiro Owari)
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