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“レースを知り尽くすプロ”メルセデスが生んだGT 63 S Eパフォーマンス・クーペ【F1参戦メーカーのフラッグシップモデル】
2026年6月11日
2026年シーズンのFIA F1世界選手権には、11チームが参戦しており、技術規則が大きく変わった新時代のF1を戦っている。この11チームのなかには7つの自動車メーカーがおり、さらにパワーユニット(PU)の共同開発や供給を行うフォードとホンダ、タイトルパートナーを務めるトヨタを含めると、F1に携わる自動車メーカーは10にものぼる。
そこで今回は、国内外で様々な自動車の試乗会に参加した豊富な経験を持つ自動車ジャーナリストの大谷達也氏が、F1に関係する自動車メーカーのなかからひとつを選び、そのメーカーのフラッグシップモデルの解説やエピソードを紹介する。連載の第3回目は、メルセデスだ。
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2026年シーズン、これまで6レースを戦って6連勝(モナコGP終了時点)と絶好調のメルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム。その快進撃は、やはりパワーユニットのレギュレーションが全面改正された2014年当時のことを思い起こさせる。
その前年までコンストラクターズ選手権を4連覇していたレッドブル・レーシングを破る最大の要因となったのが、2014年より導入された新レギュレーションに基づくハイブリッド・パワーユニットにあったのは間違いのないところ。メルセデスAMGのパワーユニット開発を受け持つメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズは、新レギュレーションの本質を鋭く見抜いたうえで、ライバルを凌駕するエンジンとハイブリッドシステムを開発。そのアドバンテージを活かすことによって、前代未聞のコンストラクターズ選手権8連覇を達成したことはみなさんもご存じのとおりである。


ところで、今季のF1を見ていると、シャシーのパフォーマンスやドライバーの技量がレースの戦績に寄与する比率は相対的に低くなっているように思える。その証拠ともいえるのがスターティンググリッドのオーダーで、一部の例外を除いて、ふたりのドライバーがチームごとにきれいに並んでいることがほとんど。これはドライバーの技量が速さに結びつきにくい現状を示している。おそらく、各ドライバーは自らのドライビングテクニックでシャシーの性能をフルに引き出すよりも以前に、パワーユニットのパフォーマンスが上限となってラップタイムが決まっているような状況なのだろう。
そんな圧倒的なパフォーマンスを誇るメルセデスAMGが手がけるロードカーのフラッグシップモデルといえば、メルセデスAMG GTの2ドア・クーペをおいて他にない。そして、その現行ラインナップで、もっとも高いパフォーマンスを誇るのが『GT 63 S Eパフォーマンス・クーペ』である。
そのパワートレインはフロントに搭載した4.0リッターV8ツインターボエンジンにプラグインハイブリッド・システムを組み合わせたもので、いわばF1パワーユニットに近い構成といって間違いない。その開発に、F1パワーユニットのテクノロジーがどれだけ活用されたかは不明ながら、プレスキットには「F1技術に触発され、アフェルターバッハで開発されたAMGハイパフォーマンス・バッテリー」の文字が躍る。ちなみにアフェルターバッハとは、メルセデスAMGの本拠地を指す地名だ。
GT 63 S Eパフォーマンス・クーペのシステム出力はシリーズ最強の816ps、システムトルクは最大で1420Nmを生み出す。その0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は320km/hに達するというから、文句なしにスーパーカー並みの速さ。私はこのモデルをセミウエットのMAGARIGAWA CLUBで走らせたことがあるが、4WDシステムの生み出すスタビリティは上々で、試乗中、怖い思いをしたことは皆無だった。





メルセデスAMG GTは同社のGT3車両のベースとなったことでも知られる。私はメルセデスAMG GT3自体に試乗したことはないが、その弟分にあたるメルセデスAMG GT トラックシリーズとメルセデスAMG GT2 プロであれば、イタリアのモンツァ・サーキットで走らせたことがある。
どちらもジェントルマンドライバー向けのサーキット専用車で、巨大な空力デバイスやコクピットのいかめしい仕立てなどはGT3車両に通ずるもの。ただし、発進こそレーシングクラッチを使っているために慎重な対応が必要となるが、いざ動き出してしまえばパドルシフトを備えていることもあってロードカーのメルセデスAMG GTとほとんど同じ感覚で操縦できる。むしろ、ガッシリとした踏みごたえのブレーキペダル、そして無駄なロールやピッチを抑え込んでくれる強靱な足回りのおかげで、サーキットを走らせるならロードカーよりも安心感が強いといってもいいくらいだ。
正直、このときは短時間の試乗だったのでレーシングスリックの限界的なパフォーマンスを引き出したとは言いがたいが、それでもアンダーステアの兆候やリヤタイヤがグリップを失い欠ける感触は十分に掴み取ることができた。言い換えれば、アマチュアドライバーの私にもすぐに感じ取れるくらいインフォメーションは豊富なわけで、これはサーキット走行を楽しむうえで極めて重要な特性といえる。
聞けば、メルセデスAMG GT3もジェントルマンドライバーにとって扱い易いハンドリングに躾けられているとのことで、これがGT3界でロングセラーとなっている秘密でもあるらしい。
世界中のカスタマーレーシングを支え、最高峰のF1では最先端のハイブリッドパワーユニットを生み出すメルセデスAMG。彼らこそレースを知り尽くしたプロ集団といって間違いないだろう。

(Text:Tatsuya Otani)
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| 予選 | 結果 / レポート | |
| 7/19(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 204 |
| 2位 | ルイス・ハミルトン | 159 |
| 3位 | ジョージ・ラッセル | 154 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 126 |
| 5位 | ランド・ノリス | 103 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 92 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 91 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 60 |
| 9位 | ピエール・ガスリー | 42 |
| 10位 | リアム・ローソン | 39 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 358 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 285 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 195 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 151 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 61 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 61 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 10 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


