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【F1第6戦ベスト5ドライバー】歴史に残る予選アタック/チーム内バトルを制したベテラン/完璧な仕事が残酷にも報われず

2026年6月10日

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は2026年第6戦モナコGPの戦いを振り返った。

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■一度もミスなくモナコを制したアントネッリ

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス):予選1番手/決勝1位

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2026年F1第6戦モナコGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が優勝

「圧巻」という言葉以外に表現のしようがない。アンドレア・キミ・アントネッリのモナコでのパフォーマンスはそれほどのものだった。


 メルセデスは金曜日の時点では苦しい状況にあった。セットアップが硬すぎて縁石を使って攻めることが不可能だったのだ。しかし、チームは一晩で問題を解決した――アントネッリ車に限ってだが。


 アントネッリの予選アタックは歴史に残るレベルだった。特に最終セクターで見せたスピードは誰もが驚くほどだった。


 決勝では、素晴らしいスタートを決め、すぐにフェラーリ2台を引き離した。そしてフェラーリ勢のピットインを待ってからタイヤ交換を実施。その時には35秒ものギャップを築いていた。


 赤旗によってアドバンテージは帳消しになったが、再スタートでも好発進を決め、ルイス・ハミルトンを難なく引き離した。ファステストラップも記録し、トップでフィニッシュ。週末を通じて一度もミスを犯さず、モナコGP史上最年少ウイナーとなったアントネッリは、チャンピオンシップのリードをさらに広げた。

■ルクレールに勝利、ランキング2位に浮上したハミルトン

ルイス・ハミルトン(フェラーリ):予選3番手/決勝2位

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
2026年F1第6戦モナコGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が2位を獲得

 同じマシンでシャルル・ルクレールをモナコで上回ることは誰にでもできることではない。しかし、ルイス・ハミルトンはそれをやってのけた。


 フェラーリを説得してカーボン・インダストリー製ブレーキディスクを使用できるようになって以降、ハミルトンの自信は大きく高まっている。自信を持ってブレーキングできることが極めて重要なモナコでは、それが大きなアドバンテージになった。


 ルクレールよりも安定した走りを見せて前を走り、アントネッリを追ったハミルトンだが、とらえるのは不可能だとすぐに悟った。ハードタイヤでは少し苦戦し、さらにピットレーン速度違反による5秒のタイムペナルティを受けたため、チームメイトに2位を奪われる危険にもさらされた。


 しかしセーフティカー出動時にピットストップできたことに救われた。ハミルトンはピットでペナルティを消化、その間、ルクレールは後方で待たされることになった。さらにリスタートでルクレールがクラッシュしたことで、フェラーリ同士が順位を争う可能性は消滅した。


 ハミルトンは、2週間前のカナダに続いてモナコでも2位を獲得。ドライバーズランキングでジョージ・ラッセルを上回り、アントネッリに最も近い挑戦者となった。ただし、その差は依然として非常に大きい。

■ハジャーが見せた、年齢をはるかに超える成熟した走り

アイザック・ハジャー(レッドブル):予選5番手/決勝3位

アイザック・ハジャー(レッドブル)
2026年F1第6戦モナコGP アイザック・ハジャー(レッドブル)が3位表彰台を獲得

「人を決めるのは倒れ方ではなく、立ち上がり方だ」という言葉があるが、それはモナコでのアイザック・ハジャーにぴったり当てはまる。


 フリー走行1回目終盤の不要なクラッシュは、週末を台無しにしかねないものだった。本人も午後のセッションでは自信を失っていたと認めている。しかし土曜日の朝になると、ハジャーは再び完全に攻撃モードへ戻った。予選では2台のマクラーレンを上回り、決勝ではスタートでラッセルの前の4番手をキープした。


 最初の12周はラッセルの攻撃を抑え込んでいたが、その後パワーユニットの問題によってパワー低下が発生。コーナーで補おうとしたため、結果としてフロントタイヤを想定以上に酷使することになった。そのためラッセルにアンダーカットを許したのも不思議ではなく、無線での苛立ちも当然だった。


 その後、ラッセルのペナルティとルクレールのクラッシュにより、ハジャーは3番手へ浮上。再スタートでは再びパワー不足に苦しみ、ピエール・ガスリーに抜かれたが、最終的には同胞ガスリーのペナルティによって表彰台を確保した。


 多くの問題を抱えながらマシンをコース上に留め続けるのは容易ではない。しかし若きハジャーはそれを見事にやってのけた。彼は年齢をはるかに超える成熟したパフォーマンスを示し始めている。

■キャリア最高レベルの走りが報われなかったガスリー

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選9番手/決勝7位

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2026年F1第6戦モナコGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 ピエール・ガスリーは、自身から表彰台を奪った2つのペナルティに激怒していたが、それも無理はない。コース上では完璧な仕事をして、3位でフィニッシュしたのだから。


 アルピーヌは週末の序盤にセットアップをうまくまとめられなかったため、A526はフリー走行を通じて扱いづらいマシンとなっていた。しかし肝心な予選では力を発揮、ガスリーはQ3進出争いをしていたアウディ勢とレーシングブルズ勢を打ち破り、9番グリッドを獲得した。


 好スタートに加え、サン・デボーテでのマクラーレン同士の争いも味方し、ランド・ノリスの前に出ることができ、マックス・フェルスタッペンが戦線離脱したことで、ガスリーはファーストスティントを通して7番手を走行した。


 ノリスのリタイア後はやや余裕が生まれ、オスカー・ピアストリのペナルティ、さらにラッセルへのドライブスルーペナルティによって再びチャンスが巡ってきた。ルクレールのクラッシュ、再スタート時のハジャーのパワー不足も重なり、ガスリーはコース上で3番手へ浮上。そのポジションを守り切ってフィニッシュし、盛大に喜びを表した。


 ところが後になってチームから、2つの5秒ペナルティによって7位に降格したと告げられた。これまで以上に素晴らしい走りを見せたドライバーにとって、あまりにも残酷な結末だった。

■自己ベストの成績を挙げたレーシングブルズのペア

リアム・ローソン(レーシングブルズ):予選10番手/決勝5位
アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ):予選15番手/決勝6位

リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのダブル入賞を祝うレーシングブルズ
2026年F1第6戦モナコGP リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのダブル入賞を祝うレーシングブルズ

 この企画の趣旨は、レースごとにベストドライバー5人を選ぶことだが、今回は6人になった。レーシングブルズの2人からどちらかを選ぶことはできなかったからだ。


 リアム・ローソンは経験の差を示した。Q3進出を果たした後、終盤には新品ソフトタイヤが残っておらず、ガスリーとの9番手争いには敗れた。


 決勝では中盤、8番手を単独走行する展開となった。ガスリーやノリスには追いつけず、アレクサンダー・アルボンから脅かされることもなかったのだ。しかしその後、状況は一変する。ノリス、ラッセル、ルクレールが脱落したことで順位争いが激化するなか、ローソンはアービッド・リンドブラッドの攻撃を退け、さらにガスリーのペナルティの恩恵も受けて、5位を獲得。自身最高タイの成績を記録した。


 一方、チームメイトのルーキー、リンドブラッドは、F1で走る初めてのモナコGPで週末を通じて一度もミスを犯さなかった。フリー走行1回目の最初の周回から積極果敢な走りを見せながらも、その攻撃性はしっかり制御されていた。


 予選は15番手に終わり、スタートではセルジオ・ペレスに先行された。しかしペレスとニコ・ヒュルケンベルグが早めにピットインしたことで順位を上げ始めた。最初のタイヤセットで走り続けるという賭けは、赤旗によって実を結んだ。その時点でリンドブラッドは8番手まで浮上しており、順位を落とすことなくタイヤ交換を行うことができたのだ。


 7位フィニッシュの後、ガスリーのペナルティによって6位へ昇格。若きリンドブラッドは、そのスピードと成熟したレース運びで引き続き周囲を驚かせている。



(Text : Luis Vasconcelos)


レース

9/11(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
9/12(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 23:00〜
9/13(日) 決勝 22:00〜


ドライバーズランキング

※イタリアGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ267
2位ジョージ・ラッセル201
3位ルイス・ハミルトン191
4位ランド・ノリス171
5位シャルル・ルクレール155
6位マックス・フェルスタッペン127
7位オスカー・ピアストリ116
8位アイザック・ハジャー71
9位リアム・ローソン51
10位ピエール・ガスリー41

チームランキング

※イタリアGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
2位スクーデリア・フェラーリHP346
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム287
4位オラクル・レッドブル・レーシング204
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム75
6位BWTアルピーヌF1チーム62
7位TGRハースF1チーム21
8位アウディ・レボリュートF1チーム16
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム3

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第14戦スペインGP 9/13
第15戦アゼルバイジャンGP 9/26
第16戦バーレーンGP 10/4
第17戦シンガポールGP 10/11
第18戦アメリカGP 10/25
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