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【追記】ペナルティ乱発に赤旗。大波乱のF1モナコGPでアントネッリが5連勝。ホンダPUのアロンソが今季初入賞【決勝レポート】
2026年6月8日
6月7日(日)、2026年F1第6戦モナコGPの決勝レースがモンテカルロ市街地コースで行われ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が5連勝で今季5勝目を飾った。2位にルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3位にアイザック・ハジャー(レッドブル)が続いた。
追記:ホンダ製パワーユニット(PU)を搭載するアストンマーティン勢はフェルナンド・アロンソが正式結果で10位となり今季初入賞。ランス・ストロールはリタイアとなった。
レコノサンスラップ(グリッド試走)で各車がコース入りするなか、16番グリッドスタートを予定していたガブリエル・ボルトレート(アウディ)がピットレーン出口でマシンを止めた。ボルトレートのマシンはガレージに戻され、ピットスタートへと変わった。
タイヤ選択は22台中19台がミディアムタイヤ(C4/イエロー)をチョイス。18番グリッドのセルジオ・ペレス(キャデラック)、20番グリッドのバルテリ・ボッタス(キャデラック)、そしてピットスタートのボルトレートの3台はソフトタイヤ(C5/レッド)を履いた。
決勝日は快晴。現地時間15時開始のフォーメーションラップを経て、気温24度、路面温度42度、湿度63パーセントというコンディションで、78周のグランプリレースは幕を開けた。

そんななか、2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をマシントラブルが襲った。フェルスタッペンは身動きができず、ターン1をライバル勢が過ぎ去ってからようやく動き出すことが叶ったが、オープニングラップを終えると、フェルスタッペンはガレージに戻り、そこでマシンを降りた。
これでポールスタートのアントネッリが安易と首位をキープ。2番手ハミルトン、3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、4番手ハジャー、5番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)というオーダーで周回が続くことに。
リタイアしたフェルスタッペンを横目に、首位のアントネッリは好調を維持。10周目を迎えるころには、2番手ハミルトンに5.5秒のギャップを築く。アントネッリが周回遅れ(早めにタイヤを変えた後続集団)をかわした際に一時的にギャップが3秒まで縮まることはあったが、アントネッリの優位性が揺らぐことはなかった。

20周目を迎えるころには、4番手ハジャーをはじめ複数のドライバーが無線でタイヤのデグラデーション(性能劣化)が厳しいとチームに訴えた。ハジャーは20周目時点で先行するルクレールに12秒のギャップを開けられ、5番手ラッセルの猛追を受けるなか、エンジンブレーキの不調も訴えていた。
ハジャーは先行するルクレールよりも3秒遅い1分19秒台というペースに。しかし“抜けないモナコ”だけに、5番手のラッセルはハジャーの後方1秒以内をキープし続けるも、ハジャーに対し揺さぶりをかけることすらできず、時間だけが経過した。
29周目、首位のアントネッリに12秒の大差をつけられた2番手ハミルトンが上位勢で真っ先にハードタイヤ(C3/ホワイト)に交換。4番手ハジャーの12秒前でコースに復帰した。しかし、そんなハミルトンにピットレーン速度違反に伴う5秒のタイムペナルティが下った。
5番手ラッセルは4番手ハジャーをコース上で直接オーバーテイクすることを止め、32周目にハードタイヤに履き替えた。ハジャーはアンダーカットを回避するべく、ラッセルの翌周の33周目にハードタイヤに履き替えるが、ここでラッセルが事実上の4番手に浮上したが、ラッセルに対してもピットレーン速度違反に伴う5秒のタイムペナルティが下った。
36周目にルクレールがハードタイヤに履き替え、2番手ハミルトンの12秒後方の3番手でコースに復帰。そして38周目に首位アントネッリがハードタイヤに交換。ハミルトンの13秒前でコースに復帰した。単独走行のアントネッリはそこから再びギャップを広げにかかり、国際映像に映らない時間が長時間続いた。
一方、8番グリッドスタートのランド・ノリス(マクラーレン)はスタートからミディアムタイヤで40周以上引っ張り続ける戦略でポイント圏内をキープしていた。ただ、無線で「バッテリーがない」と口にするなど、ノリスはマシン不調を頻繁にチームに訴えていた。背後からハードタイヤに履き替えたラッセルが接近するなか、ノリスは45周目にチームの指示でマシンをガレージに収め、そこでリタイアとなった。
フェルスタッペン、ノリスと、チャンピオン経験者が続けてリタイアとなるなか、アントネッリは他を寄せ付けないペースを維持し続けた。50周目までに5番手ハジャー以下を周回遅れにし、続いてドライバーズランキング暫定2位につける4番手ラッセルを射程に捉えた。
アントネッリが55周目に入るなか、ラッセルはトンネル手前でアントネッリに前を譲った。これで残り20周以上を残して、アントネッリは2番手、3番手で続くフェラーリ勢2台を除く車両を周回遅れにした。
なお、ハードタイヤで20周以上走行したにも関わらず、アントネッリはファステストペースで周回していた。それに対しチームは「キミ、ファステストはいらないよ」と無線を飛ばす。この無線の時点でアントネッリは2番手ハミルトンに29秒、3番手ルクレールに32秒のギャップを築いていた。
アントネッリが60周目を迎えるなか、ストロールが最終ターン19(アントニー・ノーズ)でフロントからバリアにクラッシュした。これでセーフティカー(SC)導入に。回収作業が進むターン19を避けるべく、全車にピットロードを通過するように指示が飛んだ。

これでSC中に全車がタイヤを交換。タイムペナルティが課されたハミルトンらはペナルティを消化。そんななか、ラッセルは静止時間が足らず、ペナルティを消化できなかった。また、ステイアウトすればハミルトンの前に出ることができたルクレールは「なんでピットインさせたんだ!」と不満を口にした。
SC中に1ラップダウン車両の同一ラップへの復帰が行われ、首位アントネッリ(ソフト)、2番手ハミルトン(ソフト)、3番手ルクレール(ソフト)、4番手ハジャー(ハード)、5番手ラッセル(ソフト)、6番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ/ハード)というオーダーで66周目にリスタート、かと思われたが、波乱は続いた。
リスタートに向けアントネッリとハミルトンが加速するなか、最終ターン19でルクレールがクラッシュ。ストロールのクラッシュを再現するかのようなかたちで、地元の英雄はレースを終えた。これで2度目のSC導入となり、一時は1周遅れとなっていたハジャーが3番手に浮上した。
そんななか、4番手ラッセルにはペナルティ未消化を理由にドライブスルーペナルティが下ることに。さらには5番手につけたガスリーには、ピットレーン通過中の速度違反により2度の5秒のタイムペナルティが下った。ペナルティ乱発で表彰台争いは混沌を極める状況に。
SC導入のまま回収作業が続いていたが68周目、ターン19手前の路面の確認と清掃のため、赤旗が提示されレースは中断された。この赤旗中に1ラップダウン車両の同一ラップへの復帰が行わたことで、一時は2周遅れとなった車両もアントネッリと同一周回に復帰している。


レースは69周目にSC先導で走行再開。SC先導で2周走行ののち、残り9周となった71周目にスタンディングでリスタートが行われることになった。
再開時のトップ10オーダーは、トップがアントネッリ、2番手ハミルトン、3番手ハジャー、4番手ラッセル(ドライブスルーペナルティ未消化)、5番手ガスリー(5秒ペナルティ)、6番手ピアストリ、7番手リアム・ローソン(レーシングブルズ)、8番手アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)、9番手アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、10番手カルロス・サインツ(ウイリアムズ)となる。なお、全16台は赤旗中にソフトタイヤに履き替えた。
アントネッリ、ハミルトンはポジションを死守。SC中にマシン不調を訴えていたハジャーはスタンディングで出遅れ5番手に後退。3番手にラッセル、4番手にガスリーが浮上する。さらにハジャーについては、赤旗中にレッドブルのメカニックが許可されていないスパークプラグの交換を車両に実施しようと試みたところ、オフィシャルの指摘を受け中断。これが規則違反の疑いとなり、レース後に審議されることになった。
追記:レース後の審議で『マシンをピットに到着した時と同じ状態に戻した』として、ハジャー陣営の赤旗違反の疑いは『追加措置無し』と判断された。

73周目にラッセルはドライブスルー消化のためピットに入り、最後方に。また、71周目にはボルトレートと接触した10番手サインツがヘアピンでバリアにヒットし、リタイアとなった。
混沌を極めるモナコGPで、何事にも揺るがなかったアントネッリが78周目のトップチェッカーを受け、初優勝から数え5連勝を飾った。6.271秒差の2位にハミルトンが続いた。
ガスリーが3番手でチェッカーを受けたが、ガスリーは2度の5秒タイムペナルティを消化せずにチェッカーとなったため、チェッカータイムに10秒加算の処置が適用された。これで4番手でチェッカーを受けたハジャーが3位で表彰式に登壇することになった。
以下、4位ピアストリ、5位ローソン、6位リンドブラッド、7位ガスリー、8位アルボン、9位エステバン・オコン(ハース)、10位ペレスまでがポイントを獲得。サバイバル戦を生き残ったキャデラックがF1で初めてポイントを獲得した。ラッセルは13位。2戦続けて決勝をノーポイントで終え、ドライバーズランキングでハミルトンの先行を許し選手権3位に後退した。
そして、ホンダPUワークスのアストンマーティンのアロンソは今季ベストの11位。ストロールはリタイアとなった。次戦となる2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPは6月12〜14日に、スペインのカタロニア・サーキットで開催される。
追記:レース終了後、暫定10位のペレスに対し10秒のタイムペナルティが下った。赤旗後のスタンディングでのリスタート時に、右前輪がスタートボックス外に出ていたことが確認されたためだ。これにより、ペレスは正式結果で15位に後退し、モナコでのキャデラックのF1初ポイント獲得は幻に。そして暫定11位だったアロンソが10位に繰り上がり、アストンマーティン・ホンダが今季初ポイントとなる1点を獲得した。


(Text:autosport web)
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 179 |
| 2位 | ジョージ・ラッセル | 154 |
| 3位 | ルイス・ハミルトン | 147 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 108 |
| 5位 | ランド・ノリス | 97 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 82 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 76 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 52 |
| 9位 | ピエール・ガスリー | 42 |
| 10位 | リアム・ローソン | 39 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 333 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 255 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 179 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 128 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 60 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 59 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 6 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


