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F1への関心を高めるBYDがモナコで重要会談か。ホーナーとの関係が注目も、F1参入に高い壁

2026年6月5日

 F1モナコGPの週末、大手中国EVメーカーBYD首脳陣が、F1、FIA、そしておそらく全チーム代表との間で重要な会談を行うものとみられている。BYDができるだけ早くF1に参入したいと考えていることにもはや疑いはない。


 国外のレースへの視察や調査を経て、BYDのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるステラ・リーがモナコを訪れ、同社の計画をより明確に示すとともに、F1の各ステークホルダーから将来の参入についての見解を聞く予定だ。

 近ごろ、BYDのグランプリ参戦計画は、元レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナーのパドック復帰と結びつけて語られており、カンヌ映画祭でリーがホーナーと同席したことで、その噂は一層加熱した。

レッドブル代表を務めたクリスチャン・ホーナー
2025年F1第4戦バーレーンGP レッドブル代表を務めたクリスチャン・ホーナー

 BYDが可能な限り早期にF1に参入することを真剣に目指していることにはほとんど疑いがない一方で、どのような形でグランプリ界の一員となるのかが議論の対象となっている。BYDが取りうるルートは三つある。しかしそのどれもが、それぞれ障壁を抱えており、目標への明確な道筋とはなっていない。

■新規チーム設立は最大の挑戦

 最初の、そして最も野心的なプランは、完全な新規チームをゼロから立ち上げ、グリッドを許容最大数である24台に拡大することである。これはBYDにとって最も望ましい選択肢である可能性が高いが、実務面で極めて大きな困難を伴う上、既存チームによって阻止される可能性が高い。多くのチームはいまだに、キャデラック参入によって自分たちの利益配分が削られたことに不満を抱いているからだ。


 新チームを立ち上げるには、約1000人規模のスタッフを確保し、インフラをゼロから構築しなければならない。そして、それを現実的に3年未満で成し遂げることは不可能である。


 才能ある人材を多数抱え、資金も潤沢なアストンマーティンですら、必要な体制を整えるまでにどれほど長い時間を要しているかを見れば、これはどの企業にとっても極めて困難な挑戦であることは明らかだろう。

■買収候補はほぼ皆無

 2つ目の、より現実的な選択肢は、既存チームを買収することである。それは3、4年前なら比較的容易だった。当時は経営難に陥っているチームがいくつか存在したからだ。しかし現在では、はるかに難しくなっている。売却の可能性があるチームは、現実的に言えば、ごくわずかである。


 フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、レッドブル、アウディ、アストンマーティン、キャデラックといったメーカー系を中心としたグループは、自チームを売り出すことはないだろう。ジーン・ハースは自チームへのすべての買収提案を拒否しており、ウイリアムズに買収希望者が現れた際、オーナーのドリルトン・キャピタルも同じ対応を取った。アルピーヌはチーム株式24%の売却には前向きだが、経営権を手放すつもりはない。


 そうなると、可能性のある選択肢として残るのはレーシングブルズだけである。実際、この2年間でレッドブルには、複数の投資ファンドからファエンツァ拠点のこのチームの買収についての打診があった。しかしレッドブル側はほぼ即座に断っている。


 さらに、ホーナーを交渉の場に連れて来る企業であればなおさら、レッドブルのジュニアチームの買収交渉はほとんど前進しないだろう。ホーナーは約1年前にレッドブル社から解雇された立場だからだ。

リアム・ローソン(レーシングブルズ)
2026年F1第1戦オーストラリアGP リアム・ローソン(レーシングブルズ)

■最も実現しやすいタイトルスポンサーという道筋

 最後に残ったのは、最も魅力には欠けるが、最も容易なルートだ。アルファロメオが数年前にザウバーと組んだように、既存チームのタイトルスポンサーとなり、自社ブランド名を冠したマシンを走らせるというものだ。その場合、自社技術が表舞台に出ることはないものの、このルートなら、ウイリアムズのオーナーであるドリルトン・キャピタルの関心を引く可能性がある。


 モナコGPの期間中、リー氏はBYDのF1参入への意思をさらに鮮明に示すかもしれない。その際に、同社が目標とする方向性を示唆するかどうかも注目される。



(GrandPrix.com)


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