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問題が起きたラッセル車のERSは輸送に数カ月かかる見込み。“重要な証拠”が手元にないまま原因究明を急ぐメルセデス

2026年6月3日

 ジョージ・ラッセルのF1第5戦カナダGPでの悪夢はほんの数秒だったかもしれないが、メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームは今後数カ月にわたってその影響に苦しむことになるかもしれない。というのも、トラブルに見舞われたコンポーネントがファクトリーに戻ってくるまでに数カ月の時間がかかるからだ。


 ラッセルにとって転機となるはずだったレースは、2026年シーズンで最も辛い瞬間のひとつへと変わった。レースをリードし、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリの連勝を止めるかに見えたラッセルだったが、ERSシステムに致命的な故障が発生したことですべてが突然崩れ去った。このリタイアによって、勝利がチームメイトに渡っただけでなく、ドライバーズ選手権におけるアントネッリとラッセルの差は43ポイントまで開いた。

 さらに悪いことに、メルセデスは、まだこのトラブルの原因を完全に解明できていない。シャットダウンを引き起こしたバッテリーモジュールは、現在時間をかけてイギリスへ輸送中しているところであり、したがってブラックリーのエンジニアたちは、最も重要な証拠が目の前にないまま、今後数週間、あるいは数カ月にわたって原因究明に取り組むことを余儀なくされる。世界選手権を争うチームにとって、これは非常に苦しい状況だ。


 メルセデスはテレメトリーデータを徹底的に分析し、データトレースを精査して、トラブルが発生した時のあらゆる瞬間を再現することができる。しかし根本的な原因を突き止める鍵となるコンポーネントそのものは、依然として手の届かないところにある。


 副チーム代表のブラッドリー・ロードは、メルセデスの公式YouTubeチャンネルにアップされた動画のなかで、ラッセルのレースを終わらせたトラブルは何の予兆もなく発生したと明かした。


「ジョージにはまったく非はない。彼は週末を通して素晴らしい走りを見せ、2回のポールポジションとスプリント優勝というパフォーマンスから、グランプリ優勝にふさわしいドライバーだったと思う」


「彼がターン8に進入した際、マシンのERSシステムが突然停止し、その後もかなりのダメージを受けた。マシンを回収し、モジュールを取り出すことができた」


 このトラブルは、ラッセルの勝利の可能性とメルセデスのワン・ツーフィニッシュの可能性を奪っただけでなく、保管されているコンポーネントに同様の故障が潜んでいるのではないかという懸念も引き起こした。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第5戦カナダGP 決勝リタイア後にピットに戻ってきたジョージ・ラッセル(メルセデス)

■原因がわからないまま信頼性も維持

 メルセデスのフラストレーションは、その後に待ち受けていた事態によってさらに増幅された。損傷したユニットに関する安全プロトコルのため、エンジニアはそれを飛行機に乗せて拠点に急いで送り返すことができないのだ。故障したERSを持ち帰るには、長期間にわたる返送手続きを経なければならず、チームは宙ぶらりんの状態に置かれることになる。


「通常とは異なる安全手順を経る必要があり、その後イギリスへ送り返さなければならない。そのためユニットが戻ってくるまでには数カ月かかるだろう。何が問題だったのかを正確に理解するためにデータを徹底的に分析し、今後他のモジュールに同様の事態が起こらないよう取り組む必要がある」

ジョージ・ラッセル&アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2026年F1第5戦カナダGP ポジションを争うジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)

 メルセデスはただ単に発生したトラブルを理解しようとしているのではない。損傷したコンポーネントがファクトリーに戻ってくる前に、同じ問題が再発する可能性があるかどうかを判断しようとしているのだ。つまりチームは今、非常に難しいバランスを取らなければならない状況に置かれている。シーズンで最も犠牲の大きなトラブルのひとつとなった今回の件の原因が明確にならないまま、チャンピオンシップをリードするチームの信頼性を守らなければならない。


 ラッセルにとっては、これ以上ないほど最悪のタイミングだった。モントリオールでの圧倒的な週末のレースは無得点に終わり、選手権のポイント差は恐ろしいほどに開いた。そしてメルセデスにとっては、レースは終わったかもしれないが、調査は始まったばかりだ。今後数カ月の間は、文字通りどこかの海にある答えを追い求めることになるかもしれない。



(Text : autosport web)


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ドライバーズランキング

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2位ルイス・ハミルトン90
3位ジョージ・ラッセル88
4位シャルル・ルクレール75
5位オスカー・ピアストリ60
6位ランド・ノリス58
7位マックス・フェルスタッペン43
8位アイザック・ハジャー29
9位リアム・ローソン26
10位ピエール・ガスリー26

チームランキング

※モナコGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム244
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム118
4位オラクル・レッドブル・レーシング72
5位BWTアルピーヌF1チーム41
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム39
7位TGRハースF1チーム21
8位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
9位アウディ・レボリュートF1チーム2
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム1

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