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アップデートで“後退”したフェラーリ。カナダではハミルトンの新アプローチが活きる【チーム・フォーカス/F1第5戦】

2026年6月1日

 中東の2戦が中止となった後に行われた北米大陸2戦で、トップチームは満を持して大規模なアップデートを投入してきた。そのなかで最も大掛かりなアップデートはフェラーリが第4戦マイアミGPに持ち込んだものだった。


 マイアミGPではマクラーレンが7つ、メルセデスがふたつ、レッドブルが7つのアップデートパーツを投入した。これに対して、フェラーリは11個のアップデートを行った。その詳細はフロントウイング翼端板、フロントコーナー、フロントサスペンション、フロアボディ、フロアエッジ、ディフューザー、リヤサスペンション、ビームウイング、リヤテイル、リヤウイング、リヤウイング翼端板と多岐に渡る。変更していないのはノーズとサイドポンツーン、そしてエンジンカウルぐらいで、それ以外の空力パーツは“ガラチェン”してきた。

 しかし、マイアミGPはフェラーリにとって期待外れの結果に終わった。シャルル・ルクレールはスプリントで表彰台を獲得し、予選でも3番手に入ったが、決勝レースではルイス・ハミルトンの6位が最高位で、ルクレールはスピンと20秒ペナルティにより8位に終わった。開幕3戦ではいずれも表彰台に上がっていたことを考えると、明らかに後退する結果となった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2026年F1第4戦マイアミGPスプリント シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 マイアミGPから3週間後に開催されたカナダGP。マクラーレン、メルセデス、レッドブルが立て続けに複数のアップデートを行ってきたのに対して、フェラーリはトップ4チームでは唯一、ひとつもアップデートを行わなかった。その理由は、マイアミGPに持ち込んだアップデートパーツが風洞実験のシミュレーションどおりに機能しなかった原因を調査するためだった。つまり、フェラーリにとってカナダGPはグランプリを利用したテストの場でもあった。


 そんななか、レースでハミルトンが2位に入賞。ハミルトンのフェラーリ移籍後、2回目の表彰台となった。だが、カナダGPの2位はフェラーリの実力を正確に反映したものではない。グリッドの2列目を独占していたマクラーレン勢がスタートでタイヤ選択をミスしていなければ、展開は大きく変わっていた。


 また、カナダGPの舞台であるモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは中〜高速コーナーがなく、ストレートを低速コーナーとシケインで結んだ典型的なストップ&ゴー型のコース。低速域の空力にアドバンテージがあり、小型のターボを搭載しているフェラーリはコーナーの立ち上がりを得意としていた。


 むしろカナダGPのフェラーリの本来の実力はチームメートのルクレールのパフォーマンスだったと考えたほうがいいだろう。


「フリー走行からずっと、まともなラップを1回も走ることができなかった。マシンにとても奇妙な感覚があって、すべてのコーナーでクラッシュしそうになっていた。僕のキャリアで最悪の週末だった」


 そうルクレールは振り返った。

アイザック・ハジャー(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP アイザック・ハジャー(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 なぜ、そんな状況のなかでハミルトンは結果を出したのか。可能性として考えられることは、カナダGPでハミルトンがとった新たなアプローチだった。それは、ファクトリーでのドライビングシュミレーターに頼らず、実際に走った感覚に基づいてセットアップを煮詰めるというものだ。


「いままではシミュレーターでいいと感じたセットアップをグランプリで試していて、いい場合もあったけど、外れることも多かった。だから、カナダGPはそれを見直して、もっと自分の感覚に集中しようと決めたんだ。コーナー中のマシンバランス、ブレーキの最適化について、データを見ながらエンジニアとしっかりと話し合った」(ハミルトン)


 カナダGPでのフェラーリの復活は、マイアミGPでのアップデートではなく、ハミルトンがセットアップのアプローチを変えたことに因るところが大きかったようだ。コンストラクターズ選手権2位を維持し続けているフェラーリ。その座を守るためにはマイアミGPでのアップデートの検証とさらなる空力の開発が急務だ。

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP 2位に入賞したルイス・ハミルトン(フェラーリ)
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をオーバーテイク


(Text : Masahiro Owari)


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5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム75
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7位TGRハースF1チーム21
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