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「まだ理解すべき点はある」今季初表彰台に喜びつつ気を引き締めるフェルスタッペン【F1第5戦無線レビュー(2)】

2026年6月1日

 2026年F1第5戦カナダGP。レース序盤から、メルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが首位を争っていた。リードを続けていたラッセルだったが、レース中盤に差し掛かろうかというタイミングでまさかのトラブルに見舞われた。カナダGP後半を無線とともに振り返る。

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 レースはまだ20周目をすぎたばかり。全68周の3分の1にも満たない。メルセデスの2台が激しく首位を争い、背後ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をルイス・ハミルトン(フェラーリ)が追走していた。


カルロ・サンティ(→ハミルトン):モード8だ。マックスが君の前で(周回遅れのマシンを)1台抜いた。


 その無線の直後、ハミルトンはターン8でコースオフしてしまった。


ハミルトン:ブレーキングゾーンで話しかけないでくれ。


ジャンピエロ・ランビアーゼ:ハミルトンがコースオフして、差は4秒5になったぞ。
フェルスタッペン:このタイヤで生き残るのは、かなり大変だよ。
ランビアーゼ:しっかりチェックしているから。


 アストンマーティン勢は、この時点では2台とも生き残っていた。とはいえフェルナンド・アロンソが17番手、ランス・ストロールが19番手と、ほぼ最下位だ。


ストロール:このままロングランだよね。ピットウォールにコーヒーを用意してくれたら嬉しいね。


 ストロールには、まだ冗談を言う余裕があるようだった。

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2026年F1第5戦カナダGP ランス・ストロール(アストンマーティン)

 22周目の最終シケイン。メルセデスの2台が競り合い、ショートカットしたアンドレア・ キミ・アントネッリが前に出た。


ジョージ・ラッセル:彼は順位を戻すべきだ。

アンドレア・キミ・アントネッリ&ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第5戦カナダGP アンドレア・キミ・アントネッリ&ジョージ・ラッセル(メルセデス)

ボニントン:ポジションを譲る必要がある。
アントネッリ:どうしてだよ。向こうが押し出した。僕が前にいた。どういうことなんだ?!
ボニントン:そうしないとペナルティを受けることになる。


 25周目、ラッセルが再び首位に。しかし30周目、突如スローダウン。ラッセルはマシンを止め、リタイアを喫した。

ボニントン:ジョージがリタイアした場所はダブルイエローだ。
アントネッリ:ピットインする?
ボニントン:セーフティカーが出るまでステイアウトだ。


マーカス・ダドリー(→ラッセル):マシンから飛び降りるんだ。


 まさかのリタイアを喫したラッセルは無言だった。


リチャード・ウッド(→アイザック・ハジャー):VSC(バーチャル・セーフティカー)が出たらピットインだ。


 しかしハジャーはピットインし損ねてしまい、31周目にピットイン。フェラーリがダブルピットインを敢行したために、シャルル・ルクレールに先行し4番手でコースに復帰した。


フランコ・コラピント:壁にヒットした。
スチュワート・バーロウ:そのまま走り続けるんだ。

フランコ・コラピント(アルピーヌ)
2026年F1第5戦カナダGP フランコ・コラピント(アルピーヌ)

エルネスト・デジデリオ(→リアム・ローソン):(周回遅れの)セルジオ・ペレスに青旗が出ている。


ペレス:どうしてあいつは抜いて行かないんだ? スペースを空けてるのに。


ローソン:どうしたらいい?
デジデリオ:前の2台は両方青旗を出されている。
ローソン:全然譲ってくれないよ。

リアム・ローソン(レーシングブルズ)
2026年F1第5戦カナダGP リアム・ローソン(レーシングブルズ)

 35周目のVSC明け、ルクレールが4番手ハジャーの懸命のディフェンスに、必死で追突を避けた。


ルクレール:大事故ギリギリだったよ。


 ブレーキングで2回以上動いたとして、ハジャーには10秒ペナルティの裁定が出た。


38周目
スティーブン・グラス:ボッタスは29秒後ろだ。
ストロール:今日は完全にメカニックたちのために走っている。それだけだよ。
グラス:わかっている。わかっているよ、ランス。
ストロール:それとローレンスのためにね。


 ストロールはこの時点で17番手。入賞の望みもないのにレースを続けるのは、一生懸命作業してくれたメカニックたち、そして父ローレンスのためだという。


 39周目、8番手走行中のランド・ノリス(マクラーレン)のマシンに異音が発生した。


ノリス:何かが壊れた。ギヤボックスか、何かだ。
ウィル・ジョゼフ:直進してエスケープゾーンに入るんだ。すまない。
ノリス:今日はついてなかったね。


 マクラーレンはノリスがリタイア、オスカー・ピアストリも11位完走で、まさかのノーポイントに終わった。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2026年F1第5戦カナダGP トラブルでリタイアしたランド・ノリス(マクラーレン)

41周目
アントネッリ:あいつ、何やってるんだ!


 周回遅れがスムーズ抜かせてくれず、背後にフェルスタッペンとの差が縮まることに、アントネッリがイラついていた。


43周目
ハミルトン:後ろのクルマに対して、僕のペースは?
サンティ:首位のアントネッリとはほぼ同じペース。マックスに対してはコンマ2秒速い。
ハミルトン:後ろだって言ってるだろ。
サンティ:チャールズよりコンマ2秒速い。


 48周目、ハミルトンは3番手フェルスタッペンを、2秒7まで追い詰めていた。


ハミルトン:チェッカーまで、あと何周だ?
サンティ:20周だ。
ハミルトン:行けるぞ。プッシュする!


 5番手ルクレールもハミルトンを追うが、ペースについていけない。


49周目
ボッツィ:ルイスのペースが、(1分)15秒0まで上がった。
ルクレール:最終周まで黙っててくれ。ものすごく重要なこと以外はね!


51周目
フェルスタッペン:タイヤが冷えている。これじゃあ、XXXだ!


58周目
ハミルトン:もっとパワーをくれ!


 62周目、ハミルトンがついにフェルスタッペンをかわし、2番手に上がった。

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をオーバーテイク

 そしてアントネッリが優勝。ラッセルとの差を43ポイントまで広げた。


ボニントン:波乱のレースだったけど、よくやったぞ。
アントネッリ:みんな、ありがとう。僕の勝ちたい形じゃなかったけどね。ジョージとは、いい戦いができたはずだったから。
トト・ウォルフ代表:キミ、おめでとう。途中はちょっとハラハラさせられたが、最終的にはよかった。ジョージも頑張ってくれた。


サンティ:P2だ。素晴らしいファイトだったぞ。
ハミルトン:みんな、いい仕事をしてくれた。2位は僕たちにふさわしい結果だ。

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP 2位に入賞したルイス・ハミルトン(フェラーリ)

ランビアーゼ:いいバトルだった。
フェルスタッペン:最後のスティント、タイヤ温度が上がらなかったのが残念だ。でも(今季の)初表彰台だからね。
ローラン・メキース代表:グッドファイトだ。前の2台に、最後までついていけた。素晴らしい前進だ。
フェルスタッペン:確かに改善はしている。でもまだ理解すべき点はいくつかあるね。


 開幕5戦目にして、初表彰台に上がったフェルスタッペン。しかしレッドブルの戦闘力には、まだまだ満足していないようだった。



(Text : Kunio Shibata)


レース

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ドライバーズランキング

※イタリアGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ267
2位ジョージ・ラッセル201
3位ルイス・ハミルトン191
4位ランド・ノリス171
5位シャルル・ルクレール155
6位マックス・フェルスタッペン127
7位オスカー・ピアストリ116
8位アイザック・ハジャー71
9位リアム・ローソン51
10位ピエール・ガスリー41

チームランキング

※イタリアGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
2位スクーデリア・フェラーリHP346
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム287
4位オラクル・レッドブル・レーシング204
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム75
6位BWTアルピーヌF1チーム62
7位TGRハースF1チーム21
8位アウディ・レボリュートF1チーム16
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム3

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第13戦イタリアGP 9/6
第14戦スペインGP 9/13
第15戦アゼルバイジャンGP 9/26
第16戦シンガポールGP 10/11
第17戦アメリカGP 10/25
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