最新記事
- 【F1第17戦決勝の要点】3番手から6位。ハミル...
- 【ポイントランキング】2026年F1第17戦シンガ...
- フェルスタッペンが2連勝でシンガポールGP初...
- 【正式結果】2026年F1第17戦シンガポールGP ...
- 「今年のQ3でベストパフォーマンスのひとつ」...
- 「課題はこの順位を好結果に繋げること」「こ...
- 【F1シンガポールGP予選の要点】Q2まで最速だ...
- フェルスタッペンが自身通算50回目のPP獲得。...
- 【正式結果】2026年F1第17戦シンガポールGP ...
- F1シンガポールGPの予選時間が変更に。30分遅...
- 【正式結果】2026年F1第17戦シンガポールGP ...
- 完走13台。フェルスタッペンが雨で大荒れのス...
【中野信治のF1分析/第5戦】アントネッリ攻略に向けた鍵。逆転狙うラッセルに求められるマインドセット
2026年6月1日
ジル・ビルヌーブ・サーキットで開催された2026年F1第5戦カナダGPは、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が4戦連続となる優勝で締めくくりました。
今回は激しさを増すメルセデスのチーム内バトル、決勝開始時に22台中7台がインターミディエイトタイヤを選んだ判断について、元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点で振り返ります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
カナダGPは、なんといってもメルセデスのチーム内バトルがとても面白かったです。ジョージ・ラッセルとアントネッリはともに死力を尽くすかのようにテール・トゥ・ノーズの戦いを続け、オーバーテイクを狙ったアントネッリがたびたびコースを飛び出したシーンもあり、『荒い走りだった』と評する人もいるようですが、私はスポーティングレギュレーションの定める範囲内ギリギリのところで戦っていたと思っていますし、本当に良いバトルを見れたなという印象です。
スプリント、決勝ともにメルセデス勢はチーム内で優勝争いを続け、またチームメイトに対する苛立ちを隠さない無線でのやり取りも注目を集めました。ただ、メルセデスがパワーユニット(PU)の面で他メーカーを凌駕し、そのメルセデスのワークスチームのふたりが選手権争いの中心になると『ラッセルとアントネッリが意地とプライドをかけた激しい戦いを繰り広げるだろう』とは、シーズン開幕前から予測できていたことでもあります。そのため、メルセデスのふたりがバチバチのライバル関係になることに私は驚きはなく、ふたりを指揮するトト・ウォルフ(メルセデス・チーム代表)にとっても想定内の状況だったのではないでしょうか。

メルセデスはドイツの自動車メーカーではありますが、ファクトリーはイギリスにあります。そのため、開幕前はチームのエースであり、イギリス人であるラッセルにタイトルを獲らせたいという思いが強かったように思います。ただ、イタリア人のアントネッリが第2戦中国GPのF1初優勝から流れを掴み、今回のカナダGPまでに4連勝を飾っています。これほどの結果はメルセデスチームとっては予想外だったでしょう。
メルセデスのエースであるラッセルにとって、レギュレーション変更で再びメルセデスが最強となった2026年は『シリーズタイトルを必ず獲る』という、エースゆえのタスクを抱えています。そんな状況下で参戦2年目のアントネッリが速さを見せるようになると、チーム内バトルが勃発するのは当然のことです。カナダGPでのコース上でのバトルや苛立ちを隠さない無線は、今後も続くふたりの強烈な戦いの始まりに過ぎません。
ちなみにレース中はドライバーも熱くなっていますから、なかなか冷静に話をすることはできません。そのため、個人的にはあれくらいの激しいコメントが出てくるのは当然かなと。ただ無線は国際映像にもピックアップされますし、あまりに激しいコメントが続くと対外的に良くはありません。ウォルフがふたりに対し『ほどほどにしてくれよ』というニュアンスで無線を返していたことはチーム代表として正しいことだと思います。
ラッセルとアントネッリの戦いは激しさがありましたが、カナダGPでは“問題”となるほどの出来事にはなっていませんでした。ただ今後どうなるかが気がかりです。チーム内バトルとはいえ、チームがドライバーふたりをコントロールすることは簡単ではありません。ナンバー1、ナンバー2をしっかりと決めておかない限り、実力が拮抗したふたりのドライバーがチームにいれば、チーム内バトルは続きます。

選手権2位で追う立場のラッセルにとって、アントネッリ攻略に向けた鍵となってくるのは、若いアントネッリの能力を認め、彼が選手権をリードしているという今の状況をどこまで受け入れて戦い方を変えられるかだと思います。アンガーマネジメントを含めたメンタルのコントロールをどこまでやれるかです。
アントネッリというドライバーは、ラッセルが支配し、コントロール下に収まるドライバーではありません。ラッセルはその状況を受け入れた上で、アントネッリを倒すべく、戦い方・マインドセットをもう一度作り直すことがすごく重要だと思います。アントネッリは連勝を重ね続けていますが、まだ経験が浅く、いろいろな戦い方を試しながら戦っている状況です。勝利を重ねながら毎戦学びを蓄積するアントネッリに挑むということは、ラッセルにとっては強烈なプレッシャーとの戦いとなるためです。
また、アントネッリの方が『味方が多い』という印象です。それはチームだけではなく、周りのドライバーたちの間にも『アントネッリにだったら勝たれてもいいか』という雰囲気があるように感じます。実際にカナダGP決勝後の雰囲気を見ていても、2位のルイス・ハミルトン(フェラーリ)や3位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、アントネッリの勝利を和やかに、素直に祝福しているように見えました。

もしカナダGPのウイナーがラッセルだった場合は、あのような雰囲気にはならなかったでしょう。あれはアントネッリが19歳で若いからというだけではなく、彼の『誰からも愛される』というキャラクター性があってのことでしょうね。それゆえにラッセルは、アントネッリのキャラクター性も含んだ彼の実力と状況をいかに受け入れ、マインドセットを作り上げていく必要があります。それがアントネッリを倒し、逆転を実現する鍵になると考えていますし、私的にはそれしか逆転の可能性はないと思っています。
カナダGPのように今後もイライラを抱えて戦うと、アントネッリを打ち負かす可能性は限りなく低くなります。ただ、マインドセットを作り上げれば可能性は広がりますし、選手権争いがさらに面白くなるだろうと予想しています。今後のメルセデスのチーム内バトルの行く末は、アントネッリというよりも、ラッセルがどう変化するかに左右されるでしょう。

■7台が選んだインターミディエイト/インディカーとF1の共通項
(Shinji Nakano まとめ:autosport web)
関連ニュース
| 10/9(金) | フリー走行 | 結果 / レポート |
| スプリント予選 | 結果 / レポート | |
| 10/10(土) | スプリント | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 10/11(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 340 |
| 2位 | ジョージ・ラッセル | 238 |
| 3位 | ルイス・ハミルトン | 229 |
| 4位 | マックス・フェルスタッペン | 221 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 215 |
| 6位 | ランド・ノリス | 201 |
| 7位 | オスカー・ピアストリ | 138 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 97 |
| 9位 | リアム・ローソン | 75 |
| 10位 | ピエール・ガスリー | 41 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 578 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 444 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 339 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 332 |
| 5位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 100 |
| 6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 68 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 30 |
| 8位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 23 |
| 9位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 12 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 7 |


