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【F1第5戦ベスト5ドライバー】ラッセルのリタイアがなくても優勝か/週末屈指のオーバーテイク/ガスリーに勝つことが自信に

2026年5月28日

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は2026年第5戦カナダGPの戦いを振り返った。

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■圧巻のレースペースでラッセルに脅威を与えたアントネッリ

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス):スプリント予選2番手/スプリント3位/予選2番手/決勝1位

2026年F1第5戦カナダGP表彰式
2026年F1第5戦カナダGP表彰式 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の優勝を称える2位ルイス・ハミルトン(フェラーリ)と3位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 アンドレア・キミ・アントネッリは4戦連続となるグランプリ優勝を達成したが、カナダではこれまでの勝利以上に厳しい戦いを強いられた。ラッセルが得意とし、自身もここで優位に立てると予想していたサーキットで、アントネッリはふたつの予選セッションで肉薄したものの、2回とも全く同じ0.068秒差で及ばなかった。だが決勝では、アントネッリの方が常にチームメイトをわずかに上回る速さを見せ、大幅に遅いブレーキングでもコーナーをクリアできるその能力は、ラッセルにとって脅威となっている。


 土曜日のスプリントではやや気負いすぎ、芝生に押し出されたことで冷静さを失ったアントネッリだったが、その後に立て直し、決勝では経験で勝るラッセル相手に、激しくそれでいてフェアなレースを展開した。ラッセルに息をつく暇も与えず、少なくとも3回はミスを誘発した。この戦いはラッセルのリタイアによって突然終わりを迎えたが、その時点でアントネッリのタイヤの状態がはるかに良好であり、首位を完全に奪うのは時間の問題であることは明らかだった。


 運もまたレースの大きな要素である。そして、チームメイトが支配すると見られていたサーキットで勝利した今、アントネッリに必要なのは、今後、ラッセルに後れを取るサーキットでどう戦いを仕掛けるべきかを見極め、選手権リードを賢く管理していくことである。

■週末屈指のオーバーテイクを見せたハミルトン

ルイス・ハミルトン(フェラーリ):スプリント予選5番手/スプリント6位/予選5番手/決勝2位

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
2026年F1第5戦カナダGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が2位を獲得

 ルイス・ハミルトンはマイアミではシャルル・ルクレールに総じて太刀打ちできなかったが、モントリオールで鮮やかな巻き返しを見せた。カナダGPに向けては、シミュレーター作業をやめ、データの徹底分析に集中するという決断が奏功し、フリー走行の最初のラップから速さを発揮した。


 SF-26を自分好みの挙動に仕上げられたことが、ハミルトンにとって今季最高のパフォーマンスの鍵となった。ただし、ルクレールがマシンバランスを掴むのにひどく苦しんでいたことが、ハミルトンの好調さをいっそう際立たせたともいえるだろう。


 予選ではQ3での小さなミスにより、2列目グリッドを逃した。決勝では最初のソフトタイヤではマックス・フェルスタッペンに先行を許したが、ミディアムタイヤへ交換すると、状況は一変した。


 一気に活気づいたハミルトンは、すぐさまフェルスタッペンを追撃し始めた。シケインへの進入で何度か2番手浮上を狙って失敗した後、ハミルトンはエネルギーデプロイ戦略を変更。ターン1進入でアウト側からフェルスタッペンを抜き去った。これはこの週末屈指のオーバーテイクであった。

■今季最高のパフォーマンスが報われなかったラッセル

ジョージ・ラッセル(メルセデス):スプリント予選1番手/スプリント1位/予選1番手/決勝リタイア

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第5戦カナダGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)がスプリントポールを獲得

 ジョージ・ラッセルは、マクラーレンと並んでカナダGP最大の敗者となった。ただし、マクラーレンとは異なり、ラッセルは自滅したわけではない。チャンピオンシップ争いで遅れを取っていたラッセルは、スプリントフォーマットのカナダでは、両レースでアントネッリを上回る必要があることを認識していた。そんななかでラッセルは、本当に僅差ではあったが、2回のポールポジションを獲得。スプリントでは、堅固な防御でリードを守り切った。


 しかし日曜決勝は、厳しい展開となった。ヘアピンへのブレーキングで数度ミスを犯し、2度にわたってアントネッリにトップを明け渡すも、アントネッリの同様のミスに乗じてリードを取り戻すといった、激しい攻防が続いた。そうして今季ここまでで最高の週末を送っていたラッセルをトラブルが襲った。


 結果には恵まれなかったが、ラッセルはアントネッリに対して一発の速さで勝てるという確信を得てモントリオールを後にした。一方で、ポイント差を取り戻そうとする焦りからか、やや無理な走りをしていた印象もある。


 次戦モナコは、予選が勝負を決し、レースは高速のトレインとなる。そこでラッセルは再び1ラップのペースでチームメイトを上回れるということを証明しなければならない。

■セットアップに不満を持ちつつも、今季初表彰台のフェルスタッペン

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):スプリント予選7番手/スプリント7位/予選6番手/決勝3位

ルイス・ハミルトン(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1第5戦カナダGP レース後に健闘を称えあうルイス・ハミルトン(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 マックス・フェルスタッペンは、カナダで今季初表彰台を獲得した。週末の中では、マシンのセットアップを巡ってチームと公然と対立する場面もあった。予選後、フェルスタッペンはこう説明している。


「チームは僕のマシンで違うことを試した。それはチームが望んだことだった。でもそれは明らかに、思ったようには機能していない。でも時には、チームにやらせてみて、それが機能しないことをはっきり示す必要もある。僕は『うまくいくと思うなら、やってみればいい』と言った。そして実際、うまくいかなかった」


 とはいえ、フェルスタッペンはポールポジションからわずか0.329秒差で予選を終え、決勝ではファステストラップで2番手を記録。2位ハミルトンから0.5秒差でフィニッシュしたことを考えれば、レッドブルにとって今季最も競争力の高い週末だったといえる。つまり、チーム側の判断は正しかったのかもしれない。


 いずれにせよ、RB22から最大限を引き出すことに完全に集中し始めてからのフェルスタッペンは、我々が見慣れている非常に高いレベルの走りを披露した。ポールから0.3秒差で予選を終えると、決勝では積極果敢に攻め、序盤でハミルトンの前に出てギャップを築いた。しかし、両者がミディアムタイヤへ交換して以降は、ハミルトンの速さに対抗できなかった。それでもフェルスタッペンは今季初表彰台を獲得し、わずかなチャンスさえ与えられれば何ができるのかを改めて示した。

■ガスリーを上回ったことで自信を得たコラピント

フランコ・コラピント(アルピーヌ):スプリント予選13番手/スプリント9位/予選10番手/決勝6位

フランコ・コラピント(アルピーヌ)
2026年F1第5戦カナダGP フランコ・コラピント(アルピーヌ)

 アルピーヌはモントリオールでも再び“ベスト・オブ・ザ・レスト”となり、3週間前のマイアミと同様、チームを牽引したのはフランコ・コラピントだった。予選ではアービッド・リンドブラッドに敗れたコラピントだったが、レーシングブルズ勢のトラブルにも助けられ、決勝ではリアム・ローソンを終始余裕を持ってリード。最終的には15秒近い差をつけてフィニッシュした。


 エンストンを拠点とするチームがマイアミで大規模な空力アップグレードを投入して以降、コラピントは飛躍的な速さを見せている。この2戦で中団勢を圧倒し、合計14ポイント獲得という活躍ぶりだ。ピエール・ガスリーを予選で上回れるようになったことは、若きコラピントの自信に大きな効果をもたらしているに違いない。しかしそれだけでなく、ウイリアムズ時代、そしてアルピーヌ加入初期と比べても、はるかに成熟した姿を見せている。


 モントリオールでは、コラピントはオープニングラップからローソンを引き離し、その後はチェッカーまでギャップを完全にコントロールした。大きなミスもなく、唯一あったのは冷えたタイヤでピットを出る際に壁に軽く接触し、左フロントウイングのエンドプレートにわずかなダメージを負ったことぐらいで、それがA526のペースに影響を与えることはなかった。



(Text : Luis Vasconcelos)


レース

7/17(金) フリー走行1回目 20:30〜21:30
フリー走行2回目 24:00〜25:00
7/18(土) フリー走行3回目 19:30〜20:30
予選 23:00〜
7/19(日) 決勝 22:00〜


ドライバーズランキング

※イギリスGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ179
2位ジョージ・ラッセル154
3位ルイス・ハミルトン147
4位シャルル・ルクレール108
5位ランド・ノリス97
6位オスカー・ピアストリ82
7位マックス・フェルスタッペン76
8位アイザック・ハジャー52
9位ピエール・ガスリー42
10位リアム・ローソン39

チームランキング

※イギリスGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム333
2位スクーデリア・フェラーリHP255
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム179
4位オラクル・レッドブル・レーシング128
5位BWTアルピーヌF1チーム60
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム59
7位TGRハースF1チーム21
8位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
9位アウディ・レボリュートF1チーム6
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム1

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第10戦ベルギーGP 7/19
第11戦ハンガリーGP 7/26
第12戦オランダGP 8/23
第13戦イタリアGP 9/6
第14戦スペインGP 9/13
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