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F1規則の“抜け穴”に警鐘。単一組織の複数チーム所有に反対するマクラーレンCEO、不公平の排除をFIAに求める

2026年5月19日

 マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムに対し、単一組織が複数のチームを所有することにより利益を得ることをレギュレーションによって阻止するよう求めた。ブラウンは長年、ひとつの企業がふたつのチームを所有することに反対しており、この問題をレッドブルに関して指摘してきた。


 レッドブル社はレッドブル・レーシングとレーシングブルズの2チームを所有している。レーシングブルズの新たなオーナー探しが進められているものの、売却されてもメインチームとの技術的なつながりは維持される見込みだ。そうしたなか、ブラウンは今度はメルセデスによるアルピーヌの24パーセント株取得の動きに矛先を向けている。


 ブラウンは最近、FIA会長モハメド・ビン・スライエムに長文の書簡を送り、ひとつの企業が複数チームを所有することは、スポーツの誠実さと公平性を損なう可能性があるとして、いくつかの具体例を挙げた。

■同一オーナー下の2チームが連携し、公平性を損なった例

 最近のオンラインのメディア向けイベントでも語っていたように、ブラウンは、2024年シンガポールGPでの出来事を、2チームが協力して他チームに不利益を与え得る好例として振り返った。


 レース終盤の時点で、マクラーレンのランド・ノリスがファステストラップを保持していた。当時、ファステストラップには1ポイントが与えられていたが、RBは入賞圏外を走っていたダニエル・リカルドをピットに呼び戻し、新品のソフトタイヤを装着。リカルドはレースの最速ラップを記録した。


 トップ10圏外だったリカルド自身にポイントは与えられなかったが、その1ポイントはノリスの手から奪われることになった。当時ノリスは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとタイトルを争っていた。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2024年F1第18戦シンガポールGP決勝日 パルクフェルメにいるレースウイナーのランド・ノリス(マクラーレン)

 さらにブラウンがより最近の例として挙げたのが、2026年マイアミGP序盤におけるレーシングブルズのリアム・ローソンへの指示だ。序盤のスピンから追い上げていたフェルスタッペンに対し、チームはローソンにポジションを譲るよう命じた。


 4度のF1世界王者フェルスタッペンは、ターン11で飛び込んだ際にローソンをコース外へ押し出し、自身もコース外へはみ出していた。そのため規則上、ローソンがポジションを返す必要はなかった。それにもかかわらず、チームはただちにフェルスタッペンを先に行かせるよう指示し、ローソンもそれに従った。

リアム・ローソン(レーシングブルズ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
2026年F1第4戦マイアミGP決勝日 順位争いを繰り広げるリアム・ローソン(レーシングブルズ・フォーミュラ・ワン・チーム VCARB 03)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング RB22)

■人材移動においてもメリット

 同一オーナーのもとで複数チームが連携するもうひとつの側面として、ブラウンはガーデニング休暇なしでスタッフを移動させられる点も問題視している。


 ブラウンはFIA会長への書簡のなかで、ホーナー解任後にローラン・メキースがレーシングブルズからレッドブルへ一夜にして移ったことを指摘した。一方でマクラーレンは、レッドブルのジャンピエロ・ランビアーゼをチームに迎え入れるまで2年近く待たなければならないという。ランビアーゼは現在の契約を全うしたうえで、その後さらに数カ月の有給休暇期間を経る必要があるためだ。


 この問題で声を上げているのはブラウンだけではない。他の独立系チームも複数チーム所有の禁止を求めており、ビン・スライエムFIA会長も彼らの立場に理解を示す方向にあるようだ。


 現行の規則ではこの点に関する記述が不十分であり、その“抜け穴”は早急にふさぐ必要があると、ビン・スライエムは考えている。

モハメド・ビン・スライエムFIA会長とザク・ブラウン
2025年F1第23戦カタールGPスプリント・予選日 予選後のパルクフェルメにいるモハメド・ビン・スライエムFIA会長とマクラーレンのエグゼクティブディレクター、ザク・ブラウン


(GrandPrix.com)


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