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アップルのF1グローバル放映権獲得計画は、Sky TVの大型契約更新に阻まれる形に。F1側は一社にかけるリスクを忌避

2026年5月15日

『Sky TV』がイギリスとアイルランドにおけるF1の放映権を2034年末まで、イタリアにおける放映権を2032年末まで延長したことは、『Apple TV』にとって大きな痛手となった。


 今年ESPNからアメリカでのF1放映権を引き継いだApple TVは、すべての既存の契約が満了すると同時に、F1のグローバル放映権を獲得する計画を公然と進めていた。しかしSky TVの契約延長により、Apple TVは入札の機会を得るために少なくとも8年待たなければならなくなった。

 F1第4戦マイアミGPの週末、アップル社のシニアバイスプレジデントであるエディ・キューは、「他の地域や市場にも(事業を)拡大していきたい」と述べた。キューは以前にも、アップルとF1の新たな契約についてコメントした際に、このグローバル戦略を示唆している。


「我々にとって巨大な市場である米国から始めるのは正しい方向性だ。しかし他の地域にも拡大できれば素晴らしいだろう」


「この戦略は、Apple TVが制作した映画『F1/エフワン』が最近成功を収めたことによってさらに強化されるだろう。推定製作費が2億ドル(約317億2650万円)で、約6億3000万ドル(約999億3848万円)の収益があり、これはスポーツ映画史上最高の興行収入だ」

ジェリー・ブラッカイマー、ブラッド・ピット、ルイス・ハミルトン、ティム・クック、ダムソン・イドリス
『F1/エフワン』のワールドプレミアに参加したジェリー・ブラッカイマー(プロデューサー)、ブラッド・ピット、ルイス・ハミルトン、ティム・クック(Apple社CEO)、ダムソン・イドリス

 それに加えて、アップルのCEOが交代することにより、F1は同社の最優先事項となった。キューは2026年9月1日よりCEOに就任するジョン・ターナスについて、熱心なアマチュアレーサーであり、筋金入りのF1ファンであると明かした。


「(ターナスは)アマチュアレースに参加している。彼は大のF1ファンで、この取り組みを理解しており、全面的に支援してくれている」


 アップルのグローバル戦略は、2030年初頭から独占的なテレビ放映権を獲得するための巨額の入札を中心としていた。それは、今年の初め時点で、既存の最長の契約が2029年末に満了する予定だったからだ。しかしF1とSky TVの新たな契約により、アップルの計画は頓挫した。またF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリと彼のチームは、ひとつのものにすべてを賭けることへのリスクを嫌い、各市場ごとに数十もの異なる契約を結ぶことで得られる収益は、放映権をひとつのテレビ局に集中させるよりも常に高くなると結論づけた。


 そのいい例がSky TVとの契約だ。契約金は5年間で推定12億米ドル(約1903億5901万円)相当、年間では2億4000万米ドル(約380億7180万円)という圧倒的な金額で、前回の契約から20%もアップしている。一方でApple TVも、1年間に1億5000万米ドル(約237億9487万円)、2030年末までに総額7億5000万米ドル(約1189億7438万円)を支払うことに合意している。


 F1の全世界テレビ放映権の入札額が年間20億米ドル(約3172億6502万円)を下回ることはないだろう。非常に高額であり、巨大なアメリカ企業でさえも、生み出し収益化するのは難しいと考えられる。

エディ・キュー
2026年F1第4戦マイアミGP アップルのシニアバイスプレジデントを務めるエディ・キュー


(Text : GrandPrix.com)


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