最新記事
- 「全セッションでトップ10に入りとてもいい週...
- 「1位とわずか10秒差なんて本当に信じられな...
- 順調なスタートから一転、接触と不手際で後退...
- アントネッリ大健闘の2位。隙を見せず王者の...
- 【ポイントランキング】2025年F1第21戦サンパ...
- ノリス連勝。ピットスタートのフェルスタッペ...
- 【正式結果】2025年F1第21戦サンパウロGP 決勝
- 「マシンは速かったがほとんどの時間は格闘し...
- 「たった1ポイントでも全員の士気を高めるも...
- 予選に向けた変更で「マシンは明らかによくな...
- 【F1サンパウロGP予選の要点】9点差に広がる...
- レッドブル2台がQ1敗退の波乱。絶好調ノリス...
ルクレールをいら立たせたブレーキのオーバーヒート。フェラーリの根本的なパフォーマンス不足に起因する問題か
2025年10月10日
F1シンガポールGPで、ブレーキマネジメントの問題がフェラーリのレースパフォーマンスを損ない、SF-25の効率性に欠陥があることが露呈した。マリーナベイ・サーキットはブレーキへの負荷が大きいコースではあるが、フェラーリほど深刻なブレーキのオーバーヒート問題を抱えたチームは他になかった。
シャルル・ルクレールのオンボード映像を通してレース全体を確認すると、彼のレースエンジニアからの無線指示によって、5周目の時点ですでにブレーキマネジメントを強いられ、ブレーキングゾーンで攻めることを許されず、レースの大半を“リフト・アンド・コースト”に費やしていたことがわかる。
F1チームがドライバーに指示するこの“リフト・アンド・コースト”とは、ブレーキングエリアより手前でスロットルを戻し、惰性で走らせることで、これによりブレーキへの負担を軽減することができる。
シンガポールでは、ルクレールは5周目の時点でこの走法を指示されていた。レース序盤は燃料が多く車重が重いため、初期段階でのリフト・アンド・コーストは珍しくはなく、当初はそれほどペースに影響しているようには見えなかった。彼はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)にはおいて行かれたものの、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の前には安定してとどまっていたのだ。

しかし17周目にはリヤブレーキが再びオーバーヒ−ト。そのために以後の3周にわたって、ルクレールは左右のリヤブレーキを交互に保護するよう指示を受け、当然ながらより多くのリフト・アンド・コーストを行うよう求められた。
21周目には「徐々にプッシュを始めていい」と無線が入ったが、28周目と29周目には再び「リヤブレーキを保護せよ」との指示が飛び、リフト・アンド・コーストが再開された。
その10周後、状況はさらに悪化した。リヤを守るためにブレーキバランスを前寄りにした結果、今度はフロントブレーキがオーバーヒートし始めたのである。これによってルクレールはコーナー進入で思うように攻めることができなくなり、後方のアントネッリにとっては接近しやすい状況となった。
51周目までに状況は絶望的となった。ついに4つのブレーキディスクすべてがオーバーヒートし、ターン16でアントネッリに簡単に抜かれて5番手の座を明け渡すことになったのだ。さらに3周後、ルイス・ハミルトンを先行させたルクレールは、無線で怒りを爆発させた。彼はレース後も、まず無線でチームに対してフラストレーションを示した後、メディアと対面した際には比較的穏やかにではあったが、やはり不満を表した。

フェラーリは、予選と決勝のセッティングを決める段階で、ブレーキ冷却用のダクトの開口部を過度に狭めていたともいわれている。
エアインテークが小さいほど空力面のメリットがある。空力効率がわずかに向上するのだが、その効果はごく小さいものだ。それでも全体のタイム差が非常に小さいなか、フェラーリは、設計上の制約を抱えたSF-25のパフォーマンスを少しでも上げるために、リスクをとろうと考えたのかもしれず、それが行き過ぎた可能性がある。しかし冷却不足がルクレールのレースを台無しにし、最終的にはハミルトンのマシンの左フロントブレーキディスクが故障して、彼は順位を落とす結果になった。

次戦の舞台オースティンは、ハードブレーキングが必要なポイントが4カ所あるコースだ。フェラーリはシンガポールでのような混乱を再び繰り返さないように、空力効率とブレーキ温度の最適な妥協点を見出す必要がある。
(Text : GrandPrix.com)
関連ニュース
| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 341 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 276 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 214 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 148 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 122 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 43 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 43 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 398 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 366 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 362 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 82 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 72 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 70 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 62 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


