セルジオ・ペレスは、イギリスのシルバーストンにあるキャデラックF1チームのファクトリーを初めて訪問した。

　ペレスは2024年末にレッドブルを去り、1年間F1から離れていたが、反撃の気持ちとともに復帰し、同じくベテランのバルテリ・ボッタスとともにキャデラックの大胆な新章に自身の名を刻む準備ができている。キャデラックの2026年のF1デビューへのカウントダウンが進むなか、6度のグランプリ優勝経験を持つペレスは、ファクトリーを訪れ、クルーたちと握手を交わしチームを鼓舞した。

■重要なのは「どこでフィニッシュするか」

　ペレスは、F1で戦ってきたドライバーとしての自信を胸に、大隊を鼓舞する将軍のようにキャデラックの拠点を闊歩した。キャデラックは、ペレスとボッタスがチームの初シーズンにコンビを組むという8月の発表以来、依然として興奮状態にあり、スタードライバーたちのためにレッドカーペットを敷いた。

　キャデラックのソーシャルメディアには、チーム代表のグレアム・ロードンを伴ってファクトリーの現場でスピーチをするペレスの映像や写真が掲載されており、彼の言葉はキャデラックのマシンを形作る労働力を刺激する火花となった。

「当然ながら、適切に始めることが重要ではないだろうか？」とペレスは、集まったクルーたちに語った。

「でも僕にとって、どこからスタートするかということはあまり重要ではない。どこでフィニッシュするかだ」

　スタートラインではなく結果に目を向けるというこの信念は、グリッドの11番目のチームとして、F1のエリート集団にぶつかっていく勇気を持つチームの精神を捉えている。

　ペレスの訪問は単なる写真撮影の機会ではなかった。それは意志表明であり、チームの精神を彼自身の不屈の精神と融合させる機会だった。空力調整を担当するエンジニアから長時間の準備にあたるメカニックにいたるまで、ペレスの存在は2026年を再認識させるものだった。これは単なるデビューではなく、偉大さへの挑戦なのだ。