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【2025年F1マシン分析/レッドブルRB21】不穏な兆候も、失敗作とは言えない。前年型と似た外観に隠された新コンセプト

2025年3月6日

 レッドブルにとって、2025年プレシーズンテストは順調なものではなく、周回数では10チームのなかで最下位に沈んだ。ニューマシン『RB21』は、昨年型からどのように変わり、何が期待できるのか、F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが分析し、マシン細部の画像も紹介する。

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 レッドブルの2025年型マシン『RB21』のカウルの下の見えない部分には、多くの改良が施されているようだ。しかし少なくとも外見だけで判断するなら、前モデルとほとんど同じように見える。そして、バーレーンでの開幕前テストの結果は、決して安心できるものではなかった。

 おそらくレッドブルは今季も、トップグループにとどまるだろう。だが優勝候補筆頭のマクラーレンと、はたして勝利を争うことができるだろうか?

 まずはこの冬の間に上位4チームが行った作業を、少し振り返ってみよう。

 マクラーレンは、MCL39において、旧モデルの優れたバランスを維持しながら、ダウンフォースをさらに高めることを目指した。フェラーリSF-25はコクピットをより後方に配置することで、高速域での欠点を解消しようとしている。そしてメルセデスW16には、前モデルよりも低速コーナーでの一貫性と速度を向上させることが目標に掲げられた。

 ではレッドブルはどうだろう。RB21はRB20を改良したもので、いうまでもなくRB20は悪くないマシンだった。低速域の速さは平凡だが、中速では競争力があり、高速ではしばしば最速をマークした。

「我々はRB20で、9つのレースと4つのスプリントレースで優勝した。それは忘れてほしくないね」と、クリスチャン・ホーナー代表は言う。

「とはいえいくつか改善する必要もあった。チームはオフシーズン中、そこに懸命に取り組んできた。外観は確かに似ている。マシン哲学が同じなのだから、それは当然だ。ただし目に見えない多くの部分では、RB20とは少し異なっている」

■わずかながら確認できる見た目上の変化

(c)F1i

 バーレーンテストの最初の2日間で、チームは短いノーズをテストした。ノーズ先端と最前列のフラップが離れていることで、短くなっていることがわかる(下の3、4枚目の比較写真参照)。

 一方、サイドポンツーンの上部にあった溝は目立たなくなり(下の写真青矢印)、ドライバーのヘルメット背後に配置された空気取り入れ口も消えている(緑矢印)。リヤサスペンションのウィッシュボーンの取り付けポイントも若干異なっている(黄色に塗りつぶした部分)。

 ただしこれら以外には、外観的には根本的に新しいものは何もない。

(c)F1i

■カウルの内側はシンプル化された
 すでに1月に伝えられたように、ボディ下の熱い空気の流れに関して見直しが行われ、シンプル化が行われた。

 RB20では、エンジンカウルの下のさまざまな場所に多数の小型ラジエーターが配置されていた。それがRB21ではよりクラシックな構成に戻り、インタークーラーがもう一方のラジエーターの真下ではなく、より近いラジエーターの延長上に配置されている。

 これらの変更を除けば、RB21は前モデルとほとんど変わっていない。ただしRB20は決して運転が簡単ではなかった。マシンバランスも安定せず、セットアップウィンドウが極めて狭かった (わずかな温度変化や小さな技術的変更でも、バランスが崩れやすかった)。それらの欠点は、はたしてRB21で修正されているだろうか。

(c)F1i

■進化のレベルは期待はずれ
 テスト終了後、開発責任者のピエール・ワシェは、RB21の進化が思ったほどでなく、優勝争いに絡むためにはメルボルンでの開幕戦までにさらなる改善が必要であることを認めた。

「テストは期待したほど簡単ではなかった。でも後で問題が見つかるより、この段階で出てくれた方がずっと良い。それがテストの意義だからね」

「問題はある特定の瞬間に、マシンが予想どおりに反応してくれなかったことだ。そこは満足できていない。とはいえ開発は、正しい方向に進んでいる。もしかすると、期待したほど大きな進化ではなかったかもしれないがね」

「一方でマシンバランスに関しては、事前の予想に合致したフィードバックを得ている。とはいえマシンから十分なポテンシャルを引き出すには、まだやるべきことは少なくない」



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