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F1日本GPで発生したインシデントに関する手順の見直しを実施。サインツ車回収のための車両導入は“早すぎた”と結論

2022年10月22日

 FIAは、2022年F1第18戦日本GPの決勝レースで起きたインシデントとそれに関する手順の問題について見直しを行い、その結果と今後実施される対策を発表した。これによると、クラッシュを喫したカルロス・サインツ(フェラーリ)のマシンを回収するための車両の導入は、タイミングが早すぎたと判断されたという。


 大雨の影響を受けた日本GPでは、決勝レースの1周目にサインツがクラッシュを喫し、セーフティカー(SC)が導入された。その後まだ各マシンがコース上を走行しているなかで、サインツのマシンを撤去するための車両が導入された。そのため、複数のドライバーから安全性を損なうとして怒りの声が上がっていた。

2022年F1第18戦日本GP決勝 カルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュし、リタイア
2022年F1第18戦日本GP決勝 カルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュし、リタイア


 このインシデントに関して、広範囲にわたる徹底的なレビューがFIAスポーツ担当副会長ロバート・リードの監督の下で行われた。審査委員会はレースコントロール、リモートオペレーションセンター(ROC)、セーフティ、オペレーション、テクニカルなど、FIAの多くの部門から代表者を集めて構成されている。またこのレビューは、GPDAからの書簡や、モハメド・ビン・スライエムFIA会長とGPDA理事のジョージ・ラッセル(メルセデス)、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)との話し合いに基づいている。

■日本GP決勝レースでのインシデント、それに関する手順の調査結果

【レーススタート】
 スタート時に雨が降っていたものの、定刻にスタンディングスタートを行うのに適したコンディションだった。全チームがインターミディエイトタイヤでスタートしたが、スタート時刻のあたりに雨が強くなったため、スタート後にインターミディエイトでマシンをコントロールすることがより困難になった。


【回収車とマーシャルの配備】
 回収車とマーシャルの配備については、審査の結果、FIAのレース手順はすべて順守されているという結論に達した。


 レビューでは、このような状況では、全車がSCの後ろに整列していない限り、回収車は投入されるべきではないと指摘された。当時のコースコンディションとドライバー、マーシャル、回収スタッフの視界を考慮して、SCと赤旗の下で安全な回収作業に集中していたため、ピットレーンにガスリーがいたことにすぐには気がつかなかった。レースコントロールは、インシデントが発生したエリアとSCの後ろの隊列を中立化することに重点を置いているため、必ずしもSC出動中にすべてのマシンを監視しているわけではないということだ。


 レースが中断された際に回収車を投入するのが一般的だが、審査委員会は、サインツ車を撤去するために回収車を出動させるのは時期尚早だったかどうかを議論した。過去のインシデントの点から、今回のようなコンディションのなかでコース上にクレーン車を出動させることは慎重に扱うべき問題であることを認めている。そして結果論ではあるが、当時は天候が変化していたため、回収車の出動を遅らせることが賢明であったと審査委員会は判断した。


 なお、FIAはSCの真後ろにいるマシンを管理できるが、それ以外のマシンについては十分なコントロールができないことも認識された。


【ドライバーの義務について】
 ドライバーは黄旗や赤旗、SCの状況下で適宜速度を制限する義務がある。ガスリーはSCに追いつくために、サインツの事故現場まで、そしてそこを通過した後、時速200kmを超える速度で走行していたことがデータから判明している。そのためガスリーはペナルティを受けた。


【タイヤ、コース上の広告、排水について】
 極限状況におけるタイヤの性能についても議論されており、現在FIAの技術部門とピレリの間で分析が行われている。またコースの広告ボードについては、固定方法や構造、位置、材質についてサーキット委員会が再調査を行っている。排水に関しては、FIAとサーキットオーガナイザーとの間で、鈴鹿サーキットの排水改善について協議している。

2022年F1第18戦日本GP カルロス・サインツ(フェラーリ)のクラッシュで落ちた広告パネルを引きずるピエール・ガスリー(アルファタウリ)

■アメリカGP以降に実施される対策について

 日本GPのレビューでは、ドライバーの行動や、サーキットマーシャルと回収車のオペレーターのパフォーマンスも評価され、今後に向けて多くの対策が採用された。


 まずFIAのレースディレクターは、アメリカGPのドライバーズブリーフィングにおいて、鈴鹿でのインシデントに関するレビューを行い、再発を避けるためにFIAが導入予定の解決策を説明するとともに、セーフティーカーと赤旗に関する規則をドライバーに再認識させるという。


 レースディレクターの体制についても変更点がある。今シーズンのレースディレクターはニールス・ヴィティヒとエドゥアルド・フレイタスの2名が交代で担当してきたが、アメリカGPから最終戦アブダビGPまでの4戦はすべてヴィティヒが担当するということだ。

ニールス・ヴィティヒ(FIAレースディレクター)
ニールス・ヴィティヒ(FIAレースディレクター)


 FIAからチームへの情報提供は公式メッセージシステムを通じて行われ、FIAインカムシステムを使用してコミュニケーションを取ることになる。FIAはこれを利用して回収車がコース上にいることをチーム側に知らせ、チームはそれをドライバーに知らせる義務がある。またレースコントロールとROCが使用する、コース上、SC後方の全車の状況を表示するバーチャルセーフティカー(VSC)/SCライブモニタリングウインドウを新たに開発することになった。SCまたはVSCの手順の下で、レースコントロールチーム全体の仕事の割り当てをより明確にするために手順の更新も行われる予定だ。


 そして『ダイナミックVSC』という新しい機能も明らかにされた。これはインシデントが起きたセクターとその手前で、ドライバーが従うべきデルタスピードを変更するものだ。ドライバーがインシデントの発生場所を把握しやすくするためのものだという。


 FIAはチームと協力して、イエロー、ダブルイエロー、VSC、SCに関する規則を守らないドライバーに対するペナルティの判例を見直していくことになる。なおコースサイドの広告ボードについては、引き剥がされてコース上に入る可能性を避けるため、構造、位置、使用されている材料について評価する。


 そして最後に、レースの制限時間とポイント配分に関する点だ。日本GPでは制限時間とポイント配分に関するF1スポーティングレギュレーションの第6.5条が正しく適用されたものの、次にスポーティングレギュレーションを見直す際には、より内容を明確にするために、文言が見直される予定だ。



(autosport web)




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