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F1第1戦金曜会見:新型コロナ対策を緩めつつあるF1。陽性でのレース出場はドライバーの判断に任せるべきとの意見も

2022年3月19日

 F1は2021年までの厳しいバブル方式を緩めるなど、確実に『ウィズ・コロナ』に舵を切りつつある。しかしそんななか、バーレーンテスト中にマクラーレンのダニエル・リカルド、そして開幕直前にアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルの新型コロナウイルス陽性が明らかになった。


 F1のコロナ緩和措置は、はたして正しい方向性なのか。今年から金曜日のフリー走行直前に行われるようになったドライバーズ会見では、新型コロナウイルスとどう向き合っていくかについて多くの意見が交わされた。


──ダニエル、まずは体調はいかがでしょうか?
リカルド:元気ですよ。ありがとう。たくさんの人が、おかえりなさいと言ってくれた。でも実際には僕の右にいる彼(と、ケビン・マグヌッセンを見ながら)の方が、もっとウェルカム・バックだよね。最初はけっこうキツかったけど、ここ数日は日に日によくなってきている。


──テストを欠席したことで、クルマの理解度の点で影響は?
リカルド:時間が経てばわかると思う。自分としてはできる限りフォローして、ついていけるように努力した。とはいえ最初のバルセロナテストはいい感じで終わったし、個人的にも快適だった。バーレーンテストに参加できなかったのは残念だけど、この週末どんな感じか、様子を見ることにするよ。


──ドライバーは新型コロナウイルス陽性でも、レースに出ることを許可されるのか、コロナウイルスとどう付き合って行くべきか、議論すべきでは? ダニエルはこの1週間ほどどのようなことを考え、特にどのような体験をしたんでしょう。
リカルド:いい質問だね。健康で、十分レースを走れると自分で感じたら、それで十分なのか。あるいは一種の体力テストのようなものを受けさせるのが必要なのか。う〜ん、よくわからない。今質問を受けて、初めて真剣に考えたよ。


──実際のところ、先週F1マシンを運転することは可能でしたか?
リカルド:かなり厳しい状態だったから、苦労したと思う。だからケースバイケースで、自分ができると思えば、ちょっとした体力テストをして証明すればいいかな。でも1週間で完全回復するのは厳しいかも。

ケビン・マグヌッセン(ハース)&ダニエル・リカルド(マクラーレン)
2022年F1第1戦バーレーンGP金曜会見 ケビン・マグヌッセン(ハース)&ダニエル・リカルド(マクラーレン)


──他のドライバーはどうでしょう?
マグヌッセン:コロナにかかったことがないので、わからないかな。でも無症状の人もいるわけだしね。今や国によっては、コロナに対して完全に制限を撤廃している。一方でF1では、まだ非常に厳しい。そこはドライバーの判断に任せるべきじゃないかな。僕たちはみんな、一度や二度は体調が悪いときにレースに出たことがあると思うし、今のままレースに出られるか、あるいは単に出られないかを判断するのは僕たち自身だからね。もしドライバーがその状態でレースに出てもいいと思えば、問題にはならないと思う。


バルテリ・ボッタス:僕もドライバーの判断に委ねるべきだと思う。ただ他のチームメンバーに絶対感染しないような、特別なプロトコルが必要だろうけど。


カルロス・サインツ:僕が思うに、もしウイルスをあまり広げずに、あるいは完全にゼロでなくても開催できるスポーツがあるとすれば、それはF1だと思う。個人的には、もしコロナに感染したとしても、チャンピオンシップの戦いや非常に重要なことの真っ最中であれば、レース欠場を受け入れるのは難しいと思っている。

バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)
2022年F1第1戦バーレーンGP金曜会見 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)


 たとえ陽性でも体調さえよければ、レースに出たい。それはドライバーとしての当然の心情なのだろう。一方でコロナへの感染には、当然ながら彼らは人一倍敏感だ。


──みなさんはマスクをつけてそこに座っています。でもFIAは今季から、パドックではマスクをつけず、強制的なPCR検査もしなくていいことになりました。感染しているかもしれない人たちに囲まれて、飛行機でバーレーンにやってきたにもかかわらず。そんな状況だと、今まで以上に感染に神経質になっていますか。
サインツ:ダニエルとセバスチャンの感染は、再度の警告になったと思う。コロナはまだ、僕たちの周りに依然としているんだと。この2年間、ずっと苦痛の連続だったよ。でも僕らにできることは、マスクをつけて、関係者全員がワクチンを接種して、自分の人生を歩み続けることだけだ。


ボッタス:コロナとある程度付き合い始める必要はあると思う。ただ今日のようにパドックに到着すると、自撮りをしているファンがたくさんいる。彼らは誰もマスクをしていなくて、かなり近づいてくるので、僕は不快に感じて距離を取るようにした。でもそれは常識的なことで、共存していかなければならないんだろうね。


 ここで質問者から、ちょっと極論ともいうべき問題提起が出た。当然というべきか、ドライバーの反応は否定的だった。


──コロナに感染した場合、獲得ポイントを剥奪するような、そんな措置が必要なのでは?
シャルル・ルクレール:それはありえない。
周冠宇:いや、絶対にポイントは減らさないでほしい。
ミック・シューマッハー:レースを欠場した上に、ポイントを減らされる? みんなが言うように、それはダメだ。このままでいい。
マックス・フェルスタッペン:一番大事なのは、セバスチャンが元気に復帰することだ。それ以外は、どうでもいいことだよ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年F1第1戦バーレーンGP金曜会見 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 最後に、2020年にコロナに感染したルイス・ハミルトン(メルセデス)にこんな質問が飛んだ。ハミルトンの意見は、揺るがないものだった。


──コロナに感染してもレースに出られるかどうかはドライバー次第だと、何人かは答えています。かつてこの病気にかかり、レースを欠場したあなたの意見は?
ハミルトン:僕の場合、レースなどできるわけがなかった。ひどい病状だったし、なんとか復帰したときも、かろうじてレースを乗り切ったという感じだった。今、セブ(ベッテルの愛称)にメッセージを送ったんだ。彼が無事であることを願っている。
 奇妙なことに、明らかに世界中がこの現象に慣れてきて、ニュースで取り上げられることが少なくなってる。でももし僕たちがマスクをするのをやめて、ガレージにいる全員が感染したら、全員が病気になる。人によって影響も違う。重症化する人もいるだろう。スポーツとして、人々にメッセージを送るという意味でも、マスクをつけ続けることが重要だと思うんだ。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第1戦バーレーンGP金曜会見 ルイス・ハミルトン(メルセデス)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




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8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

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2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
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