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2022年F1技術レギュレーションを画像で解説(1)バトル促進のための空力革命。乱流対策で導入された新フロア

2022年2月8日

 FIA(国際自動車連盟)が総力を結集して研究・実験を続けた2022年の技術レギュレーションは、F1マシンの様相を一変させた。彼らの第一の目的は、オーバーテイクの促進だった。F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、変更点がより理解しやすいよう、豊富な写真と図解で解説する。



2021年F1と2022年F1のフロア比較
2021年F1と2022年F1のフロア比較(画像1)

(2022年のマシン下部は2本のトンネルが通り、ベンチュリー効果を発揮する。それに対して2021年マシンはフラットボトムのフロアで、下面のダウンフォース発生を制限していた)

■オーバーテイクを容易にするためになされた空力革命

 現代のF1マシンは、空力至上主義と言っていい。それがどこまで行き着いてしまったのか、去年の技術レギュレーションの変更が何をもたらしたかを見れば十分だろう。フロアを少し削っただけで、2020年にメルセデスが持っていた圧倒的アドバンテージがなくなってしまったのだ。すでにそれ以前からF1マシンは、乱気流の発生度合いが大きくなっており、後続マシンが先行車に追従することはほぼ不可能になっていた。


 ドライバーから繰り返し指摘されてきたこの問題を改善するため、FIAとFOMは、車体のボリュームを簡素化し、エアロダイナミクスの創造性をより厳しく管理することで、オーバーテイクを容易にするレギュレーションを起草したのである。


 そのためにレギュレーション策定者は、主に2点の実現に注力した。ひとつは新型F1マシンの乱流発生を抑えること。とはいえ完全になくすことは不可能だ。そのため先行車に接近しても、乱流の影響をできるだけ受けにくくすることが2点目だった。その結果できあがったのが、160ページに達する新技術規約だった。

■フラットボトムからダブルトンネルへ

 ダウンフォースを発生させる空力パーツの中には、比較的乱流を発生させにくいものがある。中でもフロアは空気抵抗や乱流を最小限に抑えながら、最も多くのダウンフォースを発生させる領域と言える。


 そのため新技術規約では、前後ウイングが発生するダウンフォースの割合を減らし、フロア下の割合を増やしている。具体的に、どんな処置を施したのか。

2021年F1と2022年F1のフロア比較
2021年F1と2022年F1のフロア比較(画像2)


2021年F1と2022年F1のフロア比較
2021年F1と2022年F1のフロア比較(画像3)

1)フラットボトム入り口
速度:低い
圧力:高い
2)フラットボトム
速度:高い
圧力:低い
3)ディフューザー
速度:出口に向かうにつれて低くなる
圧力:出口に向かうにつれて高くなる


 F1マシンのフロア下は基本的に、前世代の車体も含めてすべてベンチュリートンネルの仕組みを利用している。以前のF1マシンでは、トンネルの入り口は小さく、出口(ディフューザー)は中ぐらいのサイズに規定されていた。


 新しいF1マシンでは、フロア前端からフラットボトム、ディフューザー全体の形状が、よりはっきりとベンチュリートンネルのように見える(2022年マシン横向き写真/画像3参照)。入り口は2021年型よりはるかに大きく(画像2の緑線参照)、ディフューザーも同様に大型化した。その結果、乱流をより高い位置で発生させるようになり、後続車への影響を少なくすることができる。一方で中央部分の完全に平らな部分は、昨年型より短くなっている。


 つまり、2022年マシンはフロア下が平らではなく、1980年代のいわゆるグラウンドエフェクトマシンのような2本のトンネル(画像2の青線参照)を備えている。いわゆるスカートこそないものの、フラットボトムの側面は閉じられている。この最適化されたフラットボトムにより、ダウンフォースの発生割合が増え、ウイングへの依存度が低下する。


 フラットボトムとディフューザーの仕様変更で、圧力の中心はかなり前方に移動する。その結果、単純化されたフロントウイングが生み出すダウンフォースが大きく減少したにもかかわらず、前後の荷重分布は前年型とほぼ同等(40%:60%)だ。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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