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FIA、F1フレキシブルウイングへの抗議騒動を回避すべく、メルセデス&マクラーレンに働きかけ

2021年6月2日

 FIAは、リヤウイングのたわみについての検査の強化をF1第6戦アゼルバイジャンGPから導入するよう要求しているメルセデスおよびマクラーレンと話し合いを続け、この週末に正式な抗議が行われる事態を回避したいと考えている。


 スペインGP後、FIAは技術指示書によって、現在規則に従っていないフレキシブルウイングが使用されている可能性があるため、フランスGPから取り締まり強化を行うと、各チームに通知した。現行検査には合格しても規則違反であるウイングの使用が、モナコとアゼルバイジャンの2戦にわたって許されることになり、特にメルセデスとマクラーレンがこのことに強く反発している。


 バクーには、カレンダー中、最も長いストレートがあり、その長さは2.2km以上にもおよぶ。このサーキットではフレキシブルウイングを使用するマシンに顕著なアドバンテージがあるとみられ、1周あたり0.5秒もの大きなマージンがあると見積もる者もいるほどだ。


 メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、モナコの週末に、「FIAがこの状況をすぐさま解決しない限り、バクーでは抗議が行われるだろう」と発言していた。


「スチュワードがフレキシブルウイングの禁止を決定しなければ、この件は国際控訴裁判所に持ち込まれる。裁判所での審議と決定には数カ月を要するため、バクーでのレース結果は長い間、宙に浮いたままになるかもしれない。それはF1にとって良いことではない。だからこそ我々は、新しいテストを後日ではなく、直ちに導入するようFIAに求めているのだ」

2021年F1第5戦モナコGP トト・ウォルフ(メルセデスF1チーム代表)

 取り締まり強化で大きな影響を受けるのは、レッドブル、フェラーリ、アルピーヌ、アルファロメオであると考えられている。


 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、フランスまで改造版ウイングを導入するつもりはないとした上で、4チーム8台に抗議を行うことは不可能であるとして、抗議の懸念を打ち消している。


 また、逆に自分たちはメルセデスのフロントウイングに対して抗議を行う可能性があるとも述べた。
「我々はメルセデスのフロントウイングに対して抗議するかもしれない。なぜなら、メルセデスのフロントウイングは他のどのマシンよりも大きくたわんでいるからだ。たわみによってスピードの優位性が得られるため、フロントウイングに関してもより厳しいテストを行うべきだ」


 これに対し、ウォルフ代表は、W12のフロントウイングの合法性に自信を持っているとコメントしている。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第5戦モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

■「アゼルバイジャンでの抗議は成功しない」とロス・ブラウン

 抗議が相次ぐことでスポーツの信頼性が損なわれることを懸念しているFIAは、メルセデスとマクラーレンに対し、FIAの決定を受け入れるよう静かに働きかけている。F1のモータースポーツ担当マネージングディレクター、ロス・ブラウンは、次のようにコメントした。


「アゼルバイジャンで抗議が成功するとは思えない。FIAはルールを非常に明確にしており、スチュワードがFIAの意見やルールに書かれていることに逆らうとは思えないからだ」


 かつてベネトン、フェラーリ、ホンダ、メルセデスに所属した経験を持つブラウンは、フレキシブルウイングは長年にわたる問題であるとも述べている。


「F1の歴史の中で、これはおそらくフレキシ・リヤウイングのバージョン27だと思う。この40年に何度もこの問題に直面してきた」


「昔、(ウイリアムズのテクニカルディレクターを務めていた)パトリック・ヘッドが、我々のフロントウイングに十分な硬さがないと考えて、パルクフェルメでウイングに飛び乗ったことがある」


「彼は(FIAのレースディレクターである)チャーリー・ホワイティングに対し、硬さが足りないことを証明しようとしたのだ。そのために彼は実際にウイングの上に立って、上下に弾ませ、どれだけ柔軟性があるかを示そうとした」


「一連のFIAのテストがあり、それが限界を判断できる唯一の方法だ。あるチームがそのテストに合格し、他のチームがそれを気に入らなかった場合、FIAは『もっともだ』と言って、検査を強化したり、別のテストを導入する。それが永遠に続くのだ」

ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)&ロス・ブラウン(モータースポーツ担当マネージングディレクター)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)&ロス・ブラウン(モータースポーツ担当マネージングディレクター)

「問題を解決するために別の方法を採用することにはならないと考えている。他にどのようにして数値化するのか分からないからね。柔軟性があり過ぎると考える者もいれば、問題ないと考える者もいる。だからこそ検査を行うのだ」


「もちろんそこに何かの装置を入れたりヒンジを入れたりするのは間違っている。だが、通常のコンプライアンスのなかでは問題は見られない」


 このように、ブラウンは、アゼルバイジャンGPで騒動が持ち上がらないことを願っている。ウォルフが2週間の間に考えを変えたかどうかは、この週末を迎えて初めて明らかになるだろう。



(Grandprix.com/autosport web)




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