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【F1分析】レッドブル・ホンダはいかにしてメルセデスに追いついたのか(2)新PUの貢献大。規則変更も追い風に

2021年4月16日

 開幕戦では惜しくも敗れたものの、2021年のレッドブル・ホンダF1がメルセデス以上の戦闘力を有していることは間違いない。F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、その成功要因を4つに分けて分析した(全2回)。


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3)規約変更が追い風となった

 今季の技術規約では、フロア後端の面積の縮小や、ディフューザーの高さ制限などが定められた。それほど大きな変更ではないように思われるが、フロアとディフューザーが生み出すダウンフォース量が全体の60%を占めることを思えば、その影響は結果的に甚大だったというべきだろう。

2021年F1技術規則 フロア変更部分
2021年F1技術規則 フロア変更部分

 その中でもダメージが大きかったのが、メルセデスやアストンマーティンに代表される、ロングホイールベースとローレーキ(前後の車高差をそれほど大きく取らない)コンセプトのマシン群だった。


 それに対しレッドブルは、相対的にダメージは小さかった。なぜなら規約では、フロア面積の縮小は「フロントタイヤ軸から180cm後方から始まり、リヤタイヤ軸前方17.5cmまでとする」と規定されている。メルセデスに比べるとショートホイールベースのレッドブルは、フロアの縮小面積が小さくて済んだ。それだけダウンフォースの喪失量も少なかったということだ。


 かといってメルセデスが開幕後の今から、ハイレーキコンセプトへと大きく舵を切るのは技術的に不可能だ。さらにサスペンションのシーズン中の変更も、禁じられている。トト・ウォルフ代表が「明らかにメルセデス潰しのレギュレーション変更だ」と憤るのも少しは理解できるほど、メルセデスが特に大きく影響を受けたことは間違いない。


メルセデスF1 W12とレッドブルRB16Bのレーキ角
メルセデスF1 W12とレッドブルRB16Bのレーキ角

4)よりパワフル、よりコンパクトになったホンダ製PU

 新開発のホンダ製パワーユニット(PU/エンジン)は、ICE(エンジン本体)の燃焼室に大きな改良が施された。燃焼効率向上が目的で、そのためにカムシャフトをコンパクトに、バルブの挟み角にも変更を加えた。その結果、「あくまで限られた条件下ですが、昨年時点でのメルセデス製PUの出力を凌いでいます」と、田辺豊治テクニカルディレクターは言及する。


 2021年型ホンダ製パワーユニットRA621Hのコンパクト化、低重心化は、いうまでもなく車体側にも好影響を与えた。外見からも明らかにわかるRB16Bの絞り込まれたエンジンカウルは、空力的な自由度をレッドブル技術陣に与えた。ホンダとレッドブルの密接な協力なしには実現できなかった到達点と言えるだろう。


 燃焼効率が向上すれば、普通はエネルギー回生性能が落ちてしまう。排ガスの量が減り、温度も下がることで、熱回生の効率が落ちるからである。ホンダはその難題に対し、時間と手間のかかるMGU-Hの改良ではなく、ターボコンプレッサーの改良で解決にこぎつけた。その効果はてきめんで、レッドブル・ホンダが加速を続けている最中に、宿敵メルセデスはエネルギー切れを起こす光景が、開幕戦バーレーンGPで繰り広げられたのだった。

2021年F1第1戦バーレーンGP 決勝スタートでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 決勝スタートでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫 / autosport web)




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