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ホンダF1田辺TDレース後会見:新PU投入初戦は「昨年までとは違う戦いができている」と実感。空力性能の向上にも貢献

2021年3月29日

 2020年F1第1戦バーレーンGPの決勝レースをポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、勝利こそ逃したものの、最終周までルイス・ハミルトン(メルセデス)と激烈なバトルを繰り広げた。さらに角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は17番手まで後退した序盤から果敢なオーバーテイクを繰り返して9位フィニッシュ。ルーキーらしからぬ落ち着いたレース運びで初レース初入賞を果たしたことに、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターも称賛を惜しまなかった。


 対照的にセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)とピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)は、スタート直前のトラブルや直後の接触事故で、期待された結果を残すことはできなかった。そんな悲喜こもごもの開幕戦について田辺テクニカルディレクターは、「開幕戦としてはいいレースができた」と総括する一方で、「できることはやったという思いはありますが、それが結果に表れなかったという点では悔いはある」と、第2戦以降の雪辱を誓っていた。


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──決勝レースの総括からお願いします。


田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):ポールポジションからスタートして勝利を逃したのは残念ですが、一方で終始トップ争いができました。高いパフォーマンスを発揮できたのは、開幕戦としていいレースだったなと思います。


 ペレスは、スタート直前のフォーメーションラップで止まってしまいました。原因はこれから解析しますが、走行中に電源が完全に落ちた。これでおしまいかと思ったのですが、幸い復活して、ピットからスタートすることができました。最後尾から5位まで上がって、非常に力強いレースを見せてくれました。


──角田選手もデビュー戦入賞を果たしました。


田辺TD:中団グループは、今年もかなり厳しい戦いになりそうです。彼もスタートで順位を落としながら、オーバーテイクを繰り返して9位。この3日間で大いに学びがあったはずです。ガスリーもレーススタート直後の接触事故は残念でしたが、予選では素晴らしい速さを披露してくれた。Q2をミディアムタイヤで突破する戦略をとれるほど、今季のアルファタウリ・ホンダは戦闘力が高いと確認できました。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──予選ではコンマ4秒の大差をつけて、ポールポジションを獲得しました。それがレースでは意外に接戦で、最終的な結果を左右した。今後はエンジンモードをより厳しい設定にするなど、考えていますか?


田辺TD:次戦からすぐにプッシュするというように、簡単にはいかないです。23戦を3基で戦うという制約のなか、今後の展開、各グランプリのコース特性などを見ながら考えていきたいと思っています。


──レース週末が始まるまで、ライバルとの本当の力関係はわからないと言っていました。レース終盤のフェルスタッペンの追い上げなどを見ていると、パワーユニット(PU)側の貢献は明らかだと確信が持てたのでは?


田辺TD:昨年までとは違う戦いができているのは、確かだと思います。去年もすべての歯車が噛み合えば、優勝はできていた。しかし昨年のメルセデスとの戦闘力比較で言えば、今年の方が良くなっていると言えます。フリー走行から予選、レースの内容を俯瞰してみて、そう感じています。


──チーム側から具体的に、これだけの効果があったという評価をもらっていますか?


田辺TD:エイドリアン・ニューウェイ(レッドブルのレーシングカーデザイナー)さんからは、「車体側の開発にも大いに貢献してくれて、本当にありがとう」と言ってもらっています。新PUが空力性能の向上に寄与していることは、明らかなようです。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

■「最適な判断を下すことはできたが、100%満足かと言われるとそうではない」

──角田選手の開幕戦を、どう見ましたか。


田辺TD:ある意味予想通り、3日間をきちんと走ってくれた。チームの一員として、F1ドライバーとして、ルーキーながらしっかり仕事をしてくれました。今回Q2をミディアムで通過できませんでしたが、各区間のベストタイムをつなぐと、トップ10に入っていたんですね。そこはちょっと、まだいける余地がある。クルマやタイヤ、セッションの使い方など、吸収することはいくらでもある。吸収スピードは物凄いですから、さらに伸びてくれると思っています。


──グランプリ本番でも落ち着いていましたか。


田辺TD:はい。もし私が同じ立場だったら、こんなに落ち着いていられないだろうと思うぐらい、リラックスしていました。決勝レースの朝の段階でも、大丈夫かと思うようなところはまったくなかったですね。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──MGU-Hのネルギー回生量は、実際にレースを戦っていかがでしたか。


田辺TD:詳細なデータ解析はこれからですが、去年と比較していい方にきているかと思います。ライバルが具体的にどんなふうに回生エネルギーを使っているか、そこもGPSデータなどを基に確認していきます。


──ポールポジションスタートから逆転優勝を許したという点では、2019年のハンガリーGPを思い出したのですが、あの時との違いは感じていますか?


田辺TD:今日は追いかける立場でしたし、ペレスが予選で上位に来れなかったこともあって、今日のレースはポールを獲ったとはいえ決して簡単な展開にならないと思ってました。実際2対1の戦いになって、作戦を分けられる彼らは自由度も大きかった。その辺りも含めて、向こうが上に行ってしまいました。


──全力を出し切って、悔いのないレースができましたか?


田辺TD:できることはやったという思いはありますし、その時その時の判断も最適だったと思います。ただそれが結果に表れなかったという点では、悔いはありますね。何かが足りなかったんだろうと。100%満足か、まったく悔いはないかと言われると、そうではないですね。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




レース

4/19(金) フリー走行 12:30〜13:30
スプリント予選 16:30〜17:14
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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