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【津川哲夫の私的F1メカ】メルセデス、トロロッソだけが使用するF1新傾向アップライト

2017年4月19日

 2017年シーズンのF1マシンで面白いデバイスのひとつが、メルセデスとトロロッソが偶然にも同時に登場させたユニークなサスペンションアーム類の取り付け位置、ハイポイント・ピックアップだ。


 フロントサスペンションのアッパーアームのアップライト(ホイールやアクスルシャフトを支えるハブ。ブレーキキャリパーのピックアップポイントも備えるパーツ。アクスルベアリングキャリアとも言われている)側の取り付け位置がユニーク。


 アッパーアームの取り付け位置はホイールの中に入り込むように隠れているのが普通だけど、この2チームはアップライトからニョキニョキと枝を出してホイールから飛び出し、上に向かって伸びたブラケットの頂点に取り付けている。近代レーシングカーのフロントサスペンションとしては、かなり珍しい構成を採用している。


?この構成のメリットは、上下のアームの取り付け位置を持ち上げてアームを高い位置で水平に近くセットできること。もちろん、エアロ効果の向上も確実に得られるわけで、キングピン角度(ステアリングを回転させるための軸、アッパーアームの取り付け位置とアップライトの下部のロワアームの取り付け位置を結んだ線軸の角度)が大きくなり、スクラブ半径(タイヤの中心線とキングピンの延長線の路面での位置がズレている分の大きさ)も増している可能性が高い。


 その効果としては、コーナリング時にハンドルを切るとタイヤを路面にこすりつけるように回すことになり、さらにコーナリングの外側のタイヤのネガティブキャンバーも増加方向に変化することになる。


 また、このサスペンション構成では減速状態のままのコーナリングではライドハイト(車高)の落ち込みが小さくなる。そのため、タイヤの温度管理やエアロバランスの安定性などが見込まれるが、おそらくそこがこのハイポイント・ピックアップ方式の一番の狙いのようだ。


 実際、この2チームはフロアのレーキ角(前傾姿勢)が比較的小さく、このハイポイント・ピックアップサスペンションの採用理由とその狙いが係わっていそうだ。



(Tetsuo Tsugawa)


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