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【アストンマーティン・ホンダの現在地】真実を直視し、一から出直す。夏のアップデート版はほぼ新車に
2026年6月2日
海外有識者が現地からお届けする、アストンマーティン・ホンダのF1活動を観察し、分析する連載コラム。
2026年、アストンマーティンF1チームとホンダはワークスパートナーシップの下で参戦、新たな時代へと踏み出した。ホンダはパワーユニット(PU)マニュファクチャラーとしての活動を再開、チームは天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの獲得にも成功し、F1での成功を目指す上で強力な基礎を築いた形だ。しかし、今年一新された技術規則の下で、今のところアストンマーティン・ホンダは厳しい状況に陥っている。
かつてF1チームでテクニカルディレクターの役割を担い、現在は解説者を務めるアンドリュー・ギャリソン氏が、アストンマーティン・ホンダの状況と動向を分析する。
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F1カナダGPを観るためにテレビの前に座った時、予告されていた「まるで聖書に出てくるような豪雨」が、ほとんど消えてしまっていたことにがっかりした。「まったく、大げさに騒ぎ立てたものだ」と思ったすぐ後に、マクラーレン2台に装着されたタイヤを見て、途端に期待が高まった。──これは痺れる午後になるかもしれない、と。
スタート直後、古き良き時代のドライバー、フェルナンド・アロンソが、まるで10代の若者のような情熱でフィールドを駆け上がり、トップ10圏内に食い込んでいく様子を見て、心からうれしくなった。私はかつてジョーダンで働いていたことがあるため、今もあの“チーム・シルバーストン”を我が家のように感じている。もちろん、今そこにいるメンバーの90%は、私がF1での現役仕事を終えた後に加わった人々だが、それでも私は今もあそこを、帰る場所のように感じている。この感覚を分かってもらえるだろうか。

さて、レースの話に戻ろう。その後、路面が完全に乾くと、闘志あふれるベテランは、石が沈むように順位を落としていった。その光景を見ていると、40年ほど前にアフリカを訪れた時に聞いたある言葉が頭に浮かんできた。長年の付き合いにもかかわらず我々の会社が別の業者を選んだことに憤慨した現地の男が、こう言ったのだ。
「真実は油のようなものだ。どれだけ水を注いでも、必ず浮かび上がってくる」
その数秒後にはメルセデスの2人のドライバーが激しくやり合う画面に釘付けになった私だが、レース終了後、旧友たちと缶ビールを1本、2本、3本と飲みながら一連の展開を振り返っていた時に気づいた。アロンソが順位を落としていった時に頭に浮かんだあの言葉は、そのままアストンマーティン・ホンダの今季全体の流れにも当てはまるのではないだろうか。
■今は誰もが認識している事実
AMR26が初めてコースに姿を現した当初、チームが口を揃えて言っていたのは「シャシーは素晴らしいが、エンジンは完全な失敗作だ」ということだった(あぁ、エンジンでなく今はパワーユニットと言わなければならないのだったか)。だが私は、あのグリーンのマシンに採用されたいくつかのソリューションを見た時点で、すでに疑問を抱いていた。そして今、その厳然たる真実が誰の目にも明らかになっている。

ここまでの5戦を見れば、日本の友人たちのエンジンが優秀ではないことは確かだ。しかし、F1史上最高のエンジニアが手掛けたシャシーも、期待されていたような傑作とは程遠い出来であることが痛いほど明らかになっている。
実際、ランス・ストロールでさえ「ダウンフォースがないし、パワーもない」と公然と認めており、「シャシーは素晴らしいがパワー不足が深刻」というチームの当初の公式見解と決別している。アロンソは、しばらくは小規模であってもアップグレードを投入する予定はなく、8月に大規模アップグレードを準備していると説明しているという。つまり2カ月以上先の話である。
■シーズン中盤で初めて“大規模アップグレード”
私はモータースポーツに40年以上携わり、最初はメカニックとして働き、そこからステップアップして、マシンの設計・製造に関わってきた。その経験から言えば、シーズンの半分が過ぎてから初めて重要なアップグレードを入れる場合、それはもはやアップグレードではなく、事実上完全に新しいマシンを設計・製作したということだ。
テクニカルディレクター時代、私が責任を負っていたマシンが完全な失敗作だったことが2度ある。認めるのは辛いが、そういう時、莫大な時間と資金を投じてコンマ5秒を削ろうとしても意味はない。資金がなければ、そのシーズンは諦め、翌年のマシン開発を前倒しで始めることになる。もし資金があるなら、実質的にゼロからマシンを設計・製造する。そして、チームの誇りと士気を保つために、そのマシンを“Bスペック”と呼ぶのだ。

ブダペストあるいはザントフォールトで登場するAMR26と現在のマシンの共通点は名前だけになると、私は確信している。そうであったとき、アストンマーティンがAMR26の設計において計算を誤っていたことが事実として認められることになる。
バルセロナでのテスト開始以来続いている、この悲惨なパフォーマンス不足の責任は、ホンダとアストンマーティンの双方が負わなければならない。アフリカの人々が言ったように、「真実は油のようなものだ。どれだけ水を注いでも、必ず浮かび上がってくる」のだ。
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筆者アンドリュー・ギャリソンについて
パドックでアンドリュー・ギャリソン(仮名)の姿を見逃すことはまずない。身長1メートル90センチ、体重120キロという巨躯を持つアイルランド出身のギャリソンは、モータースポーツ界で広く愛されるベテランであり、あらゆる仕事を経験し、あらゆる人物と仕事をしてきた。彼は、物事を分析するやり方に、きわめて独特なスタイルを持っている。ギャリソンにとって、物事は「正しい」か「間違っている」かのどちらかであり、その中間は存在しない。
彼はレーシングカーについてあらゆることを語ることができる。なぜなら、実際にそれに関連するすべてを経験してきたからだ。10代のころからレーシングメカニックとして働き始めたギャリソンは、20歳になる前に見習いメカニックとしてF1の世界に足を踏み入れた。しかし、そのわずか2カ月後には、下位カテゴリーのレースでチーフメカニックを任され、チームトラックのドライバーも兼ねながら、地元のスーパーマーケットでサンドイッチを買い出しする係まで担当するようになった。
やがて彼はチームのナンバーワン・メカニックに就任、実践的なアイデアが次々と採用されたことでデザインチームにも加わった。これが契機となり、やがて彼は、自身でシャシーを設計して出場する下位フォーミュラで活動するようになる。
約10年間、自らのチームを運営し、他チームのエンジニアリングを手伝い、トップデザイナーたちの失敗も間近で見てきた後、ギャリソンはテクニカルディレクターとしてF1へ復帰。引退の時を迎えるまで、その職を務め続けた。
声が大きく、歯に衣着せぬ物言いのギャリソンは、今もかつての部下たちに静かな畏怖の念を抱かせる存在だ。彼らの中には、いまやテクニカルディレクターやチーム代表になっている者もいるが、誰もが今もなお、ギャリソンに一目置いている。
本人は新しいテクノロジーには少々ついていけなくなったと率直に認めているが、基礎に関する知識は深いため、今は、技術面だけでなく人間関係の問題についても語れる解説者として、高く評価されている。
(Text : Andrew Garrisson)
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| 6/12(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
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| 6/13(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 6/14(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 156 |
| 2位 | ルイス・ハミルトン | 90 |
| 3位 | ジョージ・ラッセル | 88 |
| 4位 | シャルル・ルクレール | 75 |
| 5位 | オスカー・ピアストリ | 60 |
| 6位 | ランド・ノリス | 58 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 43 |
| 8位 | アイザック・ハジャー | 29 |
| 9位 | リアム・ローソン | 26 |
| 10位 | ピエール・ガスリー | 26 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 244 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 165 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 118 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 72 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 41 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 39 |
| 7位 | TGRハースF1チーム | 21 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 11 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 2 |
| 10位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 1 |


