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角田裕毅が期待するマシン改善点「グリップを高めセットアップの幅を増やすことが最優先」/第3戦直前取材会

2023年3月29日

 3月29日、F1第3戦オーストラリアGPを控えるなか、レッドブル・ジャパン主催のオンライン記者会見に角田裕毅(アルファタウリ)が登壇。開幕2戦を終えての手応えや、今後期待するマシンの改善点、そしてニック・デ・フリースとの関係や今後の戦いなどについて語った。


 すでにメルボルン入りし、日々のルーティーンであるトレーニングなどを行っている角田はまず、開幕2戦を振り返った。


「開幕戦のバーレーンGPで良かった点は、去年の最終戦までに築き上げたクルマへの理解度や信頼度、そして自分の中にあるクルマを操る自信をすぐに発揮でき、新車もすぐに慣れて限界で走ることができたことです。それを最初の目標にしてたので、まずは達成できてよかったです。フリープラクティス1から決勝までいい流れでミスもほとんどなく、自分の100パーセントのパフォーマンスを出しきれたので、その点は自分的には良かったなと思います」


「第2戦のサウジアラビアGPの決勝では、今のクルマのポテンシャルでポイント争いができたことはすごく大きかったなというふうに思います。シーズン序盤のレースなので、チームを活気づけるためにも、最後まで諦めない姿をチームにも見せることができて、自分も満足のいくレースだったと思います」


「ただ悪かった点は、少し決勝のスタートで出遅れてウイリアムズ勢に先行されてしまったという点です。ウイリアムズはミッドフィールドで戦うライバルチーム中で一番ストレートスピードが速いチームです。逆にアルファタウリは一番ストレートスピードが遅いくらいのチームなので、コーナーでギャップを詰めてもストレートで離されてしまうケースが多いです。それ予想して、できるだけスタートではウイリアムズ勢を前に出させたくないという作戦でしたが、スタートで出遅れてしまいました」


「もしスタートでの出遅れがなかったらポイント獲得できたかも知れないので、そこは自分が改善するポイントですし、スタートの精度を高めていきたいと思います。スタート以外には、悪かった点は特になかったですね。タイヤマネジメントもある程度良かったですし、本当にスタートですね。改善したいと思います」

2023年F1第3戦オールトラリアGPを控えオンライン記者会見に臨んだ角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第3戦オールトラリアGPを控えオンライン記者会見に臨んだ角田裕毅(アルファタウリ)


 角田自身の改善点に続き、話題はアルファタウリの2023年マシン『AT04』に期待する改善点へと移った。角田は自分が期待する改善点として「バランス自体はそこまで悪くないのですけど、ただ本当にグリップが足りないです」と語る。


「グリップが高くなればその分セットアップの幅も広がりますし、長いレースの中でタイヤの消耗も少し抑えられます。コーナーごとでタイヤが滑る量を少しでも抑えることができたらタイヤの消耗も、大きく変わってきます。まずはクルマ全体のダウンフォース、グリップを上げることが最優先ですね。一番は車体の下にあるフロアで、できるだけダウンフォースを稼いで、そうするとことによってドラッグをそこまで増やさずにダウンフォースを上げることができるので、そこはまず一番重要かなと思います」


「あとはドラッグを減らすことです。同じパワーユニット(PU)を使っているレッドブル・レーシングと比べても、10km/hくらいストレートスピードが違います。現状のアルファタウリは結構ドラッグが多い状況ですので、ドラッグを減らしつつダウンフォースを上げること。それが重要だと思います」

角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第2戦サウジアラビアGP 角田裕毅(アルファタウリ)


 改善するべき点が明確となるなか、早速第3戦オーストラリアGPにマシンへのアップデートが施されると角田は明かした。


「詳細なアップデート内容は言えないのですけど、オーストラリアGPでもアップデートはあります。昨シーズン、アルファタウリはシーズン中のアップデートが一番少なかったと思います。ライバルチームが3回目のアップデートを投入する中、アルファタウリは1回目か2回目というペースでのアップデートで、毎回その分遅れをとっていました」


「なので、2023年シーズンはは毎回、できるだけコンスタントにアップデートを。まずは少しでもいいから、いいステップを踏んでいきたいと思っているので、チームとしては今年、たくさんのアップデートを投入できるようには考えています」


「チーム全体で『まずはポイントを』と、同じ方向を向いています。シーズンをどういったポジションで終えなければならないと言うことも理解しているので、そういった意味では焦ることなく少しずつ、毎回アップデートを施して少しでも前進できるように、エンジニアはエンジニアとしてできるだけたくさんのデータの中でどこを改善すべきかという明確な方向性を見つけて、僕の仕事としてはできるだけ本当に毎セッション後に適切なフィードバックを伝えることが重要だと思います」

2023年F1第2戦サウジアラビアGP 角田裕毅(アルファタウリ)とケビン・マグヌッセン(ハース)
2023年F1第2戦サウジアラビアGP 角田裕毅(アルファタウリ)とケビン・マグヌッセン(ハース)


 また、2023年シーズンを迎えるにあたりフィジカル面の強化に取り組んだと角田は明かした。


「レースは長いですし、暑いところでのレースが多いので、決勝レース後半に疲れを感じると、もちろん集中力もなくなってきます。そういった点を痛感したレースが昨年あったので、まずはフィジカル面を強化したいという意図からシーズン開幕まで2週間ほどという時期にドバイで毎日トレーニングに専念する日々でした」


「トレーニングに取り組んだもうひとつの理由としては、昨年までダニエル・リカルド選手のトレーナーだった方が、今年から僕の新しいトレーナーになってくれたので、リレーションシップを深めるためにという目的もあり、2週間彼と過ごしました」


「今もトレーニングは嫌いなのですけど、レースで結果を出すためにフィジカルを鍛えることは一番目か二番目くらいに重要です。自分を良くするためにトレーニングは欠かさずにしていますし、たまに自分から『こういったトレーニングがしたい』とリクエストするときもあります。体のかたちからも成果が目に見えてわかるようになってきたので、少し楽しく思える部分もあるのですが、今でもトレーニングは嫌いです(笑)」

2023年F1第2戦サウジアラビアGP 角田裕毅とニック・デ・フリース(アルファタウリ)
2023年F1第2戦サウジアラビアGP 角田裕毅とニック・デ・フリース(アルファタウリ)


 そして、角田は今季からのチームメイトであるニック・デ・フリースとの関係性に言及。「ニックとは2年ほど前から友達で、一緒にマックス(・フェルスタッペン)の家に行ってマックスと3人で話をしたりする良い関係だったんです。なので、ニックとのリレーションシップという意味ではゼロから始まることはなく、ニックのアルファタウリ加入後もすぐに話もできています」というエピソードも語られた。


「ただ、ピエール(・ガスリー)と比べると、ニックは結構性格が違うなと思いましたね。ニックは物事がすごくはっきりしていて、すごく真面目です。そういった部分は自分としても学びなります。それにニックも他のチームのF1マシンに乗ったり、フォーミュラEでシリーズタイトルを獲得するなど、すごく経験があるので、チームとの接し方やクルマへのフィードバックの仕方などは勉強になりました」


「お互いリスペクトし合う関係ですし、お互いのいいところもわかってます。今はチームとして一丸となってクルマを良くしていくフェーズなので、フィードバックをシェアし、嘘偽りなく、本当にストレートに話しています。ストレートに話し合えるという意味では少しピエールに似ている部分もありますね。今はニックと僕、そしてチームとともに同じ目標を描いているので、良い関係性だといいます」

2023年F1バーレーンテスト1日目 ニック・デ・フリース&角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1バーレーンテスト1日目 ニック・デ・フリース&角田裕毅(アルファタウリ)


 3月31日からは第3戦オーストラリアGPを迎える。ヨーロッパと時差も大きいオーストラリアでの一戦ということもあり、角田はジェットラグを抑えるべく、26日にはオーストラリア入り。メルボルンの景色や食事、文化を楽しみながら現地の気候に体を馴染ませたという。


「オーストラリアも熱狂的なファンが多く、空港からファンの出待ちもすごかったですね。空港から抜け出すのも一苦労という感じでした(笑)。ニックとメルボルン市内を一緒に歩いていても、かなりの人数に声をかけられたので、メルボルンにはアツいファンが多いなと感じましたね」


「中速コーナーが多く、半公道でバンピーですが、アルバート・パーク・サーキットは僕も好きなコースです。レースとしてはDRSゾーンが3〜4つあり、特にストレートスピードが重要になると思います。その上で、予選と決勝でいいパフォーマンスを発揮できるクルマに仕上げたいと思います。今回こそはポイントを獲得したいので、今回も自分のパフォーマンスを100パーセント引き出す走りができればと思います」


 そして角田は取材会の最後に、今年も9月22〜24日に開催される日本GPへ向けての期待を語った。


「今年も鈴鹿サーキットでの日本GPが一番楽しみなレースです。日本のファンの皆さんの前で走るのが本当に楽しみです。あれほど多くの方々に鈴鹿まで足を運んでいただけるとは、あの感動的なシーンは本当に僕の想像のすべてを超えていたので、またあのなかで走れることは本当に楽しみです」


「去年は雨の中でずっと待ってくださったファンの方もいましたし、ドライコンディションの鈴鹿は本当にハイスピードで攻めがいのあるコースなので、今年は晴天の下でレースがしたいと思います。そして、それまでにチームと一緒にいいクルマを作り上げえて、今年こそポイント、そしてもちろん表彰台も目指して頑張ります。あとは日本食も食べに行くので(笑)。本当に日本のファンの皆さんと一緒に、ともに楽しんでレースがしたいですね」


 日本GPをファンとともに楽しむためにもいいクルマを作っていきたいと語った角田。いいクルマを作るという改善の取り組みはすでに始まっている。課題が明確となるなか、第3戦オーストラリアGPではどのようなアップデートが施され、どこまでアルファタウリのマシンを前進させることが叶うだろうか。角田、そしてアルファタウリの2023年の戦いはまだ始まったばかりだ。

2023年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ)

2023年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ)
2023年F1第1戦バーレーンGP 角田裕毅(アルファタウリ)



(autosport web)




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