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2025年末までのサポート内容は今後議論へ「何かが変わる可能性はある」/渡辺HRC社長&浅木四輪開発部部長インタビュー

2022年9月1日

 HRCの渡辺康治社長と浅木泰昭四輪レース開発部部長が、2022年F1第14戦ベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャン・サーキットを訪れた。今年両者がF1の現場を訪問したのは、第11戦オーストリアGP以来、2度目のことだ。渡辺社長は「特別な目的があって来たわけではない」というが、HRCがレッドブル・パワートレインズへの技術支援を2025年まで延長したことを受けて、どのようにサポートしていくかの詳細を詰める必要があると語った。


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──今回、ベルギーGPに来た目的は。


渡辺康治HRC社長(以下、渡辺社長):オーストリアGPでも申し上げたように、コロナ禍が落ち着いたので機会があれば何度か来ようと思っていただけで、特別な目的があって来たわけではありません。これまではテレビ会議でコミュニケーションを取っていましたが、できればサーキットでチームの方々と会って、HRC(ホンダ・レーシング)として何ができるのかを直接話をした方がいいと思っています。

渡辺HRC社長&四輪浅木泰昭開発部部長インタビュー
左から渡辺康治HRC社長、ヘルムート・マルコ(レッドブルのモータースポーツコンサルタント)、HRC浅木泰昭四輪レース開発部部長


──8月2日に、HRCはレッドブルとアルファタウリにパワーユニットを供給しているレッドブル・パワートレインズ(RBPT)への技術支援を、2025年末まで延長することを発表しました。それ以外に、レッドブルとどんな話し合いが必要なのでしょうか?


渡辺社長:先日の発表は、2025年末まで支援するという基本方針であって、トラックサイドで具体的にどのようにサポートをしていくか、それに合わせて日本側は何を準備するのかという詳細はまだ決まっていません。


 それ以外では、ホンダはHRCを通して技術的な部分でのサポートを行っていると同時に、ホンダとしてモータースポーツの最高峰であるF1を活用したマーケティング活動は今年も続いています。現在はテクニカルパートナーとして車体に「HRC」のロゴが描かれているだけでなく、チームへのスポンサーとしてチームシャツの襟の部分と、インタビュー時にドライバーの背面に置かれるバックボードに「HONDA」のロゴを出させてもらっているので、それを今後どのようにしていくのかということもレッドブル側と日々、話し合っています。

渡辺HRC社長&四輪浅木泰昭開発部部長インタビュー
レッドブルのチームシャツの襟の部分には『HONDA』のロゴが入っている


──ホンダが開発・製造したパワーユニットなのに「RBPT製」と表記したり、RBPT製のパワーユニットなのに、ホンダのメンバーが表彰台に上がったり、現在のパワーユニットを巡って、多くの人たちが混乱しています。2023年以降にホンダ、あるいはHRCという名前を復活させる予定はありませんか?


渡辺社長:具体的にはありません。もともと我々が2020年の10月に「2021年限りでF1参戦を終了する」と発表したとき、2022年以降にどうするかは決まっていなかった。最初は(パワーユニットの)図面を渡そうという話もあったくらいで、結局は2022年は渡さずに我々が開発・製造したパワーユニットをRBPTにお渡しして、RBPTを通してレッドブルとアルファタウリに供給することになった。その後、このやり方で2025年まで続けようということになって、先日の発表になりました。これでようやく2025年までというひとつの区切りが見えて来たので、その間にどのような形でF1に関わっていくのかというのは、これからの議論になると思います。何が変わるのかということはまだハッキリ言えませんが、何かを変える可能性はあります。


 ただ、ホンダという名前がコンストラクター名に出ることはないです。というのも、コンストラクター名に自社の名前を出すには、FIAに申請しなければならない。それは、ホンダが会社として再参戦しないとできない話だからです。スポンサーとしてチーム名の冠となったり、RBPTにスポンサーしてパワーユニットの命名権をもらうことはできるかもしれませんが、FIAの公式リザルトにホンダの名前が出ることはありません。


HRC浅木泰昭四輪レース開発部部長:最初は2022年からレッドブル・パワートレインズがパワーユニットを開発・製造する予定でした。そのために我々は図面などを譲る方向で調整していましたが、パワーユニットは図面をもらえばすぐにできるというものではなく、さすがに2022年は無理なので、我々が引き続き開発・製造することになりました。さらにその状況は2023年も同じままだったので、ならばHRCでサポートしようということになりました。


 またレッドブルとしては2026年以降に新しいパワーユニットマニュファクチャラーと手を組もうとしているなかで、ホンダのパワーユニットの中身を知ってしまうことでデメリットが生じる可能性も出てきたため、レッドブルのほうから「IP(知的財産権)はホンダのままでお願いします」という話になりました。だったら、中身はホンダのままなので、どうしたらいいのかということをいま話し合っています。


渡辺社長:我々としては2021年限りで完全にF1から去ろうとしていたわけですが、パートナーに迷惑だけはかけたくなかった。それは第3期での苦い経験からです。しかし、レッドブル側がパワーユニットがないという状況になっていたので、このような形になったわけです。ただ、我々は仕方なく続けているわけではなく、モータースポーツの技術の最先端で戦わせてもらっていることは我々にとってもメリットがあります。

渡辺HRC社長&四輪浅木泰昭開発部部長インタビュー
渡辺康治HRC社長&吉野誠メカニック



(インタビュー・文 尾張正博)




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