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【F1技術企画】2021年マシンのカウルの中を覗く(1):アルファタウリとメルセデス

2021年4月30日

 毎戦F1マシンを詳細に観察するF1i.comの技術担当ニコラス・カルペンティエルが、2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPに各チームが持ち込んできたマシンを接写、画像を使って普段はカウルに隠されたマシン内部の解説を行った(全2回)。第1回はアルファタウリ・ホンダとメルセデスだ。


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 まずはアルファタウリの2021年型マシンAT02のエンジンカウル内部を覗いてみよう。まず目につくのが、ラジエターの位置である。レッドブルRB16Bと同じように、縦長のラジエターを吸気ダクト上部に配置しているのがわかる。一方でインテークマニホールドはメルセデスが大きな円筒形なのに対し、ホンダ製は(これらの写真では視認できないほどに)ずっとコンパクトだ。


 2021年型パワーユニット(PU/エンジン)RA621Hにおいて、ホンダは燃焼室に大幅な改良を加え、圧縮比の向上に成功した。同時にバルブ角を狭くし、カムシャフトのレイアウトもコンパクトになった。エンジン全体が小型化すると同時に、重心も下がっている。さらに左右のバンクのズレも新型では逆になり、右バンクが前に出ている。コンプレッサーからインタークーラーへと繋がるパイプが、インタークーラーからエンジン吸気側へと繋がるパイプと去年までと左右逆になったのはその理由からだ。


アルファタウリAT02・ホンダ(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)
アルファタウリAT02・ホンダ(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)

 ではメルセデスW12のカウル内部は、どうなっているだろう。以前もレポートしたカウル上の巨大な隆起の理由である円筒形インテークマニホールドがよく見える(それにしてもデカい)。メルセデスが今回、重心が高くなることを承知の上で、ここまで大きな円筒形にしたのは、可変長マニホールドの働きを最適化したいということだろう。しかし具体的にどんな形状に変更したのか、マニホールドカバーの下をぜひ覗いてみたいところである。


 もうひとつメルセデスのカウル内部で明らかになったのが、パワーユニット周辺の構造である。エンジン下部を見ると、クラッチハウジングがクランクケースにボルト留めされているのがわかる。超高回転で回るレーシングエンジンの場合、クラッチはギヤボックス側に固定されることが多い。しかしF1のパワーユニットは最高回転数が15000回転と比較的低いため、エンジン側への固定が可能になったようだ。自然吸気エンジンに比べてトルクが大幅に増加した点を考えると、これがベストの解決法と思われる。


メルセデスF1 W12(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)
メルセデスF1 W12(2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP)

 次にエキゾースト周りを見てみよう。3本のエキゾーストパイプは断熱効果のある黒い複合素材のカバーで覆われている。その先でタービンに繋がっているわけだが、他メーカーのPUに比べてカバーが大きく出っ張っているのは、3本のパイプをタービン直前まで伸ばす工夫をしているからだろう。


 その上部にはERSとトランスミッションの冷却に必要なラジエターが配置されている。
(その2に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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