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【F1第7戦決勝の要点】首位に復帰できるはずだったピアストリ。勝ちを譲ったマクラーレンの選択ミス
2025年5月19日
2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの最大の敗者はマクラーレン、そしてオスカー・ピアストリだった。
イモラでの週末も、マクラーレンの強さは圧倒的と思われた。2台は初日のフリー走行から、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)以下を寄せ付けない速さを見せた。FP1、2はともにピアストリ、二日目のFP3はランド・ノリス、そして予選は、ノリスこそ4番手に後退したものの、ピアストリが今季3度目のポールポジションを獲得した。ちなみに過去2回はいずれも、そのまま勝利を果たしている。
0.034秒の僅差で、フロントロウにはフェルスタッペンがつけた。しかしレース前のフェルスタッペンは「去年より一段階柔らかいタイヤで、ずっとオーバーヒートに苦労したんだ。レースペースも明らかにマクラーレンが上だよね……」と、厳しい戦いを覚悟した口ぶりだった。
しかも決勝当日は路面温度が45度近くまで上がったことで、タイヤに優しいマクラーレンはさらに有利な状況でレースを戦えたはずだった。しかし結果は、フェルスタッペンにイモラでの4年連続勝利を許してしまった。それはなぜか。
レース直後のインタビューでピアストリは「ブレーキングが早すぎた」と、後悔を口にした。それはスタート直後のターン2(タンブレロ)でのことだ。ポールポジションからスタートしたピアストリは、ターン2でアウトから刺しに行ったフェルスタッペンに対し、比較的あっさりと抜かせたように見えた。
タンブレロのコース外はグラベルで、抜かせまいと無理をすればピアストリも致命傷を負いかねない。何より自分たちには、ロングランペースで勝るという武器がある。あとで逆転できる機会はいくらでもある、とでも思ったのだろうか。
しかし、フリーエアを得たフェルスタッペンは予想以上のハイペースで、ピアストリとの差をジリジリと広げて行った。それでもまだこの時点では、2位表彰台の可能性は十分にあった。それについてピアストリ自身は「その後もいくつか、間違った選択をしてしまった」と話した。
その最大の“間違った選択”が、序盤13周目のピットインだろう。ペースは十分に安定していたが、チームはあえてピアストリに対し早めのタイヤ交換を指示した。コース上ではフェルスタッペンを抜けそうにないことから、アンダーカットを目論んだと思われる。しかし11番手まで後退したピアストリは、首位フェルスタッペンとの差が31秒まで広がった。
イモラではギャップを28秒以内まで縮めれば、首位を奪い返せる。しかし先行車(ステイする中団勢)を抜き続けることで、ピアストリは本来のペースが出せなかった。20周目には、両者の差は33秒まで広がってしまう。さらにピアストリにとって不運だったのは、29周目のエステバン・オコン(ハース)のリタイアで出たバーチャル・セーフティカー(VSC)だった。
首位フェルスタッペン、2番手ノリスはまだ最初のミディアムタイヤで走り続けており、1ストップ作戦が可能な状況だった。そしてノリスはVSCの直前、フェルスタッペンはVSC宣言直後にピットに向かった。
この時点でピアストリは4番手まで順位を戻しており、上位3台が続けてピットインしたことで、首位に復帰できるはずだった。しかしチームはここで、ピアストリに2回目のピットインを指示した。ロスタイムを抑えられるVSC中のタイヤ交換にこだわったのだろう。しかし13周目に履き替えたハードタイヤはまだ17周しか走っておらず、結果的にこれがふたつ目の“間違った選択”となった。
こうしてピアストリはノリスにも先行され、3位に終わった。ドライバーズ選手権での首位は変わらないものの、ランキング2位ノリスとの差は16から13ポイントに、ランキング3位フェルスタッペンとの差は32から22ポイントまで一気に縮まった。まだシーズンの3分の1も過ぎていないとはいえ、上位3人のタイトル争いは今後ますます白熱することだろう。



(Text:Kunio Shibata)
6/14(土) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
6/15(日) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
6/16(月) | 決勝 | 結果 / レポート |


1位 | オスカー・ピアストリ | 186 |
2位 | ランド・ノリス | 176 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 137 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
5位 | シャルル・ルクレール | 94 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 71 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | アイザック・ハジャー | 21 |
10位 | エステバン・オコン | 20 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 362 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 165 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 159 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 144 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 54 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 26 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 16 |
9位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 16 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

