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1年ぶりにF1パドックに登場したクリスチャン・ホーナー。各11チームの事情から見える、契約先有力候補とは

2026年7月13日

 レッドブル・レーシングの元チーム代表クリスチャン・ホーナーが、F1イギリスGP決勝日にシルバーストンを訪れた。レッドブルのモータースポーツ部門におけるすべての役職を解任されてからちょうど1年後に、初めてF1パドックに姿を現したのだ。

 表向きには、10月26日に発売予定の自身初の著書『Drive』のプロモーションが目的だったとされている。しかし、誰もが本当に知りたかったのは、ホーナーがF1に復帰する可能性はどれだけあるのか、復帰するとすればどのチームに加わるのかという点だった。


 複数の関係者によると、ホーナーはこの12カ月間で7チームに接触し、F1復帰への道を探ってきたものの、現時点では成果を得られていないという。また、複数の自動車メーカーとも協議を行い、既存チームの買収、あるいはキャデラックにならって新たなF1チームを立ち上げるよう働きかけたとみられている。

クリスチャン・ホーナー
2026年F1第9戦イギリスGP クリスチャン・ホーナー

■4チームは契約の可能性なし

 既存11チームのなかで、ホーナーを受け入れる可能性がまったくないチームが4つ存在し、そのチームには彼自身、接触すらしていない。レッドブルとレーシングブルズは、その親会社から解任されたばかりである以上、当然ながら対象外だ。また、メルセデスとマクラーレンも現実的な候補ではない。


 メルセデス代表のトト・ウォルフ、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、ホーナーとの間に根深い個人的確執が存在する。そのため、探りを入れるためのミーティングですら意味をなさない。ウォルフもブラウンも、ホーナーを起用することなど考えもしないはずだからだ。

トト・ウォルフ(メルセデスF1チーム代表)とクリスチャン・ホーナー(当時レッドブルF1チーム代表)
2025年F1中国GP トト・ウォルフ(メルセデスF1チーム代表)とクリスチャン・ホーナー(当時レッドブルF1チーム代表)

 フェラーリに関しては、フレデリック・バスールが新たな4年契約の1年目に入ったばかりであり、スクーデリアの現在の好調ぶりから、その地位はこれまでになく盤石である。

■条件が一致しないアストンマーティン

 ホーナーがアストンマーティン入りするとの噂は依然から盛んに飛び交っているが、オーナーであるローレンス・ストロールには彼を迎え入れる意思はないようだ。ストロールはチームを強く掌握し、重要な決定はすべて自ら下している。その体制は、将来自身が率いるチームでは全面的な権限を握りたいと考えるホーナーの願望とは相容れない。


 レッドブル時代、ホーナーは、ヘルムート・マルコと主導権争いをしつつ、オーナーのディートリッヒ・マテシッツの信頼を得るために奮闘しなければならなかった。彼は、もっと自由な裁量があればさらに大きな成果を挙げられたと考えており、ストロールの下で働くことは彼には向かないだろう。


 一方で、アストンマーティンのポジションは、ジョナサン・ウィートリーには適している。ウィートリーは現在はアウディとの契約上の義務が終了するのを待っており、その後アストンマーティンへ加わる見通しだ。

アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールと当時のレッドブル代表クリスチャン・ホーナー
2024年F1マイアミGP アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールと当時のレッドブル代表クリスチャン・ホーナー

 ホーナーはハース本社でチームCOOのジョー・カスターと会談も行ったが、結果には結び付かなかった。その理由は二つある。第一に、オーナーのジーン・ハースは小松礼雄代表の仕事ぶりに非常に満足している。第二に、トヨタとの提携は小松氏の人脈によって実現しているものであり、ジーン・ハースはそのつながりを失いたくないと考えているのだ。


 キャデラックもホーナーにとっては、事実上可能性のない選択肢だ。レッドブル離脱のきっかけとなった元女性従業員がキャデラックで重要な役職に就いているうえ、CEOのダン・タウリスはグレアム・ロードン代表の仕事ぶりを高く評価しているからである。


 アウディへの移籍も、ホーナーが望むような裁量を得られない可能性が高い。加えて、現在はマッティア・ビノットとアラン・マクニッシュがプロジェクトを非常に順調に運営している。

■最も現実性が高いのはウイリアムズか

 そう考えると、ホーナーに残された現実的な選択肢は、アルピーヌとウイリアムズの2チームだけとなる。


 アルピーヌのフラビオ・ブリアトーレとの関係は非常に良好だ。しかしホーナーはチームを自らの思うままに運営したいと考えている。一方で、ブリアトーレには最高権限を手放す意思はない。ホーナーは、売却対象となっている24パーセントの株式取得を試みてはいるが、これまでのところ成功していない。仮に取得できたとしても、それだけでチームを支配できる立場にはならないだろう。


 最後に残るのがウイリアムズである。現在、ジェームズ・ボウルズ代表の立場に疑問の声が上がり始めている。2024年と今季の2回にわたり、チームの進歩はパフォーマンスと信頼性の両面で深刻な問題に見舞われた。元メルセデスのボウルズは、まだ基盤が十分整っていない段階でチームを急速に前進させようとしてきたとも言える。


 現時点でオーナーであるドリルトン・キャピタルが動きを見せているという情報はない。しかし、現在最も立場が危ういF1チーム代表は誰かと問われれば、それはボウルズであることは明らかだ。そのため、彼の後任の座を狙うことが、ホーナーにとってF1復帰への最も現実的な道となるかもしれない。

ウイリアムズ代表ジェームズ・ボウルズと当時のレッドブル代表クリスチャン・ホーナー
2024年F1サウジアラビアGP ウイリアムズ代表ジェームズ・ボウルズと当時のレッドブル代表クリスチャン・ホーナー


(GrandPrix.com)


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