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「1ポイントでも獲りたい」トラブルを抱えるも、入賞優先で走り続けたアントネッリ【F1第9戦無線レビュー(2)】

2026年7月10日

 2026年F1第9戦イギリスGP。スタートで首位に立ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ピットストップのタイミングで一度はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にその座を明け渡したものの、アントネッリのタイヤ交換のタイミングで再び首位に立った。一方アントネッリは、フレッシュなタイヤを活かしてルクレールを追っていたがトラブルに見舞われた。イギリスGP後半を無線とともに振り返る。

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 F1第9戦イギリスGPのレース中盤26周目、ステイアウトし続けるアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が首位に立った。しかし新品タイヤを履いたシャルル・ルクレール(フェラーリ)に、差を縮められつつあった。


26周目
アントネッリ:アンダーカットさせないでよね!
ピーター・ボニントン:大丈夫だ。ちゃんと見ているから。


 早めの17周目にハードタイヤに換えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、不満を訴えた。


28周目
フェルスタッペン:全然グリップがないよ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1第9戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

30周目
アントネッリ:ルクレールに1秒ずつ失っている!
ボニントン:問題ない。


 一方6番手のルイス・ハミルトン(フェラーリ)は何度もジョージ・ラッセル(メルセデス)に仕掛け、オーバーテイクもするが、その都度抜き返されていた。


カルロ・サンティ(→ハミルトン):よくやっている。落ち着いていこう。絶対行けるから。


 4番手に上がっていたラッセルが、トラブルに見舞われた。


33周目
マーカス・ダドリー:右リヤがスローパンクチャーだ。
ラッセル:え、僕?
ダドリー:そうだ。


ラッセル:内圧の指示を出して。
ダドリー:この周にピットインだ。


 それでもラッセルはフェルスタッペンと激しく争いながら、34周目にピットイン。7番手でコース復帰した。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第9戦イギリスGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 アントネッリはルクレールより10周遅い35周目に、ピットに向かった。


ボニントン(→アントネッリ):10周のタイヤライフ差がある。いい感じだ。


 その後アントネッリは、みるみるルクレールとの差を詰めていった。


 37周目、ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)に深刻なトラブルが発生した。


スティーブン・ぺトリック(→ヒュルケンベルグ):クルマを止めろ。問題が出た。油圧系のトラブルだ。すぐにストップだ。

 これでVSC(バーチャル・セーフティカー)が導入され、フェルスタッペンがピットイン。


ルクレール:僕らのプランは?
ブライアン・ボッツィ:ステイアウトだ。
ルクレール:まあ、いい位置にはいないよね。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2026年F1第9戦イギリスGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

39周目
フェルスタッペン:このままプッシュするということだよね?
ジャンピエロ・ランビアーゼ:その通りだ。


 そして40周目、首位ルクレールに迫っていたアントネッリもトラブルに見舞われた。


40周目
アントネッリ:クルマが壊れたと思う。
ボニントン:それ以上の情報は?
アントネッリ:わからない。左のフロントウィングだと思う。とにかくコントロール不能だ!


アントネッリ:サスペンションが壊れている。


 車載カメラのスロー映像を見ると、コプスコーナーで縁石に乗り上げた瞬間に、左フロントホイール周辺の空力パーツが壊れたように見える。

アントネッリ:このまま走り続けるよ。
ボニントン:左のホイールシールドだと思う。


 アントネッリは41周目に緊急ピットイン。6番手でコース復帰した。しかしペースは伸びない。


アントネッリ:クルマが曲がらない。
ボニントン:ちょっと待っていて。


アントネッリ:やっぱり何か根本的な問題だ。高速コーナーで曲がらない。
ボニントン:じゃあボックスしろ。そのままリタイアだ。
アントネッリ:でもポイントを獲りたい。1ポイントでも獲りたい。
ボニントン:ホイールシールドを替えて、もう一度出ていこう。


 43周目にアントネッリは再びピットイン。シールド交換などを施し、10番手でコースへ。


44周目
アントネッリ:何か問題だ。フロントにグリップがなくて、クルマが宙に浮いてるみたいだ。
ボニントン:もう一度ボックスだ。
アントネッリ:ちょっと待って。今、何番手なの?
ボニントン:10番手だ。後ろにコラピントがいる。


アントネッリ:ステイアウトしたい。
ボニントン:トラックリミットで、ペナルティを受ける恐れがある。


 危惧した通り、アントネッリは5秒ペナルティを受けてしまう。


アントネッリ:行けるところまで行くよ。
ボニントン:5秒ペナルディだ。
アントネッリ:悪い冗談だよ。わざとじゃないのに。クルマが壊れていたんだから。
ボニントン:わかっている。

 47周目。表彰台圏内3番手を走っていたフェルスタッペンが、ハンガーストレートのブレーキングでスピン。グラベルにハマり、セーフティカーが出た。

フェルスタッペン:スタックした。このクルマ、信じられない。


ボッツィ:ダブルイエローが出た。ボックスだ。
ルクレール:ボックス、了解。


サンティ(→ハミルトン):ターン15でダブルイエロー。マーシャルがいる。ピットインしてソフトに交換だ。


ラッセル:ステイアウトでいいんだね?
ダドリー:その通りだ。ステイアウト。


 フェラーリ2台が次々にピットインしたのに対し、ラッセル陣営はステイアウトを選択した。その結果ラッセルはハミルトンに先行。2番手に浮上した。

2026年F1第9戦イギリスGP
2026年F1第9戦イギリスGP セーフティカーの導入により、隊列はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)というトップ3に

 セーフティカーはいつ終了するのか。各チームは混乱状態だった。


51周目
ウィル・ジョゼフ(→ランド・ノリス):セーフティカーは、この周限りだ。


ボッツィ(→ルクレール):セーフティカーは、(ピットに)入らない。


エルネスト・デジデリオ:前言訂正だ。セーフティカーはステイアウトする。
ローソン:本当か? 了解。


トト・ウォルフ:ジョージ、このまま行けばP2だ。クレイジーだね。
ラッセル:本当だね。


 結局、セーフティカー先導のまま、レースは終了。ルクレールが勝利を手にした。


ボッツィ:厳しい時間は、必ず終わる。おめでとう!
ルクレール:やったぞ! この勝利は、いつにも増して特別だ。できれば通常の終わり方がよかったけどね。ハードワークが報われた。努力は必ず結果につながるね。


 ルクレールにとっては、2024年10月のアメリカGP以来の優勝。今季はハミルトンの躍進に押され気味だっただけに、まさに待ちに待った勝利だった。



(Text : Kunio Shibata)


レース

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ドライバーズランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位アンドレア・キミ・アントネッリ219
2位ルイス・ハミルトン169
3位ジョージ・ラッセル160
4位シャルル・ルクレール138
5位ランド・ノリス128
6位マックス・フェルスタッペン109
7位オスカー・ピアストリ92
8位アイザック・ハジャー68
9位リアム・ローソン43
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※ハンガリーGP終了時点
1位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム379
2位スクーデリア・フェラーリHP307
3位マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム220
4位オラクル・レッドブル・レーシング177
5位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム66
6位BWTアルピーヌF1チーム61
7位TGRハースF1チーム21
8位アウディ・レボリュートF1チーム12
9位アトラシアン・ウイリアムズF1チーム11
10位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム1

レースカレンダー

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