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F1モナコGPペナルティ問題:ガスリー3位復帰で新たな混乱。マクラーレンが控訴も、公平な結末は望めず

2026年6月20日

 F1モナコGPでピエール・ガスリーに科された2件の5秒ペナルティを取り消すFIAの決定について、マクラーレンがFIA国際控訴裁判所において異議申し立ての手続きを開始した。レッドブルも同じ行動を取るものとみられているが、最終判断が下されるまでには長い時間がかかるものとみられる。そしてその裁定は、ランキング、特にアルピーヌとレーシングブルズのコンストラクターズ5位争いに大きく影響する。

 今年、11チーム目のキャデラックを受け入れるためにガレージがふたつ追加され、モナコのピットレーンの長さが変更されたが、それを測定する際にFOMは誤りを犯した。アルピーヌが求めた再審査において、FOM自身がそのミスを認めている。

■ガスリー3位復帰は公平性をもたらしてはいない

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2026年F1第6戦モナコGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 他のチームと異なり、アルピーヌはチェッカーを受けた時点でペナルティを消化していなかったため、ガスリーはコース上で3位でフィニッシュした後、レースタイムに10秒が加算され、最終結果で4つ順位を落としていた。しかし再審査でペナルティが取り消されたことで、ガスリーは3位に復帰することに成功。一方で、レース中にピットストップでペナルティを消化したドライバーたちは、その損失を取り戻してはいない。


 さらに、ガスリーのペナルティ取り消しにより、アイザック・ハジャー(レッドブル)は表彰台を失い、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、レーシングブルズのリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドがそれぞれ順位を1つ落とした。

■FIAが選べる道は2つだけ

 誤って与えられたペナルティがもたらした混乱は、どのように収拾することができるだろうか。


 問題を完全に終結させる唯一の決定は、アルピーヌの主張を認めた裁定を取り消し、ガスリーにモナコで受けた2件のペナルティを再び適用することである。もちろん、FOM自身がピットレーンでの速度計算ミスを認めており、ガスリーは実際には速度違反を犯していない。しかし、モナコGP直後のリザルトを承認すれば、実際には犯していなかった同じ違反によって処分を受けたジョージ・ラッセル、ルイス・ハミルトン、ピアストリと、ガスリーは平等の扱いになる。


 逆に、すべてのペナルティを取り消すという選択肢は悪夢に近い。ハミルトン、ピアストリ、ラッセルがピットで消化した5秒ペナルティについては、単純に5秒を差し引けば済む話ではないからだ。ドライバーはペナルティを消化する際、実際には5秒以上のタイムを失うのが普通である。


 実際、ピアストリはペナルティを消化するためにピットストップを1回多く行っている。その影響をどのように計算するのかという問題が生じる。またラッセルの場合、速度違反のペナルティをチームが適切に消化しなかったことでドライブスルーペナルティを受けた。こうなると失った時間を正確に算出することはほぼ不可能だ。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1第6戦モナコGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 さらに、ペナルティを受けたドライバーだけでなく、その周囲のドライバーたちも、その処分を前提として戦略を変更していた。例えば、ローソンや、とりわけリンドブラッドは、赤旗後にガスリーとの差を10秒以内に保つようペースを調整していた。ガスリーに10秒加算されることを前提に、最終順位で彼を上回るためだ。ハジャーは、ペナルティを考慮してリスタートでガスリーと積極的に争うことはなかった。


 このように、すべてのペナルティを公平な形で取り消すことは事実上不可能である。つまり、FIAに残された現実的な選択肢は2つしかない。モナコで下された当初の裁定を支持するか、あるいはアルピーヌが請求した再審査により認められた裁定を維持するかだ。


 しかし、どちらであっても、正当な不満を抱く当事者が必ず存在する。FOMの計時システムにおける手続き上のミスから生じた問題が、全関係者が満足する形で終結することはあり得ないだろう。




(GrandPrix.com)


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