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F1解説:アゼルバイジャンでのペレスの勝因を探る(1)フェルスタッペンを凌ぐレース運びのうまさ

2023年5月5日

 2023年F1第4戦アゼルバイジャンGPで、レッドブルのセルジオ・ペレスが、チームメイトのマックス・フェルスタッペンを破って優勝を飾った。ペレスが2度のチャンピオンに勝った理由を、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが分析する。


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 セルジオ・ペレスは、アゼルバイジャンGPで2勝した最初のF1ドライバーである。これはおそらく偶然でも、幸運によるものでもない。


 ペレスが大きな幸運に恵まれたように見られるのは、セーフティカーが導入され、マックス・フェルスタッペンなど多くのドライバーがまだコース上をスロー走行する中、最高のタイミングでピットストップを行えたからである。ペレスの他にはシャルル・ルクレールもこの運に恵まれ、おかげでライバルたちより約9秒少ないタイムロスで済んだのだった。


 この点だけでいえば、運はペレスに味方した。しかしそれ以降、フェルスタッペンの脅威を抑え、1秒以上の間隔を維持してDRSを使わせなかったのは、ペレス自身の実力に他ならない。フェルスタッペンはなんとかその差を詰めようと、40周にわたって限界のドライビングで勝負に出た。残り12周でウォールに接触したほどだ。それでもフェルスタッペンは、逆転勝利を挙げることができなかった。

2023年F1第4戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 ペレスの勝因で、まず最初に挙げられるのは、彼がバクーを大の得意としていることだ。フォース・インディア時代の2016年にはレッドブルやフェラーリを抑えて、予選2番手タイムを記録した。今年も金曜日の予選ではフェルスタッペンからわずかコンマ1秒遅れ、土曜日のスプリント・シュートアウトではフェルスタッペンより速いタイムを叩き出し、スプリントでの自身初優勝を果たした。


 ペレスは車体アップデートの恩恵も受けた。最初の3戦を制したRB19には、フロアにさらなる変更が施され、サイドポンツーンの開口部を広くするためにバージボードのデザインも変更された(下写真参照)。その結果、これまでフェルスタッペンに敵わないことが多かったペレスの最高速が、ほぼ互角のレベルになった。

レッドブルRB19 フロア比較
レッドブルRB19 フロア比較


 フェルスタッペンを凌ぐレース運びの巧みさが、第2の勝因だ。「第1スティントがすごく重要だった。DRSを積極的に使うことで、マックスにタイヤを必要以上に使わせることができた」と、ペレスはレース後に語っている。


 どういうことかというと、ペレスはスタートタイヤのミディアムを温存するために、タイトなコーナーであえて無理せず、そこでのコンマ3秒の遅れを、終盤のストレートでのDRSで取り戻す作戦を取ったのだ。


 3つ目の勝因は、フェルスタッペンが満タン状態の第1スティントで、リヤタイヤを守ることを意識し過ぎて、必要以上にペースを落としたことだった。


「いくつかのコーナーで、明らかにスピードが足りなかった」とフェルスタッペンは言う。「タイヤをもう少しアグレッシブに使うべきだった。慎重になりすぎたんだ」


 リードしていた序盤2周の間、フェルスタッペンは想定タイムよりコンマ7秒ほど遅かった。もしもっと速く走っていれば、チームメイトとの差は1.2秒ではなく2.6秒まで広がっていたことだろう。ペレスのタイヤマネージメントの巧さを、フェルスタッペンが警戒し過ぎたことは明らかだった。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




レース

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スプリント予選 結果 / レポート
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予選 16:00〜
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ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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