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【F1第8戦無線レビュー】「ここからはDRSが使えない」入賞圏内を走行中の角田にトラブル発生、緊急ピットイン

2022年6月17日

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPでは、圧倒的な速さでポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールが首位を走行中にトラブルに見舞われた。その前には僚友カルロス・サインツがリタイアを喫しており、フェラーリ勢はまさかの全滅。さらにフェラーリのパワーユニットを使用するアルファロメオとハースのマシンにもトラブルが起きた。その一方でレッドブルはマックス・フェルスタッペンが優勝、セルジオ・ペレスが2位と今季3度目の1-2フィニッシュを達成した。アゼルバイジャンGPのレースを無線とともに振り返る。


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 決勝当日は目まぐるしく風向きが変わり、コース上を強風が吹き荒れた。グリッドに向かうドライバーたちが、コース上の状況を報告する。


ジョージ・ラッセル:コース上はかなり汚れている。葉っぱだらけだ


 フロントロウのセルジオ・ペレス(レッドブル)に対し、担当エンジニアのヒュー・バードが檄を飛ばした。


バード:ターン1に向けて、全力で行こう


 ペレスはそれにきっちり答え、ターン1のブレーキングでシャルル・ルクレール(フェラーリ)から首位を奪った。

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP スタートシーン
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP スタートシーン


 4番手カルロス・サインツ(フェラーリ)は、ペレス、ルクレール、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の上位3台になかなか追いつけない。


(9周目)サインツ:レッドブルが速い


 この無線の直後、サインツはターン4で自らマシンを止めた。


サインツ:ブレーキ・バイ・ワイヤのトラブルだ。何かが壊れた


 しかし実際には、油圧系トラブルだった。


 このタイミングでルクレールはピットイン。ステイアウトを選択したレッドブル2台が、1−2体制を構築する。15周目には首位ペレスとフェルスタッペンの順位が、ターン1で入れ替わった。


(15周目)バード(→ペレス):ノーファイトだ

マックス・フェルスタッペン&セルジオ・ペレス(レッドブル)
決勝レースの15周目にフェルスタッペンがターン1でペレスをオーバーテイク


ルクレール:ペレスはトラクションに苦しんでいる


 フレッシュタイヤを履いたルクレールは、1周1秒速いペースでレッドブル2台を追い上げた。しかし20周目、ルクレールにもトラブルが発生し、フェラーリは全滅した。


(20周目)ルクレール:問題発生、問題発生。エンジンだ。ああ〜おしまいだ
マルコス・パドロス:すぐに対処する
ルクレール:いや、もうおしまいだよ

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)にパワーユニットトラブル
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)にパワーユニットトラブル


22周目、角田裕毅(アルファタウリ)がオコンを抜き去り、7番手に順位を上げた。


角田:レッツゴー! いい動きだったよね
マッティア・スピニ:いいぞ、ユウキ、行くぞ


 24周目、周冠宇(アルファロメオ)はポイント圏内10番手を走行していた。


ヨハン・ベッカー(→周):技術トラブルが出ている。残念だがボックスだ
周:冗談だろ? ええ、またかい! XXXX! こんなふうにチャンスの時に、いつも問題が出る。やってられないよ


 28周目、5番手走行中のハミルトンは、背中の激痛に耐えかねていた。


ハミルトン:背中が痛くて、死にそうだ!


 そして38周目、スピニが角田にトラブル発生を告げる。


スピニ:クルマを止めないといけない
角田:XXXX!


 DRSの不具合でリヤウィングのフラップが破損したが、角田は詳しい説明を受けなかったようだ。


角田:何だったの!?
スピニ:信頼性の問題だ。ここからはDRSは使えない。DRSなしだ


 このトラブルを受け、フェルスタッペンにもこんな指示が飛んだ。


ジャンピエロ・ランビアーゼ:ここからはDRSを使うな


 レース終盤、フェルスタッペンは独走態勢に入った。昨年のタイヤバーストが念頭にあるのか、担当エンジニアのランビアーゼはさかんにペースダウンを指示する。


ランビアーゼ:ターゲットタイムは47秒5だ
フェルスタッペン:ええ? タイヤ冷やしたくないんだけど
ランビアーゼ:じゃあ47秒0だ
フェルスタッペン:どっちなの? 決めてよ


 その後もフェルスタッペンは、1分47秒台を切るペースで走り続けた。


 後方では、7番手を走るフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)をダニエル・リカルド(マクラーレン)が抜きあぐねていた。背後にはランド・ノリス(マクラーレン)が、じりじりと順位交替を待っていた。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ランド・ノリス(マクラーレン)


(49周目)ウィル・ジョゼフ→ノリス:状況を説明する。もしダニエルに接近できたら、そしてダニエルがアロンソに近づけないようなら、そのまま(リカルドを)抜いていい。でもそのあとアロンソを抜けなかったら、チェッカー前に順位を戻すんだ。それでハッピーかい?


ノリス:うん、ハッピーだよ。でも彼にもっとプッシュするよう言ってくれ


 結局リカルドとノリスの順位交換はなかった。


(50周目)ジョゼフ(→ノリス):OK、ランド。あと1周だ。ポジションをキープするんだ。チームにとっていいリザルトだからね


 フェルスタッペンは昨年の雪辱を果たし、アゼルバイジャンGP初優勝。ペレスが2位、そして3位にはラッセルが入った。


ランビアーゼ:マックス、素晴らしいドライブだった。優勝だ。ナイスジョブ!
フェルスタッペン:ハハハ。いいレースだったよね、いいレースだったろ?
ホーナー代表:すごく成熟したドライブだったぞ。ここぞという時に、すごいペースで走ってた。最高のレースだった


リカルド・ムスコーニ:また表彰台だ。きみの安定した走りには脱帽だよ
ラッセル:素晴らしい結果だ。表彰台は無理だと思ってたけど、最終的に獲得できた。このままプッシュし続けよう


 一方でハミルトンは背中の激痛で、コクピットからすぐには降りられないほど。それでも5位入賞の意地を見せた。トト・ウォルフ代表が賞賛と謝罪を表明した。


ウォルフ:ルイス、我々はみんな、運転するにはあまりにXXなクルマだとわかってる。背中のことは、本当に申し訳ない。早急になんとかする。とにかく素晴らしいドライブだった
ハミルトン:みんな、よくやってくれた。素晴らしい戦略だった。とにかく今後は……いろいろ変えていかないとね

2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2022年F1第8戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




レース

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ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

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