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レッドブル&HRC密着:終盤はDRSを巡ってルクレールと頭脳戦。追う立場のフェルスタッペンは運も味方に今季初勝利

2022年3月28日

 F1第2戦サウジアラビアGPレース前のスターティンググリッドに、珍しくマックス・フェルスタッペンの父親のヨス・フェルスタッペンの姿があった。ヨスの姿は、昨年何度かピットウォールから金網越しにフェルスタッペンのグリッドを見守っているところを目にしたことがある。

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サウジアラビアGPのグリッドに現れたヨス・フェルスタッペン


 じつは、この日はヨスのF1デビュー戦(1994年3月27日の開幕ブラジルGP)。ヨスにとっては28年目の節目のレースだった。


 そのことは、もちろん、息子のマックスも知っている。スターティンググリッドにマシンを止めてコクピットを降りると、グリッド脇で長い時間、レースエンジニアの“GP”ことジャンピエロ・ランビアーゼと確認作業を行っていた。

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グリッドについたフェルスタッペンは、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと話し込んでいた


 しかし、今週末のフェルスタッペンは、決して順調ではなかった。前日の予選では4番手。フェルスタッペンが予選でトップ3を逃したのは、昨年の第15戦ロシアGP以来だが、このときはパワーユニット交換によるグリッドペナルティで最後尾スタートが確定していたためで、実力でトップ3に入ることができなかったのは、2020年のイタリアGP(5番手)以来のことだった。


 不利な状況を打開したのはスタートだった。4番手からスタートしたフェルスタッペンは1コーナーでカルロス・サインツ(フェラーリ)をかわして3番手へ。その後、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュした直後に出されたバーチャルセーフティカー(VSC)時にピットインしたことで、VSC前にピットストップし先頭を走行していたセルジオ・ペレスの前に出て、2番手となった。

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4番手スタートのフェルスタッペンは、サインツをパスして3番手に浮上した


 代わってトップに立ったのは、フェルスタッペン同様、セーフティカー導入で順位を上げたシャルル・ルクレール(フェラーリ)だった。そして、ここからフェルスタッペンとルクレールの優勝を賭けた激闘が繰り広げられた。ただし、その激闘は、通常のコース上でのバトルでなく、DRSを巡る頭脳戦だった。


 サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ・コーニッシュ・サーキットでのDRSを巡る頭脳戦は、昨年もフェルスタッペンとタイトル争いを繰り広げていたルイス・ハミルトン(メルセデス)との間で見られた。バックストレートで背後に迫られたら、無理にブロックすることなく前に出して、次のホームストレートでのDRS区間で抜き返すという方法だ。


 しかし、その頭脳戦は昨年、バックストレートエンドで減速したフェルスタッペンにハミルトンが追突するというアクシデントを生んだ。


 今年は先頭がルクレールでフェルスタッペンは追う立場だった。ルクレールは昨年フェルスタッペンが行ったように、バックストレートエンドにあるDRSの検知ポイント手前で減速し、フェルスタッペンを前に出して、直後のホームストレートで自分がDRSを使用して抜き返すという肉を切って骨を断つ戦法に出る。こうした攻防が2回続いた後、45周目のバックストレートエンドでの攻防でルクレールの罠にはまることなく、2番手で最終コーナーを立ち上がり、DRSを使用して1コーナー手前でトップに立った。


 残り4周、今度は2番手に下がったルクレールが、DRS使用してオーバーテイクを試みようとするが、勝利のための最大のオーバーテイクポイントであるホームストレートは、1コーナーで事故が発生したため黄旗が出されて、追い抜きができない状況だった。


 運も味方につけたフェルスタッペンがトップでチェッカーフラッグを受け、今季初優勝。F1デビュー28周年の父ヨスにとって最高のプレゼントとなった。また、この勝利は今年からホンダのパワーユニットを運用する、レッドブル・パワートレインズにとっても記念すべき初優勝となった。


 ホンダという形でのF1参戦は2021年限りで終了したが、ホンダのDNAはF1でまだ戦っている。

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今回の優勝はレッドブル・パワートレインズにとっても記念すべき初優勝となった



(Masahiro Owari)




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1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

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※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
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