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元レッドブル代表ホーナー、PUの圧縮比論争について直接的な否定を避ける「F1とは限界を押し広げるもの」

2026年2月8日

 クリスチャン・ホーナーは、2026年のパワーユニット(PU)の開発において、メルセデスや彼の元所属チームであるレッドブルがグレーゾーンとされるアドバンテージを発見した可能性についての大きくなりつつある議論に言及した。


 新しいPUはまだ実戦には投入されていないが、すでにパドックでは疑念が広がっており、エンジンの圧縮比と温度の基準値が新たな戦場となっている。議論の中心となっているのは、2026年よりF1に導入される新しいV6ハイブリッドシステムで、内燃エンジン(ICE)と電力の出力は均等に5:5となっている。

 レギュレーションでは、常温での圧縮比は16:1と定められている。しかしライバルチームは、メルセデスとレッドブルが、エンジンが作動温度に達した際に実質的に18:1で計測されるように設計していると考えている。これによって、開幕戦オーストラリアGPが開催されるアルバートパーク・サーキットのようなコースでは、1周あたり0.3秒のタイム短縮に繋がる可能性がある。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2026年F1プレシーズンテスト(バルセロナ) ジョージ・ラッセル(メルセデス)

 メルセデスもレッドブルも、ルールブックに完全に従っていると述べ、エンジンのデザインは合法であると主張。メルセデスのトト・ウォルフ代表はいつものように率直な口調で批判に反論したが、エンジンサプライヤーとチーム代表の間で議論は続いている。


 シーズンに先立ってオーストラリアのテレビ番組に出演した元レッドブル代表のホーナーは、防御的でも否定的でもない、しかし紛れもなくF1らしい口調でこの件について口を開いた。

■勝つためには「限界を押し広げなければならない」

 メルセデスとレッドブルは不正行為をしているのかと問われたホーナーは、その質問に対し少なくとも直接的には反論せず「それは大きな発言だ」と述べた。ホーナーは、この状況をスキャンダルではなく、伝統として捉えた。彼にとって、この論争は不正行為というよりも、何世代にもわたってこのスポーツを特徴づけてきた、わずかな利益を執拗に追求する行為だ。


「F1とは限界を押し広げるもので、それはレギュレーションをどう解釈するかということだ。これまでもそうであったし、これからもそうだ」


「最も保守的なチームがグリッドの最前列に立つことは決してない。限界を押し広げなければならない」


 F1という一か八かの実験室では、イノベーションはしばしば論争と不快なほど近いところに存在する。そして、こうした近さは決して新しいものではない。


 最後にホーナーは、デザイン図上の創意工夫にスポットライトを当て、新たな規則は障壁というよりパズルであり、解決のために世界で最も優秀な技術力が向けられるものだと示唆した。


「もちろん、規則をどう解釈するかが重要であり、地球上で最も優秀なエンジニアたちは規則を見て、『どうすればパフォーマンスを最大化できるか?』と考えるものだ」


 メルボルンでの開幕戦が近づくにつれ、憶測はすぐにストップウォッチのような現実に取って代わられるかもしれない。それまでは、圧縮比と競争の公平性に関する議論が続くだろう。そしてこのことは、F1において、最も熾烈なレースは、マシンがスターティンググリッドに到着するずっと前から始まっていることが多いということを改めて思い起こさせる。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2026年F1プレシーズンテスト(バルセロナ) マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


(Text : autosport web)


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