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F1技術解説オーストリアGP:好調マクラーレンが導入したレッドブル型フロア

2021年7月16日

 2021年F1第7戦フランスGP、第8戦シュタイアーマルクGP、第9戦オーストリアGPの3連戦で各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点について解説する。今回は、現在ランキング3位のマクラーレンが過去3戦に持ち込んだアップデートを取り上げる。


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 今季好調のマクラーレンが、直近の3連戦でさらなる飛躍を見せた。ライバルのフェラーリがそれ以前のモナコ、アゼルバイジャンの市街地コース2連戦よりも低迷したことで、相対的に好成績を収められた側面もある。しかし、フランスからの3連戦で次々に繰り出したアップデートによる、マシンパッケージ自体の戦闘力向上がいちばんの理由だ。


 ポール・リカールでは、フロントノーズに一対のウイングレットが追加された(黄色矢印参照)。ただしこのデバイスは、アルファタウリとハースを除く全チームがすでに採用しており、マクラーレンのオリジナルではない。

マクラーレンMCL35Mノーズ
マクラーレンMCL35Mノーズ


 とはいえマクラーレンが遅ればせながら今回ウイングレットをここに付け加えたのは、車体上部を流れる気流の剥離を防ぐ効果が、しっかり確認できたからだろう。


 ポール・リカールでは、カウルに新たな開口部が設けられた(赤矢印参照)。この週末のポール・リカールは気温、路面温度ともに急激に上昇し、カウル内部の排熱のための応急処置だった。ただしMCL35Mは2週間前のアゼルバイジャンで、エンジンカウルをさらに絞っていた。空力効率を突き詰めた結果だが、そのため冷却がいっそう厳しくなっていたのだった。

マクラーレンMCL35Mカウルの開口部
マクラーレンMCL35Mカウルの開口部


 よりパフォーマンスに直結したアップデートが、リヤウイング翼端板(エンドプレート)の処理だった。ライバルチーム同様、マクラーレンはこれまで翼端板下部にすだれのような切れ込みを入れてきた。ディフューザーが上方に吸い上げた気流は、この切れ込みで流速がさらに上がり、ダウンフォースが増大する。


 マクラーレンは今回、まったく違う形状のスカートを投入した。垂直の切れ込みが、水平になっているのだ(黄色矢印参照)。角度を90度変えることで、今まで以上の効果が出ると確信したのだろう。

マクラーレンMCL35Mリヤウイング翼端板比較
マクラーレンMCL35Mリヤウイング翼端板比較


 オーストリアGPでのランド・ノリスは、予選でマックス・フェルスタッペンに迫る速さを披露してフロントロウを獲得。レースでは5秒ペナルティを科されながらも、3位表彰台を獲得した。その原動力のひとつが、この週末に投入されたレッドブル型のフロアだろう。


 まず、これまで2枚しかなかったフロア上のデフレクターが、6枚増えて全部で8枚になった(黄色、青矢印参照)。そして従来のデフレクターのうちの1枚は、フロア周縁にフロントから伸びた薄いパネルと一体化した(緑矢印参照)。RB16Bと同じ処理である。

マクラーレンMCL35Mフロア比較
マクラーレンMCL35Mフロア比較



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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