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開幕戦オーストラリアで関係が崩壊。アウディで独裁望むビノット、ウィートリー離脱後、新チーム代表は任命せず

2026年4月8日

 F1中国GPからわずか数日後に発表されたジョナサン・ウィートリーのアウディF1チーム離脱は、ファンにとっては驚きであったかもしれないが、パドックにおいては衝撃的な出来事とは受け止められなかった。というのも、アウディF1プロジェクト責任者マッティア・ビノットとチーム代表ウィートリーの間に軋轢があるという話は、2025年シーズン終盤からすでに広く知られていたからだ。

■時間差が影響した主導権争い

 レッドブルの元スポーティングディレクターであるウィートリーは、2024年8月の発表で、ザウバー/アウディのチーム代表の座に就くことが決まったことが明らかにされたが、長期間のガーデニング休暇を経る必要があり、実際にヒンウィルで業務を開始できたのは今から約1年前の2025年4月初旬のことだった。一方のビノットは、2023年末にフェラーリから契約を打ち切られて以来F1の世界から離れていたが、2024年の夏休み直前にアンドレアス・ザイドルの後を引き継ぐ形で採用され、8月からスイス拠点のチームに合流した。

2025年F1第3戦日本GP ザウバーの新チーム代表となるジョナサン・ウィートリー
2025年F1第3戦日本GP ザウバーの新チーム代表に就任したジョナサン・ウィートリー

 この8カ月の時間差がビノットにアドバンテージをもたらし、ウィートリーに先行して体制構築を進めることができた。その間にフェラーリ時代の旧知の人材を複数引き抜き、事実上チーム全体、とりわけレース運営を含むすべてを自らが掌握する体制を築き上げたのである。

マッティア・ビノット(キック・ザウバー/アウディF1最高執行責任者)
マッティア・ビノット(キック・ザウバー/アウディF1最高執行責任者) 2024年F1第16戦イタリアGP

■待遇に不満を募らせたウィートリー

 チーム代表として採用されたウィートリーは、レース運営に関して全面的な指揮権を持つことを期待していたが、実際には重要な決定のほとんどがビノットによって下されており、ビノットにはその権限を分かち合う気など毛頭ないことをすぐに悟った。


 当然ながらこれはウィートリーにとって大きな不満となった。実際のところ、彼の役割はレッドブルでスポーティングディレクターを務めていた頃と大差なく、しかも実態としては、グランプリのたびにメディアの前に立つアウディの広報役を担わされているに過ぎなかったからだ。

アウディF1チームのジョナサン・ウィートリー(当時チーム代表)とマッティア・ビノット(COO兼CTO)
2026年F1オーストラリアGP アウディF1チームのジョナサン・ウィートリー(当時チーム代表)とマッティア・ビノット(COO兼CTO)

■決裂後、ビノット体制継続へ

 日本GP後にビノットは、チーム代表の役割を今後も維持し続けるという意思を明確に示した。すなわち、彼としては、職務の一部を手放すつもりはなく、自身が現地に赴かないグランプリにおいてチームを代表する人物を必要としているに過ぎない。


 鈴鹿でビノットは次のように語った


「将来的に新たなチーム代表を探すつもりはない。私がその役割を続ける。ただし、私は常に現場にいるわけではないため、レースウイークエンドにはサポートしてくれる人物が必要だ。私はファクトリーに集中しなければならない。そこには開発だけではなく、変革すべき点が多く存在する。したがって、レースウイークエンドでのサポートは確実に必要だ」


 このポジションには、スポーティングディレクターであり長年のビノットの協力者でもあるイニャキ・ルエダが昇格し、副チーム代表に就任すると見られている。ただし、現職に加えて新たな権限が付与されるわけではないとされる。他チームからの人材登用はビノットの選択肢にはなく、自律性を求める人物ではなく、自身の不在時に指示を忠実に実行する人物を求めていることは明らかだ。


 アウディ関係者によれば、ウィートリーとビノットの関係が決定的に悪化したのはメルボルンでの土曜日であり、この時点で両者が共に働くことは不可能であると明らかになった。ただし、同社CEOゲルノート・デルナーがアウディにとって初のグランプリを視察するためオーストラリアへ向かっていたこともあり、そのタイミングでウィートリーの退任を発表すればイベントに影を落とす恐れがあった。このため、ウィートリーはその後、しばらくその職務に留まることとなった。

ガブリエル・ボルトレート(アウディ)
2026年F1第3戦日本GP ガブリエル・ボルトレート(アウディ)


(GrandPrix.com)


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