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ピットレーンから表彰台。衝撃のフェルスタッペン復活劇に、ライバルは敬意と疑問【トップチーム密着】

2025年11月14日

 インテルラゴス・サーキットことアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェのバンピーな路面とやや涼しいコンディションによって、今年のF1第21戦サンパウロGPはどのチームも予選でタイヤを機能させることに悩まされた。それはトップチームも例外ではなく、最も苦しんだのがレッドブルだった。


 スプリントで4位に終わったマックス・フェルスタッペンとレッドブルは、予選に向けたセットアップ変更で、なんと前戦メキシコシティGPから投入された最新のフロアの使用を断念し、第18戦アメリカGPまで使用していた1世代前のフロアに交換した。

 このフロア変更と同時に、レッドブルは車高とサスペンションのセットアップの変更を行った。しかも、そのセットアップはリスクをとって、スプリントまでのものから大きく異なるドラスティックな変更だった。バンプによるハンドリング悪化を解消するために車高を上げ、グリップ不足を補うためにサスペンションを軟らかくしたと思われる。


 ところが、その変更によって、マシンの状態はさらに悪化。フェルスタッペンは予選16番手に終わり、Q1で敗退した。フェルスタッペンがQ1落ちするのは、これまでの11シーズンで今回が7回目。最近では2021年のロシアGP以来、4年ぶりのことだった。ただし、過去6回はいずれもパワーユニット交換によってグリッドペナルティが確定していたなかでのQ1敗退だったのに対して、Q2以降に進出する意味がなかったことによる戦略的な敗退だった。


 これに対して、今回のサンパウロGPのQ1敗退は、予選の時点ではパワーユニットを交換する予定がないなかでのQ1敗退。フェルスタッペンが実力でQ1落ちするのは、これがF1人生初だった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第21戦サンパウロGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 これに対して、ドライバーズ選手権でタイトルを争うマクラーレン勢はランド・ノリスがポールポジションで、オスカー・ピアストリが4番手。失うものがなくなったレッドブルは、ピットレーンスタートを覚悟したうえで、予選前にフェルスタッペンのマシンに施した誤ったセットアップを再調整した。同時にグリッドペナルティを消化するために、パワーユニットのエレメントをすべて交換し、新品を投入した。


 これらの変更によって、フェルスタッペンのマシンは生き返り、日曜日のレースでピットレーンからスタートし、途中パンクに見舞われて最後尾に転落したものの、最終的に3位でフィニッシュ。優勝したノリスとの差はわずか10秒余りだった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第21戦サンパウロGP ピットレーンスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 この結果に、ライバルであるマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、フェルスタッペンのドライビングを讃えつつ、レッドブルが行ったパワーユニット交換には疑問を呈した。


「率直に言って、今回のパワーユニット交換はルールの精神に反していると思う。もし性能向上を目的に交換したのなら、それはコスト計算に含めるべきだからだ」


 信頼性のトラブルに伴う交換はコストキャップ対象外とされる一方、性能向上のための交換は対象となるというのが、ステラの主張だ。しかし、ベルギーGPやイタリアGPなどパワーサーキットで新エンジンを投入するのは、現在のルールになってからの慣例であり、昨年のサンパウロGPでもレッドブルはフェルスタッペンに6基目となるエンジン(ICE)を投入しており、グリッドペナルティは受けたが、レギュレーション違反にはなっていない。


 次戦ラスベガスGPはストレートが長く、パワー感度が高い。サンパウロGPでノリスがポール・トゥ・ウインと完勝し、ノリスとフェルスタッペンの差は49点に広がった。残りは3戦。通常であれば、49点は安全圏内だ。だが、ステラにとって、それがまだ十分なギャップとは感じられないほど、サンパウロGPでのフェルスタッペンの復活劇は、衝撃的だったようだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第21戦サンパウロGP 3位に入賞したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第21戦サンパウロGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


(Text : Masahiro Owari)


レース

11/7(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
11/8(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
11/9(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※サンパウロGP終了時点
1位ランド・ノリス390
2位オスカー・ピアストリ366
3位マックス・フェルスタッペン341
4位ジョージ・ラッセル276
5位シャルル・ルクレール214
6位ルイス・ハミルトン148
7位アンドレア・キミ・アントネッリ122
8位アレクサンダー・アルボン73
9位ニコ・ヒュルケンベルグ43
10位アイザック・ハジャー43

チームランキング

※サンパウロGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム756
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム398
3位オラクル・レッドブル・レーシング366
4位スクーデリア・フェラーリHP362
5位ウイリアムズ・レーシング111
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム82
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム72
8位マネーグラム・ハースF1チーム70
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー62
10位BWTアルピーヌF1チーム22

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
第21戦サンパウロGP 11/9
第22戦ラスベガスGP 11/22
第23戦カタールGP 11/30
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