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【F1第1戦無線レビュー(2)】雨を予想しながら難しい判断を迫られる展開へ「クラス3の雨が2周」「5分後には本格的に降る」
2025年3月18日
2025年F1第1戦オーストラリアGP。雨はレース中に一度上がったが、レース後半に再び降り始めた。濡れた路面の影響で大きく順位を落としたり、タイヤ交換のタイミングを誤ったせいで上位入賞のチャンスを逃すなど、終始雨に翻弄される展開となった。オーストラリアGP後半を無線とともに振り返る。
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F1第1戦オーストラリアGPのレース後半の34周目、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のクラッシュで、この日2回目のセーフティカー(SC)が導入された。すでにこの時点で路面はほとんど乾いており、多くのドライバーのインターミディエイトタイヤは限界に来ていた。
ウィル・ジョゼフ:アロンソのターン6のクラッシュで、ダブルイエローだ。すぐにSCになるだろう。
ランド・ノリス:そのタイミングでピットインしてスリックに履き替えたいね。
ジョゼフ:SCが出た。他のチームはハードタイヤを準備してるようだ。この周でピットインしてハードにしよう。
ノリス:もしまた雨が来たら?
ジョゼフ:45周目までは来ないことになってる。
ノリスをはじめ、全車がピットイン。多くはハードに履き替えた。しかしレッドブル陣営には若干の迷いが見えた。
マックス・フェルスタッペン:ニュータイヤに履き替える?
ジャンピエロ・ランビアーゼ:そのつもりだ。
フェルスタッペン:でも走行ラインはまだ完全にドライじゃない。クラッシュの危険がある。これでまた雨が落ちてきたら、アウトだよ。
ランビアーゼ:わかってる、マックス。でも大部分のクルマはスリックに履き替えた。
フェルスタッペン:わかった。
ウェット路面でも抜群のマシンコントロールを見せるフェルスタッペン。その彼ですら、スリックに履き替えることにかなり慎重だった。
フェルスタッペンも34周目にピットイン。ただしマクラーレンのふたりがハードだったのに対し、ミディアムを選択した。ワン・ツーを形成したノリス、ピアストリを、より柔らかいコンパウンドで追い詰める目論見だった。

ジョゼフ:45〜50周目くらいに、1周ほどの短い雨が来そうだ。クラス2から3だ。
ノリス:理想的じゃないね。確かなの?
ジョゼフ:メルボルンでは何でもありだからね。
ノリス:確かに黒雲だね。
41周目
ブライアン・ボッツィ:3周後にクラス3の雨が2周続く。
シャルル・ルクレール:クラス3、多すぎる。
ボッツィ:雨雲レーダーではそうなっている。
「クラス3」は、ほとんどレース続行が不可能なほどの大雨を意味する。
42周目、まだ雨は来ないなか、レースが再開された。
マーカス・ダドリー(→ジョージ・ラッセル):2分後に雨が降りはじめて、5分後には本格的な降りになる。
雨が降る直前の43周目、角田裕毅(レースの)はルクレールを抜き返すことに成功した。
エルネスト・デジデリオ(→角田):グッジョブだ、ユウキ。P6だ。

43周目
リカルド・アダミ:2周後に大雨が来て、少なくとも2周は続くぞ。
ルイス・ハミルトン:了解した。
ほぼその予想通りのタイミングで雨が降りはじめ、その直後に1、2番手を走っていたノリス、ピアストリが次々にコースオフ。ピアストリはピットロード入口手前のターン13アウト側の芝生の上で立ち往生してしまう。
ノリス:飛び出した!
スタラード(→ピアストリ):すぐにピットに向かうんだ!
しかしピアストリは、なかなか脱出できない。雨は激しさを増していった。
45周目
フェルスタッペン:次の周でピットインした方がいい。
ランビアーゼ:了解だ、マックス。気をつけろ。慎重に行くんだ。
この時点で、まだピアストリは芝生の上にとどまっていた。

アダミ:このままステイアウトだ。
ハミルトン:OK。最終セクターの状況をアップデートしてくれ。すごく滑る。
この時点でセクター1、2はまだ比較的乾いていたが、最終のセクター3はかなり濡れていた。ピットインさせるべきか、ステイアウトで行くか。非常に判断の難しい局面だった。
ランビアーゼ:マックス、君の意見は?
フェルスタッペン:もうちょっと頑張ってみるよ。
ランビアーゼ:ターン13までに知らせてくれ。
フェルスタッペン:この辺りは、すごく滑る。
ランビアーゼ:気をつけろ。
ローナン・オヘア(→オリバー・ベアマン):ステイアウトだ。そこ以外はまだ乾いてる。ターン12、13だけ要注意だ。
直後にベアマンはターン12でスピン、コースオフ。なんとか無傷で脱出できた。
オヘア:ボックス、ボックスだ。
ベアマン:めちゃくちゃ滑るね。

ハミルトン:雨はもっと激しくなる?
アダミ:それはない……と、期待している。ピットレーンでは、降り続けているけどね。もう少し様子をみよう。
ジョゼフ(→ノリス):ステイアウトした連中はセクター3で苦戦してる。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):セクター1と2は、依然としてノリスより速い。でもセクター3は4秒落ちだ。それでもステイアウトだ。
しかしその直後、
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ボックス、ボックスだ、マックス!
フェルスタッペンはノリスの2周遅れ、46周目にピットに飛び込んだ。
一方フェラーリ勢は依然としてスリックで走り続け、ハミルトンが46周目に暫定首位、ルクレールも2番手に立った。
アダミ:トップに立ったぞ。
ハミルトン:ああ、でもすごく滑る。雨は降り続けてる。
スリックで走っていたリアム・ローソン(レッドブル)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)が次々にスピン、クラッシュを喫した。その間にノリスは2台のフェラーリを抜き去り、トップに返り咲いた。SC導入の間に、フェラーリ勢もようやくピットに向かった。


ハミルトン:順位を落としたね。
アダミ:P9とP10だ。
ハミルトン:それほど雨は降らないと言ったのに。絶好のチャンスを逃したね。
アダミ:ああ。
フェラーリ移籍初戦でまだ若干の遠慮があるのか、戦略ミスを非難する口調もやや控えめな感じだった。
開幕戦を制したのはノリス。0.9秒差でフェルスタッペンが2位、そしてラッセルが3位に入った。
ジョゼフ:P1。素晴らしいレースだった。
ノリス:最後はちょっとプレッシャーがあったけどね。
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):マックス、よくやった。
ラッセル:簡単なレースじゃなかった。キミも素晴らしかった。デビューレース、よくやったよ。
アンドレア・キミ・アントネッリ:なんてレースだったんだ。
ピーター・ボニントン:ああ、すごいよ。デビューレースとして申し分ない。オーバーテイクも最高の出来だった。
対照的に、上位入賞が確実だったフェラーリの2台、そして角田は残念な結果に終わった。雨への対処、わずか1周の判断遅れが明暗を分けた開幕戦だった。
(Text : Kunio Shibata)
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1位 | ランド・ノリス | 25 |
2位 | マックス・フェルスタッペン | 18 |
3位 | ジョージ・ラッセル | 15 |
4位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 12 |
5位 | アレクサンダー・アルボン | 10 |
6位 | ランス・ストロール | 8 |
7位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 6 |
8位 | シャルル・ルクレール | 4 |
9位 | オスカー・ピアストリ | 2 |
10位 | ルイス・ハミルトン | 1 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 27 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 27 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 18 |
4位 | ウイリアムズ・レーシング | 12 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 8 |
6位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |
7位 | スクーデリア・フェラーリHP | 5 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
9位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 0 |
10位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 0 |

