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F1第8戦モナコGP分析(1)ポール・トゥ・ウインのルクレールは、なぜあそこまで遅く走ったのか
2024年5月30日
2024年F1第8戦モナコGPで、フェラーリのシャルル・ルクレールがホームグランプリでの初優勝を遂げた。F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが、フェラーリの勝利について分析。第1回では、フェラーリ&ルクレールのコース上の戦略に、第2回ではアップグレードしたリヤウイングに焦点を当てた。
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シャルル・ルクレールが、ついに母国モナコGPで優勝した。トップ10の順位はグリッド順と同じだったが、見た目以上にレースは戦術的で、各チームは水面下で激しい火花を散らしていた。
モナコでの勝利についてルクレールは、「込み上げる思いがあった」と言う。彼の心は亡き父エルヴェ、そして幼なじみのジュール・ビアンキの思い出に圧倒されたのだった。
「チェッカーまであと数周の時点で、僕はすでに涙で目が曇って前が見えにくい状態だった。それで僕は自分を叱咤したんだ。今は泣いてる余裕なんてない。勝つためにはまだ2、3周走らないといけないんだってね」
一方でレースの観点から言えば、ルクレールにとってことさら困難な勝利ではなかった。2位オスカー・ピアストリとの7秒の差は、完全にコントロールされたギャップだった。ピアストリとの真の勝負は、むしろ前日の予選だった。
もしピアストリがQ3のアタックで区間ベストを全て組み合わせることができていたら、ポールポジションは100分の数秒差で彼のものだった。言い換えればポールを獲得したことこそが、ルクレールの勝利の決め手となったのだ。
そしてレースは極めて遅いペースに終始した。ルクレールはもっと速く走ることができたはずだが、レース中盤までピアストリを1秒前後の位置に引きつけて走り続けた。それは一体、何のためだったのだろう。
■マクラーレンのピットストップを恐れたルクレール&フェラーリ
全ては、スタート直後のケビン・マグヌッセン、セルジオ・ペレス、ニコ・ヒュルケンベルグの多重事故が原因だった。
レースは赤旗中断となり、再スタートの際に各ドライバーは新しいタイヤを選択できる。そのためミディアムタイヤでスタートしたドライバーたちは、レース中のピットインというリスクを冒すことなく、ハードタイヤを装着することができた。逆にジョージ・ラッセル、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトンなど、ハードスタートのドライバーたちはミディアムに交換したことで、想定よりはるかに長い77周をこのタイヤで走り切るという実に困難な使命を課されてしまった。
必然的にミディアム勢の先頭の位置にいた5番手ラッセルは、タイヤを温存するために超スローペースでの運転を余儀なくされた(通常のペースよりも1周あたり3〜4秒遅かった)。その結果、ハードタイヤでより持続的なペースを保っていた上位4台との間に、みるみる大きなギャップが築かれていった。
モナコのピットタイムロスは、約20秒である。なので2番手のピアストリ、あるいは4番手ランド・ノリスがラッセルに20秒以上の差をつければ、順位を落とすことなくニュータイヤに履き替え、首位ルクレール、あるいは3番手カルロス・サインツを脅かすことができたかもしれない。
![シャルル・ルクレール(フェラーリ)](https://cdn-image.as-web.jp/2024/05/30150538/asimg_24R08MonSu-Lec-LAT11_136658173181b92.jpg)
マラネロの戦略担当エンジニアたちはもちろんこの危険性を認識しており、ルクレールに対しラッセルとの差が開きすぎないよう、再三に渡ってペースダウンを指示した。
こうしてレース後半まで、その緊張状態は続いた。しかし51周目のハミルトンのピットインで状況は変わってしまう。この時、メルセデス陣営はハミルトンにプッシュする指示を与えず、1周後にピットインしたフェルスタッペンにオーバーカットを許してしまったのだ(トト・ウォルフ代表はレース後、そのミスを認めた)。
ニュータイヤを履くフェルスタッペンに迫られたラッセルはペースを上げざるを得ず、ピアストリ、あるいはノリスがラッセルに対し20秒のマージンを築くことはできなくなってしまった。それ以降、ルクレールは徐々にピアストリとのギャップを広げ、最終的に7秒差でチェッカーを受けたのだった。
(第2回に続く)
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 194 |
2位 | シャルル・ルクレール | 138 |
3位 | ランド・ノリス | 131 |
4位 | カルロス・サインツ | 108 |
5位 | セルジオ・ペレス | 107 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 81 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 69 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 55 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 301 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 252 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 212 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 124 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 5 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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